ep.18 この中に未来のメンバーがいる!!
春の訪れを感じる穏やかな午後、
キャラランドのオフィスではスタッフたちが慌ただしく動いていた。
「ついに締切ですね……」
マネージャーの岡がディスプレイに映ったエントリーシートリストを見つめながら呟いた。
567名。
これほど多くの応募があったことに、社内でも驚きの声が上がっている。
「まさかこんなに……!」
佐藤翔太も、緊張した面持ちでモニターを覗き込んでいた。
彼はキャラランド所属の練習生であり、LoHi参戦のアイドルユニットメンバーの1人でもある。
応募者のプロフィールを眺めながら、思わず拳を握る。
「この中に、新しいユニットのメンバーになる子がいるんですよね……」
そう呟くと、背後から落ち着いた声が響いた。
「その可能性は高いわよ」
振り返ると、そこにはキャラランドの社長・稗田椿が腕を組んで立っていた。
彼女の目は、静かにしかし確かに未来を見据えている。
「夢に向かって挑戦する人たちがいます!彼らの中から、スターが生まれるかもしれない・・・私、とてもワクワクします!!」
翔太は、少し緊張しながらも頷いた。
自分もまた、夢を追いかけていた一人だったことを思い出す。
だからこそ、応募者たちの気持ちが痛いほど分かる。
「それにしても、今回は本当にレベルが高いですね」
岡が画面をスクロールしながら言う。
どの応募者も、個性が際立ち、それぞれの魅力が光っていた。
「だからこそ、選考がとっても重要よ!」
社長の言葉に続き、ひときわ明るい声が響く。
「はい! ここで改めて審査方法をおさらいしましょう!」
キャラランドのプロデューサー・猫太Pが、ホワイトボードを指さしながら説明を始めた。
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1次選考(20名のうち17名)
①オーディション会場での「いいね」数
②X ハッシュタグ「#キャラランドGENSEKIオーディション」のいいね数
③ 審査員会による評価
・ 特別推薦枠(3名)
最終オーディション参加者20名決定!
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「皆さん、4月15日までが1次選考の審査、つまりオーディエンスの投票期間です!
オーディション会場、そしてXで『いいね』を押して、推しのキャラを応援してください!」
猫太Pが熱く呼びかけると、翔太も力強く頷いた。
「みんなの1票が、応募者の未来を変えるんですね……!」
岡も椿社長も、その言葉に静かに同意する。
「そう。だからこそ、慎重に審査を進めていきましょう」
椿社長の言葉には、強い信念が込められていた。
ここから、未来のスターが生まれる――
この中に未来のスターになるかもしれないユニットメンバーがいる!
そして、その一歩を決めるのは、今この瞬間に投票をするオーディエンスたちなのだ。




