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6.反撃の時間です

「わたくしの言葉が聞こえていなかったの? あなたはセイレーア様を傷つけたわ!」

「どのようなことをして、ですか?」

「セイレーア様に、数々の嫌がらせをしたでしょう!」

「例えば?」


 ここで感傷的になったら負けだ。

 私は、聖女らしく、余裕を持って、この人たちに対応すれば良い。


「まずセイレーア様にわざとぶつかりましたわ!」

「いつの話でしょうか?」

「始めの頃よ!」

「だったら私はそれを避けたはずですが? そしてそれをリガーレ様、あなたが醜いと言ったため、私はあなたに対してあなたが清いと思う行動……つまり人とぶつかることを行ったのですが……」

「嘘をつかないで!」

「ねえ、セイレーア様、証人になってくださいましたよね?」

「ええ。」


「なんてことだ。ぶつかっていたことはリガーレ様に原因があったのか……」

「少しは話を聞いても良いかもしれないわね」


「くっ……それだけではないわよ!」


 今度はサスレイアが出てきた。


「あなたはセイレーア様のものを壊したわ!」

「あっ……それ……いつの間にか消えていたお気に入りのペン……あなたが持っていたの、サスレイア?」

「ええ……、シェイン様が貸してと仰ってきたから貸したのよ。そしたら壊れて返ってきてしまって。こんなものはセイレーア様に見せられないと思い、自分で持っていましたの」

「そうなの……」


 何ていうか、もうグダグダである。だいたいセイレーア様に内緒でこの事を起こしている時点でダメダメだ。


「私、そんなものを借りたことないですよ」

「は? 嘘をつくのはやめなさい」


 いや、嘘をついているのはそっちでしょ。ここまでくると見事なものだと感心できる。


「覚えていますか? 私は全属性持ちですよ? 物を使ったあとには1年ほど魔力の残滓が付きまとうんですよ」

「え?」

「そのペンを見たところ、私の魔力の残滓は残っていなさそうですね……」

「なっ!」


 私だって研究していたんだよ。


「その証拠を見せなさい!」

「いいですよ。シーリア先生、出番です」

「は?」


 シーリア先生には私の魔力の提供を交換条件に研究を手伝ってもらった。


 そして、その結果分かったのがこれのことだ。


「確かに、彼女が触ったものは理論値では1年ほどあとが残る。早くても半年は残るでしょう。見たければあとでこの研究成果を見せてやるから研究室においで。それはともかくそのペンをシェインが借りたというらしいな? しかし、そこからは魔力の残滓は見えん。よって君が嘘をついているんじゃないかい?」


 さすがシーリア先生。ちゃっかり研究室に人員を募集しているのも流石だ。


「でも。他にも動かぬ証拠が……」

「それは何だい?」


 こころなしかサスレイアが震えているように見える。


「手紙よ! あの女が送ってきたのよ!」

「どれ、鑑定しよう。見せてくれないか?」

「ええ……」

「おや、これにもシェインの魔力はないよ。」

「……! やっぱり……」


 今、やっぱり、と言った?

 つまり、セルレイアが準備した訳では無いの?黒幕がいるということ?

 訳が分からない。


「さて、他に何か証拠はあるかな?」


 シーリア先生……心強い。誘えて良かった。


「悪口」

「え?」

「その女は悪口を言っていたのよ、セイレーア様の!」

「そうなのかい? シェイン」

「違います」

「それはどんな悪口かな?」

「セイレーア様は堂々していない、貴族にふさわしくない、等といったものです」

「そうか、だがシェインがそれを誰に言ったんだい?見たところシェインに話しかける人物はいなさそうだが」


 はあ……呆れた。根が甘い。


「一つよろしいですか? サスレイア様は、私がセイレーア様の悪口を言ったことを言うつもりでしょうが……私、あなた達に悪口を言われたこと、ありますよ」


 さて、ここからどんな反応が来るのか非常に楽しみである。

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