表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/15

3.上手くいきません

「セイレーア様、こんにちは。あら、リガーレ様もいるのね。こんにちは。」


そうしてぶつかりに行く。


「来んな!」

「いえ、私は清らかであるためにあなたにぶつかっているのですよ?なぜ嫌がられなければならないのですか?」

「ひいぃ…」


私はセイレーア様に何度会いに行くことにしている。

そして、そのついでに、こいつの…リガーレの排除をもくろんでいるのだ。もうすぐ、リガーレはセイレーア様から離れていくはず。そう踏んでいる。

だが、厄介なのはもう片方の人。こちらがなかなか尻尾を見せない。

どう対応しようか…ここで理由のない嫌がらせをしたらまるで私が悪役令嬢みたいじゃないか。まあそれ相応の地位とかはないんだけど。


「こら、リガーレ、今はまだ…」


もう一人の嫌な取り巻き、サスレイアがリガーレをなだめている。


「…分かっているわよ。」


一体何を話し合っているのだろうか?これが私の排除とかだったらこの人たちの排除が楽になっていいんだけどなぁ。まあ、そんな都合のいい展開は起こらないか。


「シェイン、おはよう。」

「王太子殿下…おはようございます。」


そして、王太子は私によく関わってくる。

一体なぜ?私はセイレーア様とだけ関わりたいんだけど。ただ、それも私が聖女らしい振る舞いをしているうちは仕方がないと思っている。だってそういう行動が積み重なって、攻略に至るのがゲームだから。

だから、そうならないように、セイレーア様が王太子と仲の良いままでいられるように、私はちゃんと王太子の嫌いな行動をとっているはずなのだ。

そう、誰かを一方的に贔屓するような…つまり、セイレーア様を一方的に贔屓するような行動を王太子殿下にもわかるようにとっている…はずなのだ。

なのに、それが上手くいってない。今、私は非常に戸惑っている。


さて、カスタニア学園、非常に高貴な学校ではあるのだが、私はいきなり編入したせいで、ほとんどの授業を別で受けている。

いや、ラノベとかは前世でたくさん読んでいたから、ある程度のこういうものだろう、とかいうのは分かるんだけど、やっぱりこの世界にはこの世界独自のものもあるわけで…。いろんな設定が混ざってはいけないから、と真面目に授業を受けている。


そう、それが王太子の興味をより引かせているのも知らず…。

ただ、この真面目に受ける、という部分、ゲームでは当たり前のように行われていた。つまり、シェインはそこを真面目にしていることが王太子にどう影響するか、などは分かっていないのである。


「ところでシェイン、最近はどうだ?」

「どうもこうも…おかげさまで安全に暮らせていますよ。孤児の時とは大違いです。」

「それ良かった。父上にも伝えておくよ。」


一体王太子は何が言いたいのだろう?私にははなはだ理解できない。

ただ、援助は王家から来ているので、王太子を粗末に扱うことはできない。嫌われたいのに。いろんな制約に絡めとられているヒロインというのも結構大変なのである。とくに悪役令嬢の幸せを願うなら。


…!

そこで私は気づいた。セイレーア様を幸せにするために、できればセイレーア様に誰かと婚約してほしい。だけど、セイレーア様がその人に興味を持つには、私がその人のルートに入る必要があるんじゃあ…。

どうしよう?

ひとまず、セイレーア様が誰を気になっているのか聞いてみよう!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ