怪獣ブースカとゆかいな仲間たち −4
冬が近づき、朝ちょっと早く外に出ると一面白く靄っているなんて事も度々。雪じゃないけど「早起きしてスキー場にきました!」みたいな非日常な空気を感じて楽しい。本格的に雪が降り始めたら楽しいどころじゃないんだろうけど。
朝幼稚園に向けて家を出ると、キャッキャッと騒ぐ兄弟(まだ長男と次男だけ)の呼気が白い。
「あっ、凄い!イチーチもニーニーも口から煙出てるよ。」二人の顔の前を指して言う。
「わ、ホントだ。おにーちゃ、けむり」長男の口先を指差す次男。
「おぉーっ。ホントだ。はあってするといっぱい出るね!ニーニーも出てるよ!」
暫くその場で「はあはあ」を堪能したところで、そろそろ行くよと促す。歩きながらも二人して身を捩り、色んな方向に「はああああ」とやっている。
「ねえねえ、ママも出る?けむり出せる?」とイチーチ。
喋るのは大体長男で、まだまだお口の回らない次男は大体「ボクも今そう思ってた」みたいな顔してお兄ちゃんに寄り添っている。
「もちろん出せる。みんな出せる。」
「そうなの?!じゃあ、お友達のも見てみよう!」
あれ、思ってたのと違うな『誰でも出来てガッカリ』じゃないんだ?
「待て。コレは誰でも出せるけど、君たちは何者?誰もいないから小さい声で言っていいよ。」
『何言ってるかわかりません』というような顔をして聞いていた二人も、私のナイショ話を匂わせる態度にピンと来た。
「ブースカ!」惜しい
「違う。まだまだプースカだ。」と私が正すと、ちょっとガッカリした様子。
「あ、そーだった。ブースカはパパだった。」
「厳密に言うと、ママや他の人の出すコレは」はあああっと息を吐いて見せ、続ける。
「あったかい体から出てきた息が外の冷たい空気に冷やされて出来てる。湯気みたいなもので、煙じゃない。イチーチとニーニーのは煙。頑張ったら火が出る。怪獣ブースカの子だから。」嘘じゃない。SF。
「ええええっ。火が出るのぉっ?パパ出るの?」
「パパは火を吐くよ。秘密な。」長男が話す傍では既に次男がはああああ、はああああっと何か厳しい顔で息を吐いている。盛り上がってきた。
「ボク練習する。火を吐く!」
「うん、まあでもプースカだからね。そう簡単に火は出ないと思うけど、もしちょっとでも出たらストップね。」まじめな顔でそう言うと、はっと口を押さえて、小声で
「火事になっちゃうね。」
「そうだね。危ないから練習は人のいない方向でした方がいいね。」
暫く、思い出してはあらぬ方向を向いては「はあああああ」を繰り返す二人。




