青田買い?
長男の通う高校はいわゆる「県高」、県名の付いた県立高校だ。1〜7組が普通科で8、9組が理数科。この理数科が、おそらく県内で最も偏差値が高い。多分。
我が家は夫の転勤のため、結婚以来1〜3年での移動を繰り返してきた。長男は小学3〜5年を隣県で過ごし、6年になる春に、彼が生まれたこの県の雪深い山間部に引っ越した。
自然豊かなその場所で大層楽しく過ごしたが、長男の高校受験を考えるとそのまま地元中学に進むのはマズイ。だって絶対途中で転勤あるし。
「それなら結婚して転勤するまで住んでいた県庁所在地にママと子供達が引っ越してパパは単身赴任だな」という事で話がまとまった。
もと居た街に戻るとなれば、諦めていた憧れがまた蘇ってくる。私の憧れ「附属小」、大学の教育学部附属小学校だ。教育大学を出た姉の、附属小学校での実習の話などを聞いてからずっと、いつか子供ができたら附属小に入れたいと思っていた。残念ながら子供達が小学校に入学する時には(学校所在の)市内在住という受験資格に合わず断念したが、当該地域に引っ越しするなら附属中学が受験できるではないか(後で知ったが中学校は隣接する市町村なら受験資格有り。どのみち引越しは必要だが)。友人の長男が小学校のクラスメイト達と離れることから嫌がっていた付属中に、合格したから嫌々入学、通ってみたら楽しくて「小学校から行きたかった」と言っていたという話も聞いていた。
中学受験のいい所は、高校受験の練習になり、しかも落ちた所で痛くも痒くもない点だ(私見)。
お友達の多くが塾に通いそこで模試などを受けている中、一切塾に行かないウチの長男にピッタリ。テスト慣れは大事だし、不合格でも普通に最寄りの中学校に入学するだけ。受験勉強で身についたものは無くならないし、良い事尽くめじゃーんと唆せば本人もその気になった。
なんだかんだで無事合格。
県高理数にはこの附属中から凡そ三割、他中学から七割と聞いた事がある。
長男は付属中3年時学年トップだったわけだが、県高理数科入学後最初のテストは学年30番台だった。おぉ、流石県高。と思ったのを覚えている。そして、この個人面談の前にあったテストで10番台になっていた。
そんな状況での、「東大、どうですかね。」
「はい?」の後の言葉がなかなか出てこない。
担任教諭との面談で非日常的というか、想定外の単語が炸裂。50のダメージ。落ち着け。
「いやぁ、学年1番とかならともかく。すんごい頑張れば入れるとして、頑張りたくないと思います。多分東大とか思い付かないんじゃないですかね。びっくりすると思います。私も驚きました。」とか何とか、やっと返答すると
「いえいえ、毎年10人前後入ってるので。まだ一年生ですし、十分狙えます。狙っていきましょう。」的に東大の魅力を熱烈アピールされた。呆然。
家に帰って長男に面談の内容を話して聞かせると、想像通りのローテンションで「えー。」やはり特に目指したい様子ではなく、夫は何だか受けていた。
後日姉との電話中に思い出してこの話をすると、「そりゃ県高で上位なら東大目指せってなるだろなー。」と。
まだ一年なのに?と思ったが、目ぼしいのを早いうちから囲っとかないと進学実績作るのは大変なのではという話で落ち着いた。青田買いか。
先生も大変だな〜辺りに一旦着地して驚きも治ると、この話はネタ化して親戚界隈を大いに楽しませた。もちろん楽しんだだけ。
しかしこの後3年になった長男は東大に合格した。先生の勝ち。




