表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/57

28.SIDE カンヴェス

 俺は、魔術は普通だ。ちょっとできる方、それが簡単な印象である。


 しかし、それは単純に強い精霊が選んでくれた。ただそれだけが理由なのだ。

 それが、悔しかった。


 ……俺も親父みたいに実力で何かを成したい。


 そして、俺は精霊以外で強くなるための(すべ)を模索しはじめた。


 そんな中、聖女が見つかったということを聞いた。聖女は急に魔法を使えるようになったという。


 そして、調べた結果、全属性であることが分かった。


 これには何かきっかけがあるはずなのだ。そうじゃないと、説明がつかない。そして説明がつかないことはおかしい。


 接触を試みることにした。


 ……、が、彼女……シェインはセイレーアという令嬢によく話しかけている。

 さらに、王太子殿下も時々彼女に話しかけに行くのだ。俺が話しかけに行くことは気まずくて出来なかった。


 しばらくすると、彼女には悪い噂がたつようになった。

 しかし、そのようには見えない。

 疑問を持った。


 卒業パーティーで、彼女の潔白が明らかにされた。しかし、彼女は学校を1ヶ月……休みと被っていたとはいえ休むことになった。

 俺が話しかけるタイミングは、さらになくなった。


 そんな俺にチャンスがやってきた。

 ある時、裏庭にいると、シェインとセイレーアがやってきた。


 ……やっと会えた。


 話しかけると、魔法の実験をするのだと言ってきた。


「魔法だと!?」


 なんと!

 聖女が行う魔法の実験だと!

 絶対に見たい!


 そしてそれを自分も使いたい!

 そしたら自分も強くなれるかもしれない。


「俺にもそれを見せてくれないか?」

「嫌です!」

「あ?」


 なぜ俺はこんなに嫌がられなければならないのだ?


「分かりましたよ。ただ、そんなに面白いものではないと思いますが 」

「別にいい。聖女がどれくらいの力を持っているか興味があるだけだ」

「セイレーア様、構いませんか?」

「いいわよ」

「それでは、使いますね」

「何を使うか先に教えてくれない?」

「今から使うのは単純に火を作るだけですよ。単純なほうが成長が分かりやすいですし。部屋じゃあ、大きいものは練習できなかったので」

「それもそうね。どうぞ」


「まずは今まで通りやりますね。火の玉(ファイヤーボール)。スピリア、よろしく」


 スピリア? 一体それは誰だ? 俺には分からない何かがいるのか?

 疑問がどんどんどんどん湧いてくる。


 その後に「昔の方法」と言って出された魔術はとても大きい火の玉(ファイヤーボール)だった。


 これぞまさに探していたもの!

 これだったら精霊とかは関係無しに強くなることができるかもしれない!


 希望が生まれた。



 そして、何とか乞うて教えてもらえることになり練習が始まった。


 これは昔の魔術……精霊を介さない魔術らしい。


 セイレーアの方が出来は良かったが、彼女がその後に分かりやすく教えてくれたお陰で俺もなんとか遅れずに済んだ。


 そして、それを授業で使ってみた。

 威力は、強くなっていた。

 これで、俺はあの家で堂々と過ごせる。


 シェインとセイレーア、どちらも好ましい。だから、何かあったら彼女たちを助けてやりたい。


 そう思った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ