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三兄弟  作者: 一二三


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18/18

長男の大学受験 ー3

 11月。当時の手帳を開いてみると、「インフルエンザワクチンの接種予約」とか「新型コロナワクチン4回目」などが書き込まれていて、一応同時に中学受験だった末っ子も合わせて「とにかく体調に気をつけろ」という空気だったのを思い出す。家族で新型コロナ罹患は未だないが、会津若松の小学校にいた頃の長男の友人が罹患し、回復した後の後遺症(酷い倦怠感で起き上がれない)で一ヶ月学校に行けなかったという話を聞いていたので、余計に慎重にならざるを得ない。

 そういえば「取り敢えずワクチン打っとけ」派の我が家に対し、「ワクチン信用出来んから打たん」派の弟一家。どちらも新型コロナ罹患者はいない。ワクチン接種での影響は一般的な発熱と接種した腕の痛みや痒みで、それほど酷い目には遭っていない。安心感と相殺されてプラマイ0な感じだが、受験前を無事に過ごせた事は有り難かった。


 前期日程は東大で、後期日程は筑波大。

筑波大もカッコいい。周りに何にも無いけど寮は良さげだ。東大駒場キャンパスの三鷹寮もネット上では散々な書かれようだったが私的には全然オッケー。大学の寮ってこんな感じだよね、としか思えない。取り敢えず寮があって良かった。入れなかったらちょっと大変だけど東大の方は貧乏順みたいだし多分大丈夫。


 「年内には願書を請求して下さい。」と進路説明会でも個人面談でも念を押されている。東大のウェブサイトに行って必要な手続きと「受験生応援!」と猛烈アピールしてくる大学生協のバナーをクリック。東大受験生向けの各種カタログや入学後のイベントガイド等資料を請求した。これで取り敢えず今やるべきことはやった。


 年が明けお正月気分も落ち着いた14、15日は大学入学共通テストだ。

 試験会場までは公共交通の利用が推奨されている。これを無視して自家用車で事故や渋滞に巻き込まれ、試験を受けられなかったとしても何ら対応はしてもらえない。とはいえ冬の新潟。試験会場の新潟大学は新潟市の中心地ではなく結構な外れにあり、家からは遠い。バス利用になる。そして、雪の降る所に暮している方は経験があるかもしれないが、バスには「乗車拒否」されることがある。

 ただでさえ郊外線で間隔が開いているのに雪道で遅延。寒さに凍えながら待ってやっと来たと思うと目の前をギュウギュウにお客を詰め込んだバスが素通りして行くのだ。理解はできる。だって仕方ないじゃんって、わかるよ。でもだからバスは私の中で信頼に足らん乗り物だ。丁度よく来れば乗るけど、頼りにしてはいかん。

そんなこんなで、行きはバス。帰りは夫が迎えに行くことになった。

一回「バスで行く」を練習して、本番だ。普段バスに乗り慣れていないのでとても緊張している。


 「うーん、まあまあかな。」と共通テストから帰って来た長男の感想は二日間ともこんな感じ。言った通り、自己採点の結果も「まあまあ」?らしく、予定通りに出願。おぉう。あと一ヶ月で東京だ。


 「スマホを買おう。」

上野駅から出てホテルはここで、試験会場の本郷キャンパスはここ、とパソコン前で夫と一緒に長男と確認していた時のこと。迷子になりそうと皆で不安になる中、夫がそう言った。そうだ、スマホ持ってれば安心じゃん。

 その頃漸く私がスマホを使い始めたくらいで、子どもたちはスマホはおろかガラケーも使っていなかった。

私はそもそも電話が嫌いで、赤ん坊連れで長距離運転するようになって嫌々携帯電話を持たされた。一度壊れて買い換えたが、後はずっとそのまま。あまりにバッテリーが保たないのとどうせもうすぐ使えなくなるのとでスマホになったが、ほぼ家電だ。そんな私の影響なのかは分からないが、長男も次男もスマホが欲しいと言わなかった。

だが今だ!早速長男と夫で出動、長男初のスマホを手に入れて帰って来た。そしてめっちゃ弄る。とにかく一安心。


 試験は2月25、26日の二日間。東京には前日入りして二日目は試験終了後の夜帰宅予定。

 前日の昼過ぎ頃に上野に着いてホテルにチェックインしたら本郷キャンパスまでルート含めて必ず下見する事と、二日目の試験終了までチェックアウト後も荷物を預かってもらえるかホテルに確認する事を言含め、長男の出発を見送った。

 その日私はバイトが休みで家にいたのだが、仕事中の夫からちょくちょくショートメール(夫のプライベートの電話はガラケー)がくる。「イチーチ新幹線乗ったかな」「上野に着いたかな」という具合に、直近の目的クリア毎に確認したい様子で、『絵に描いたような過保護なお母さん』ぶりに胸が温かくなる。面倒に思うのと同じくらいには。

無事帰ってきた長男の話をひとしきり聞いた後、夫が寝てから。

「見てごらん」と長男が出かけて以降の夫からのショートメールを長男に見せた。

「気になって気になってしょうがないって感じだったよ。愛されてるねえ(ニヤリ)。」と私。

「うわ、すごいね。ママから来たの随分省いてたんだね。」照れ照れの長男。だってウザイじゃん。

「そう。面倒だけど、心配してくれる人がいるのはありがたい事だよ。大事にしなきゃだけど面倒くさい。超分かる。だからね、必要と思われる情報を聞かれる前に出すといいよ。口出しする隙を与えないように、心配しないように、安心していられるようにね。気をつけな。」

小さな子ども相手じゃあるまいし。心配性な夫もどうかと思うが、いちいち煩いなという雰囲気を醸し出すより心配させない工夫をしろよ。そっちの方が簡単だろーが、と思う。報連相は大事だぞ。

「あ、ごめんなさい。気をつけます。」やっと説教されているのに気づいたか。

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