42.日々は過ぎます
練習をセイレーア様にも協力を頼みながら頑張った。
その結果、ちゃんとイメージすればいろんなものができることが分かった。
必ずしもすべての属性を混ぜるわけではないけど。
そもそも私以外の人は複合なんてしないから関係ない。
また、規模に関しては私の魔力ありきだと思うけど。
最近では、慣れてきたものなら途中経過考えずに結果だけでもいけるようになった。
これはずいぶんな進歩だと思う。
「浮遊!」
この魔法も出来るようになった。
今までの通説は人は上に飛ぶこと(ジャンプ)は出来ても自由自在には飛べないだったから、覆ることとなった。
まあセイレーア様のおかげだ。
ただ……
「聖女様〜〜!」
空までも飛べるようになったことで聖女像が加速して、何故かファンが生まれた。不思議だ。
たまには城から離れることも出来る。
護衛の人がついてくることが条件だけど、懐かしさを感じるから楽しい時間だ。
たまにはセイレーア様とも歩いたりして、かなり満足だ。
そのセイレーア様だが……
「シェイン様、王太子殿下とはどうなの?」
「何もありませんよ」
何故か私と王太子をくっつけようとしてくる。
「本当に? 熱烈なアピールは来ていないの?」
「無いですよ」
嘘だ。
かなり熱烈なアピールが来てる。しかも他の人にそのことを言っているがゆえにその人達からの殿下アピールが凄い。
「ふうん」
もちろん、セイレーア様は信じてくれなかった。
王太子は、よく暇な時間を見つけては遊びに来る。しかしその回数は多く、王太子がそんなに暇なわけ無いだろ! といっつも心で突っ込んでいる。
「なぜそんな来るのですか?」
「お前が好きだからだ」
「だからどうしてその感情を?」
「そりゃあ誰にでも優しいし、正義感もあるし、王妃にも適切ではないか」
不思議な人物だ。王妃に適しているというだけで人のことを好きになるのだ。
その感情は、よく分からない。
いままでの教育の賜物なのだろうか。それだったらそんな教育を受けてきた国王陛下、王太子を尊敬する。
「それだけでそうなるのですか?」
「そうだ」
「では平民の血がまじることはどう捉えていると?」
何回したかはわからないがこれも何回も聞いた。
「聖女の血だから問題ない、と」
「私の知っている話では、こんなふうに平民の血を入れた王族はその後簡単に滅びていますが?」
「大丈夫だ」
何がその自信の根拠になるのだか。
「というか君はそれしか言わないな。つまりそれが解決できれば婚約してくれるのか?」
「後見ですし……やるしかなくなるでしょうね。嫌々で良ければ、ですが」
「問題ない。頑張って好きにさせるから」
「そうですか……」
そんなふうに悪い方向へと話が進んでいく。
たまにセイレーア様がいるときに来ることもある。そうなったら私は二人を相手にすることになって、非常に大変なのだ。
……この国、大丈夫かな?
まあそんなことが分かる人物はいない。
そんなふうに、時間は経っていった。
乙女ゲームにしては珍しくいのか、イベントはなかった。
明日から、また学校が始まる。
もうすぐラスト…のはずです。最後まで突っ走ります。もしかしたら3回更新に戻すかも…
最後までよろしくお願いします。




