ep.5 キャラランド所属アイドルユニットオーディション応募開始!
キャラランド公式サイトとSNSが、突如として動き出した。
『キャラランド主催・新アイドルオーディション開催決定!』
告知と共に、ポスター画像が投稿される。
シンプルながらも目を引くデザインで、「LoHi参戦プロジェクト」と明記されていた。
「これで……発表完了したわね」
パソコンの画面を見つめながら、椿は深く息を吐いた。隣ではSNS担当の猫沢がスマホを確認し、次々とSNSでの反応を読み上げる。
「お、リツイート伸びてますよ! 『キャラランドがアイドルオーディション!?』って驚いてる人が多いですね」
「まあ、当然だな。うちはこれまでマスコットキャラクター専門の事務所だったんだから」
雨野が腕を組みながら渋い顔をする。
「『何かの間違いじゃない?』とか『今さらアイドル業界に参入とか無理じゃね?』って声もありますね……」
猫沢が慎重に言葉を選ぶ。
「……わかっていたことです。でも、私たちは本気でやる!!」
椿の声には迷いがなかった。
一方、業界内でもこのニュースは話題となっていた。
「キャラランドがLoHi参戦? ははっ、冗談だろ」
烏森芸能のオフィスで、マネージャーの一人がスマホを見ながら笑った。
しかし、社長である烏森 雅は静かに告知文を読み、口元に手を当てた。
「……キャラランド、か。椿ちゃん、きみの覚悟、どこまで本気なのか見せてもらおう」
また、別の芸能事務所でも、キャラランドの動きを注視している人物がいた。
「ほう……マスコットキャラクターのマネジメント事務所がアイドルユニットを? 面白い。だが、この世界はそんなに甘くない」
椿たちが知らないところで、キャラランドの挑戦は業界に波紋を広げていた。
そして、その夜。公式サイトのエントリーフォームに、最初の応募が届いた。
「おおっ! 応募者来ました!」
「本当に……!?」
椿と岡が画面を覗き込む。
『自分は歌もダンスも未経験ですが、只今、猛練習しています!歌で感動を与えるアイドルになりたいです! 』
その一文に、椿は微笑んだ。
「もちろん!挑戦する気持ちがあるなら、大歓迎です」
「椿社長!!これ翔太くんのエントリーシートです!!」
「ん!?」
こうして、キャラランドの新たな挑戦が、確かに動き始めた!?