46.どうしてですか
なぜ、カンヴェスにバレたのだろう?
「解除」
カンヴェスなら問題は無さそうだし、いったん解除することにした。
「幻覚」
もちろん、変装はする。
「カンヴェス様、なぜ気付いたのですか?」
「なにか違和感があった。空気が揺れているような感じだ。」
「…つまり、魔法のあとが見えるようになった、と?」
「そんな感じだ。」
「それはすごいですね。」
「そうか?」
「凄いわ!ご自身で研究したのかしら?」
「そうだ。」
セイレーア様にもこのすごさは分かるみたいだ。
「どうやったのですか?」
私としても興味がある。
「目を閉じて…」
カンヴェスは何かいろいろ言ってくれた、が、できない。
「出来ません。もしかしたらカンヴェス様だけの才能かもしれません。遺伝の可能性もありますが。」
「本当か?」
「いえ、確実ではありませんよ。ですが、少なくとも私とセイレーア様には使えませんからね。誇っていいと思います。」
「やった…!」
カンヴェスがやけに喜んでいる。
私も見てて嬉しくなってきた。カンヴェスは運で魔術の才能のある聖霊がついただけ。それが自分自身で魔術を使えるようになり、自分だけかもしれない才能まで見つけたのだ。これが嬉しくないわけがない。
「ありがとう。今までに努力が報われた気分だ。」
「それなら良かったです。」
「わたくしたちが透明になったほうがあなたにはバレやすいのね。だからといって見逃してもらうのも申し訳ないし…合図を決めてみません?」
「どういう事ですか?」
「見逃してもらったら万が一透明になれる人が見つかったとき、わたくしたちだと思って見逃した、となったら大変じゃない。」
「あ…。理解しました。」
さすがセイレーア様だ。
「では、俺が話しかけた後に光を2回瞬かせるというのはどうだ?」
「いいんじゃないかしら?」
「いいと思いますが、やるなら虹色にしましょう。そしたら他の人はなかなか使えないでしょうし。」
「シェイン様がそれでいいならいいわ。」
「ではそういうことで。」
よし、これで安心して透明を使える。あとは他に魔力を見ることができる人が現れないのを祈るだけだ。
学園祭があったり、体育祭があったりした。学園祭ではある程度の活躍は出来た。やったのは演劇。そして私の魔法は光を出すとかでとてもサポートに向いていたのだ。逆に体育祭ではあまり役に立たなかった。体育祭では魔法を使うことが禁止されている。
魔法が使えれば私は強いんだけどなぁ。
だが、そんなシェインに適した大会が行われることになった。
最終大会だ。これは日本で言う12月に行われる。これが終われば、各自何か研究成果を出し、それが受理されれば無事卒業だ。
最終大会は、殺さなければ何でもありの大会だ。
魔法を使うのもよし、模擬剣を使うのもよし。ただ、倒れたら終了。そして、最後まで残った人物が優勝者となる。
もう、その戦いの火蓋は切られている。




