7.後始末は請け負います
「それは……そうかも」
認めて貰えた。驚きだ。否定されるかと思っていた。
「では、それは理由になりませんね。他に何か?」
冷静に畳み掛ける。いや、内心は冷静じゃないけど。冷静に見えるように畳み掛ける。
だいたい悪役令嬢が断罪されるのって最後に主人公暗殺とかを謀ったからなんだよね。そんなことやっていないのに、私が断罪されるわけないじゃん。
「セイレーア様に水をかけた」
「それは噂話を聞くに2週間前の放課後のことでしたよね? その時、私はあなた達から身を守るため、研究をしていたんですよ。ねえ、先生」
「ああ、いたな。他にも助手もいるから聞いてみると良い。答えてくれるよ」
「それでは、他に何かありますか?」
二人は悔しげな顔でうつむいている。
「なさそうですね。では、皆さんにも理解していただけましたか?私は何も悪いことはしていない、と」
ここで一旦区切る。動揺が広がっている。
「私は巻き込まれただけ。しかも、私はセイレーア様とは仲良くしたいのですよ。そんなことをするわけがありません。……さて、こも二人はこの卒業パーティーを台無しにしましたね。それ相応の罰が必要だと思いませんか? お二人さん。大丈夫ですよ、私は聖女ですからね。食いぶちもないまま野に放したりはしませんし、更生の機会を与えてあげますし、出来るだけ優しい罰にしてあげますよ」
「何が聖女だ……」
「悪魔じゃねえか」
その通り、私は聖女ではないからね。しかもさっきのは悪魔に見えても仕方がないと思える。
「まあここで今何かをやっても変わらないので、今度、書類として提出しましょうかね。ではお二人とも、さようなら」
二人には、シェインの顔が悪魔の顔に見えた。
あぁ、雰囲気が悪くなってしまった。
これも私に勇気がなかったから。頑張って、勇気を出して、この場を諫めてみよう。
私は表向き聖女なのだから。
「皆さん本日はこのような事態を引き起こしてしまい、申し訳ありませんでした。卒業生の皆さん、本当にすみません。この後は、楽しく過ごしてください。原因となった私たちは退場するので、どんな話にふけられても構いません。では」
「さて、お二人とも、パーティーから出ましょうか」
「「はい……」」
ついでに、今から学園長先生の部屋に行くというのはどうかな?
そう思ったりもしたが今の時間、学園長は学園長室にいない。仕方なく諦めることにした。
パーティー会場からはガヤガヤとした声が聞こえる。きっと、みんなさっきの話にふけっているのだろう。にぎわいは戻ったようで、安心だ。
「何で私が嫌いなの?」
私は気になっていることを聞いてみることにした。
「その聖女然とした態度」
「せっかく近くにいることを認めてくれているセイレーア様に権威を落としそうなところ」
「リガーレ、さっきの態度を見ても私は聖女だって言いたい?」
「いや、お前は悪魔だ」
「だったら問題ないわね。そしてサスレイア、さっきも言ったけど私はセイレーア様と仲良くしたいのよ。セイレーア様の権威を落とすことなんて無いわ」
「信じられん」
「まあこの事を学園に報告すれば、王宮と対立したということで、それ相応の罰が下るでしょう」
「あ……」
「まさかあなた達、自覚無かったの?」
「はい……」
黒幕がいるのか? だったら、まだまだ気が抜けない。
「おう、君たち。まだそこにいたか、学園長が呼んでいるぞ」
シーリア先生がやってきた。
学園長先生呼んでいる? なんと都合がいいんだろう。