表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/57

47.始まりました

「セイレーア様はどうするんですか?」

「シェイン様を助けるわよ。」

「それは私がやりたかったこと…」

「では、お互い助け合いましょう。」

「そうね。目指すは生き残りよ。」

「だったら譲ります。」

「駄目よ、わたくしが譲るわ。」


そうなって決着のつかないまま今日がやってきた。

今日は遠足、そしてその場で最終大会が行われる。これは私たちの学年だけでなく他の学年も遠足に来ている。

そして、みんなで盛り上がるらしい。去年、その盛り上がりに参加できなかったことが悔やまれる。



「それでは、ただ今より、最終大会を始める!」

「「「「おう!」」」」


この時ばかりはいつもは貴族ぶっていてもノリに乗る。これが暗黙の了解というやつだ。


「5分後にはじめます。」


広場に皆散らばる。このときはまだ魔法は使えない。


「それでは、始め!」

「透明」


さっそくセイレーア様と一緒に隠れる。あとは、こちらに向かってくる魔法を避けるだけ。動いていたほうが怪しまれないかな?


「この後、どうしましょう?」

「どうもできないわね。」


そんなふうに放してたらさっそく魔法が飛んできた。慌てて避ける。


「攻撃もしましょうか。」

「そうね。退屈だもの。」



これより、私たち二人のコンビによる最終大会荒らしを始めます!



「竜巻」


ヒュルルルル…ドン。


「ぎゃああああ!」


広場の外に行った。これで彼は退場。さすがの貴族様も高所から落ちれば悲鳴を上げるんだ。


「治癒」


一応やってあげた。弁償とかさせられたら面倒だし。


「いいわね。それ。殺さないですむもの。」


セイレーア様はどうやら殺さないことに苦戦しているようだ。


「竜巻」


今度はセイレーア様が使いはじめた。

それだったら私は…


「蔓」


うねうね。いろんな人…特に男子に足に絡みついていく。そしてそれを女子の強い人達が倒してその人達は終了。それでもまだ残ってい男子たちがいるようだ。だけど、今度は女子を狙わせてもらう。


「穴」


土属性、穴。その名の通り穴ができる。ただ、それに少し工夫を入れて、穴の中に落ちた後、上から降ってくるようにしてあげた。

運よく免れた人以外これで脱落…いや、落ちる直前に風を使って昏倒しなかった人はいる。


ただ、これにより残りの人数は13名。

最終大会は序盤だというのにもうすぐ終盤に差し掛かろうとしていた。



「では、私は離脱しますね。」

「わたくしは離脱するわ。」

「「…え?」」


被った。


「セイレーア様?もちろん残りますよね?」

「シェイン様、もちろん残るわよね??」

「「違います(違うわ)。」」



「セイレーア、どこにいる!?」


先生方の声が聞こえた。


「どうしてセイレーア様だけ?」

「さっきに離脱する、と言った声を先生方に風で届けたのよ。だからシェイン様を探しには来ないわ。諦めなさい。」

「そんな…セイレーア様が残らないのに私が残る意味はありませんよ!」

「いいえ、あるわ。わたくしはあなたが残る姿を見たいもの。」

「そんなの…意味がないじゃないですか。」

「わたくしはあなたに救われたのよ。だから一回くらい救わせて。」

「…記憶にありませんけど」

「ちゃんと残るのよ?」

「はい…ご褒美、下さいね。」

「いいわよ。」


私はセイレーア様の作戦に負け、残ることになってしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ