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8.優しさをあげましょう

「失礼します」


 ここが学園長先生の部屋かぁ。結構豪華だなぁ。


「「失礼します」」


 後ろの二人もやってきた。


「さて、君たちを読んだのは他でもない先ほど起こった騒動についてだ。君たちが当事者であるとみていいかな?」

「「「はい」」」

「騒動の内容については報告を受けている。確か、君たち二人がまず……」


 そうして確認が始まった。ただ、詳細な報告を受けているらしく、齟齬は見られない。


「そして君が二人を論破し終えて、会場から出たということだな?」

「はい。卒業パーティーを台無しにしてしまったので」

「他に何か言いたいことはあるかな?」

「一応言っておきますが、全部こいつが悪いんですよ!」

「そうです!」

「その点に関しては君たちの主張が弱かったんだろう? しかも王家に対する反逆と見られてもおかしくない発言をはじめにした。違うかい?」

「だってそう言わ……いえ、何でもありません」


 やっぱり首謀者がいそうだ。まだまだ油断はできない。


「……。そうか。のう、シェイン、罰は何が妥当だと考える」

「王家への反逆とも取れますからね。修道院送りが妥当ではないでしょうか? 反省する機会も与えませんと」

「ふむ、妥当なとこじゃな。ではそなたら二人は、一旦警吏に引き渡す。裏には誰かおるようじゃし、それを教えてくれるまでかのう」

「なっ……」

「嫌ならすぐに教えればいい。そうすれば警吏も早々に君たちを放し、修道院に送ってくれるじゃろう。早く吐いたほうが、修道院にいる期間も短くなる。あと、その間は君たち二人は休学扱いじゃ。早くの更生を祈っておる」


「そんな……」

「嘘でしょ……」


 どうやら二人ともかなりショックを受けているようだ。

 いやーけど優しいと思うけどなぁこの処分。普通に考えたら学園を追放されてもおかしくないもん。


「優しいでしょ? ちゃんと更生してきてね?」


 私は留めを押した。


「そしてシェイン。そなたはこの計画があるのを勘づいたうえで見逃していた。新学期まで寮で謹慎しなさい」

「分かりました」


 まあそりゃそうなるよね。学園長先生、目ざといなぁ。


「では、失礼しました」


 そうして部屋から出た私の前に。セイレーア様がいた。


「セイレーア様? どうされました?」

「お礼、言っておこうと思って。今回はあなたのお陰でわたくしが関係者ではないと理解してもらえたわ」


 あれ? そんなこと、やったっけ?


「ありがとう」

「そんな大したことはしてませんけど……」

「あなた、わたくしと仲良くなりたいと言っていたわよね?」

「……はい」


 改めて聞かされると恥ずかしい。私、こんな事をセイレーア様の前で言ったのか。申し訳ないことをしたかもしれない。


「あなたさえよければ、わたくしと友達にならない?」


 そう言ってくれたセイレーア様には気恥ずかしさがあるのか、顔がかすかに赤くて……


 とても、綺麗だった。


「嬉しいです!」


 第一段階、突破だ!(決めていないけど。)


 セイレーア様と仲良くなっておけば、嫌がらせ、起きにくいよね?


 そう信じることにした。

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