長男の大学受験 ー4
さて長男が試験から持ち帰った封筒には入寮申請等必要書類が入っていた。
ネットで寮について調べていた際に『申請期限が非常にタイトなので合格発表前に書類を全て揃えて発表後すぐに投函するように』という情報を得ていたが、本当に速達で即投函必須だ。
申請書の他に保護者の所得証明と入寮したい意気込みを語る作文等、添付書類を用意する。
寮に入りたい理由は「自宅通学は無理だしお金も無いので」だが、「そんなのは添付書類を見れば分かるし、それ以外の何かを書かなくちゃならんよね」と長男はやけに頑張ってA4用紙3分の2程の記入欄を埋め尽くしていた。チラッと覗き見。お年頃なのか、無駄に壮大。
長男は作文が(本人はそう思っていない様子だが)苦手。小学校中学年の頃の読書感想文で「〜面白かったです。また読みたいです。」とか、幼稚園児かと思うような衝撃的な文章を書いていた。それも提出して返却された物だったので、コレを提出する長男の神経も凄いが何も突っ込まないでいられる教師も凄いとある意味感心した。弟達も同じだったが、内容はともかくとして指示語や文末等に同じ語を繰り返し使う事に違和感が無いようで、読んで聞かせて「こんな文章読んだ事あるか?」と聞くと初めて「無いかも」と言う。読み返して推敲とかしないのかと不思議だった。
中学生になって書く文は整ってきたと思ったら、今度は回りくどくて修飾過多だったり大袈裟だったり。コレが厨二ってやつ?などと思ったりした。
私が子供の頃、特に小学生の時分はやたらと作文を書かされた。国語の授業での作文は勿論の事、読書週間とか長期休暇の宿題でも読書感想文が必ずあったし、その他にも運動会や遠足等の学校行事の後にも作文だ。しかも先生から赤ペン指導が入って何度も修正になるので、よく家でも作文の直しをしていた。そういうものだと思っていたが、ある日子ども達が小学校に入っても家で作文を書いている姿を殆ど見ていない事に気がついた。長期休暇中の読書感想文も長男が書いたのを2回しか見ていない。そういえば原稿用紙を求められた事もほとんど無いな。
どうやらあまり作文はしないらしい。確かにクラス全員分の作文に目を通すだけでも結構大変だし、そこに「こうすればもっと良くなる」と自分で考えられるように指導するとなったら時間がいくらあっても足りないだろう。子供の頃「嫌だな」なんて思っていた先生方の苦労と献身に頭が下がる。
卒業式を終え、いよいよ合格発表。
パソコン前にスタンバイして時間を待つ。発表直後は混んで繋がりにくいかもという注意はあったが、とりあえず行ってみる。画面に「合格」の文字。
わざとらしく他を見ている長男に「イチーチ合格だよ!おめでとう」とハイタッチして、頑張ったねと頭を撫でる。
もう一度入寮申請の封筒の中身を確認して「よし、行ってこい」と郵便局へ送り出した。
受験時に付き添う保護者は一緒に行って、子どもの受験中に不動産屋を回ってアパートを探したりしていたらしい。なるほど、そうだよね。
合格発表数日後の入学者説明会なるものに夫と行ってみたが、不動産情報のパネルが所狭しと並んでこちらを圧迫してくる。すっかりくたびれて「寮の結果発表みてからネット上で見て決めちゃう、でいいじゃん。」と帰ってきた。
入寮可否の発表は、大学の合格発表よりもドキドキしたかもしれない。保護者の所得の少ないもん順とはいえ、その年によって希望者の数も違う為「読めない」という前情報のせいだ。
しかし、入れた!やったねイチーチ。魂の作文(と貧乏)の勝利。
その後はバタバタ。
届いた入学手続き書類の封筒を開けたら『寄付のお願い』お便りが何枚もあって「国立でもそうなんだ?」「独立行政法人だから?」とちょっと驚き、世知辛いねと苦笑。
パソコン、iPad(ほぼノート。紙だと管理が煩雑とかでオススメらしい)、プリンター等が必要で、長男の使っていたパソコンはスペックが足りなかった為、3点セットで東大生協(サポートが充実していた)で購入。他にも保険やら生活用品やらあれこれ悩んでる脇で長男は第二外国語を何にしようとか履修単位をどうするかで懊悩。
3月の27日あたりから健康診断やら教科書販売、オリエンやらで大学に行かなければならないのに入寮は4月から。仕方がないのでホテル泊で繋いだが、国立なのに随分地方出身者に厳しい。都立ならば納税している都民が優遇されて然るべきと思うが、国立なんだからもうちょっと何とかならんかな。「余裕がない人は来なくていいです」みたいなの感じ悪いぞ。
基本「寮生以外は立ち入り禁止」も引越し時は大丈夫と確認をとった。夫と、人足として三男も連れて3人で車に荷物を積み込んで三鷹寮へ出発。ちょっと古い団地風。外には物干し竿がいくつもあり、洗濯物が風にはためいていたが、中に入っても廊下には洗濯物が干されている。おかしいな、廊下に洗濯物を干すのは禁止のはずなのに。めっちゃ在る。あと英語の張り紙がたくさん。留学生もいるもんね。
部屋はベッドと机、クローゼット、シャワーとトイレ(便器の上に可動式洗面台、隣にシャワースペース)、極狭キッチン(熱源IH一口)を含めて8畳とコンパクト。「狭いよねー」という長男に「いや、普通」と返す。学生寮なら上等だと思う。諸経費入れて月額15,000円位だもの。二年間しかいられないのが残念だ。
4月12日は入学式。会場は日本武道館。
「山田守(建築家。身近なところで新潟市の重文『萬代橋』)が手掛けた武道館が観たい!」という姉が保護者として出席。土産話は武道館が素晴らしいという事と、人数多すぎる(イチーチ発見できずな)件だった。




