表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

プロローグ



 僕達は、まともに生きられなどしないことを、知っている。


 僕達が、まともに生きることが『正義』であり、鎖であるということを、知っている。


 間違いだらけの僕達は、どんな枷をも壊せる。

 矛盾だらけの僕達は、どんな苦しみも歌にできる。


 僕の闇は君の音となり、君の闇は僕の音となるんだ。




     ✩     ✩     ✩




「·······ん」


 自室でPCとネットを漁っていた心音――香月(こうづき)心音(しおん)は、気になるものを見つけた。彼はボカロP『月音―tukune―』という顔も持っている。とある男性歌い手の歌ってみた動画である。

 彼のビジュアルは、コバルトブルーの髪の前髪にピンクのメッシュが入っており、金色の星のピンをつけている。右眼がピンクで左眼が金のオッドアイは、星のような輝きを宿していた。少しかわいい系の顔立ちは女性人気がありそうだ。


 プロのようではないものの人を惹きつける『なにか』が感じられる歌声。歌詞にふわりと寄り添っているようなあたたかみ。だが歌の才能があり余っているようではなく、声もとても特徴的なわけでもない。

 でも、その『なにか』が心音の心を惹きつけた。


「········煌星(きらほし)れあ、か」




     ✩     ✩     ✩




(つく)()さんかぁ」


 時を同じくして、住宅街のうちの一軒家の一室。

 PCの前で風宮(かざみや)黎空(れあ)――またの名を煌星れあという――は、あるボカロ曲を聴いていた。曲名は『はみだし者の光。』、作者は『月音―tukune―』。

 現代だからこその葛藤と苦しみを綴っているが、変に重すぎず変に軽すぎない、巧みな言葉遊びでより伝わってくる歌詞。思わず口ずさみたくなるような滑らかなメロディ。なのに、『なにか』が足りないように黎空は思った。


「なにか始まる予感だね。高校生活が始まるからかな?」


 無駄にキリッとさせた顔でそう言う黎空の、「なにか始まる予感」は当たっていた。高校生初日である明日は、黎空の青春が始まる日。黎空の物語の新しい章が動き出すのだ。




     ✡     ✡     ✡




 (すい)(せい)高校は自由な校風である。髪型自由、制服は最低限着ていればおしゃれをしても良い、などなど。

 風宮(かざみや)黎空(れあ)は自分のクラスの1年B組の教室の前で、わくわくと期待に胸を高鳴らせていた。

 ショートの髪は青色のメッシュが入り、ワイシャツの上には同じく青色のパーカーを羽織っていた。外見は男子のようだが、性別は女性である。


「よしっ」


 と意気込むように呟くと、ドアを開け教室へ入っていく。そのあと自分の席に荷物を置くと、持ち前のコミュ力を発揮してクラスメイトに話しかけにいった。本当は人見知りのようだが。


 その間、黎空の席の隣の席に座った彼は香月(こうづき)心音(しおん)

 さらりとした黒髪。切れ長の瞳にしゅっとした鼻筋の、整った顔立ち。長い手足にすらっとした体躯。纏う雰囲気は気怠げだがかなりの。


「おぅゎイッッケメン」


 である。

 自分の席に戻ってきた黎空は、思わずといった風に呟いた。その声の方へと目を向ける心音。黎空はといえばぴしゃーんという効果音が聞こえそうな驚きの表情を浮かべている。黎空はイケメンの芸能人とかが普通に好きな普通の面食いだからだろう。

 人様の顔を凝視したあと顔の感想を零すというのは失礼すぎる、とハッとしたあと、気を取り直して声を掛ける。


「はじめまして!僕、風宮黎空っていいます!えーと·······香月心音くん、だよね!これからよろしく!」


 と、握手を求めるも、すげなく無視されてしまう。素っ気なく拒絶されてしまった。


「······よろしく。·······あんま話し掛けてくんなよ。」


 その上睨みつけられた。




     ✡     ✡     ✡




「······よろしく。·······あんま話し掛けてくんなよ。」


 と言われてしまった黎空の心情といえば。


(は?ツンデレイケメンとかマジ尊····。そんな尊いの塊の生き物ってアニメの中だけだと思ってたわ)


 超ポジティブな上にオタク思考な黎空はアホな思考を巡らせていた。いかんいかんと頭を振り、邪念を追い出す。


(ここは学校!ここでの僕はクレイジーな煌星れあではなく、ただの風宮黎空なんだぞ!落ち着け!)


 こんな黎空が話し掛けていかない訳がなかった。




     ✡     ✡     ✡




(あああああ!!やっちまった!なんで俺はいつもいつも······!)


 本当は友達が欲しいのに、口が悪い上に引きこもり陰キャすぎてコミュニケーションの仕方が分からず、結局突き放してしまった。

 心音は後悔に苛まれていたが、黎空はなにやら思案しているような顔をしている。


 ちらりと黎空を盗み見る。

 少しだけ癖のある髪は青色のメッシュが入っており、それなりに派手だ。ワイシャツの上に青色のパーカーを羽織っている。身長は心音と比べて頭半分ほど低く、二人で並べば見下ろす形になる。顔はやや女の子っぽく中性的なイケメンといったところか。

 なんとなく、「こいつ絶対変な奴だ」と思った。この黎空という人間のことは全く知らないが、なぜかそう思った。


 ·······こいつの声、どっかで聴いたことあるな。



いろいろ分かんないことだらけですごい適当ですが、自分の書きたい物語にできたらなって思います。

たぶん更新遅くなっちゃう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ