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ep.10 アイドルリーグ「LoHi」

——烏森 雅 × ライター(岡蘭奈氏)インタビュー

________________________________________

1. インタビューの始まり


 東京・新橋にある烏森芸能本社ビルの応接室。

 一人のライター岡蘭奈が、緊張した面持ちで座っていた。

 目の前にいるのは、烏森芸能の代表・烏森 からすもりみやび

 芸能界の未来を変えるかもしれない新プロジェクト——LoHi(リーグ・オブ・ハイパーディメンショナル・アイドル)の発起人である。


「今日はお時間をいただきありがとうございます!」

 ライターの岡が頭を下げると、烏森社長は軽く微笑んだ。

「構わないですよ。LoHiがどのようなアイドルリーグなのか、しっかり伝えていただけると有難いです。」


「では、早速ですが……」

 岡はノートを開き、最初の質問を投げかけた。


「LoHiとは、具体的にどのようなリーグなのでしょうか?」


________________________________________

2. LoHiの基本ルール


「LoHiは、男性タレントユニットがエンターテイメントを競い合うリーグです」


 烏森社長はゆっくりと語り始めた。

「歌やダンスだけの競い合いではなりません。歌唱やダンスの他に演奏、ラップ、DJ、演技、お笑い——エンターテイメントであればジャンルは問いません。」


「つまり、単にアイドルユニットの歌や踊りだけのリーグではない?」


「その通りです」

 烏森社長は頷く。


「今の時代、いわゆる『アイドル』の概念は多様化しています。歌って踊ることに制限するのではなく、パフォーマンスの形は自由であるべきです。

このLoHiを『総合エンターテイメントの頂点』を決めるリーグにしたいと思っています。」


「……なるほど。それで、どのように勝敗が決まるのですか?」


「LoHi初年度は年間8節のリーグ戦を予定しています。」


「8節?」


「簡単に言えば、各ユニットが8回のパフォーマンスを行い、その成績で年間順位を決めます。」


「ほう……!」


「そして、順位を決める指標が『LoHiポイント』です。」


 岡がノートを走らせる音が響く。


「このLoHiポイントは、リーグ戦での『審査員およびオーディエンスの投票によるリーグポイント』と、『担当応援ポイント』を合わせたものになります。」


「担当応援ポイント……?」


「はい。

リーグ戦でのパフォーマンスによる獲得ポイントだけではなく、『箱推し』のユニットや『推し』メンバーのために推し活によって獲得する「担当応援ポイント」が順位に影響するという。“総合的なエンターテイメント力”が評価される仕組みです。」


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3. ホーム戦とMVP制度


「では、リーグ戦はどのように行われるのですか?」


「各節ごとに1ユニットが1回『ホーム戦』が設定されます。」


「ホーム戦?」


「そう。各ユニットがホーム戦での主催者としてテーマ・企画舞台演出を決められるステージを運営できます」


「それは斬新ですね……!」


「自分たちの持ち味を最大限に活かすもよし、あえて新たな挑戦をするもよし。どんなステージを作るかも戦略のうちというわけです。」


「なるほど。では、勝敗の判定は?」


「リーグ戦は、審査員+オーディエンス投票でポイントが決まる」


「審査員は、誰が務めるのですか?」


「LoHi側で派遣します。業界のプロフェッショナルが純粋なエンターテイメントの視点で評価します。」


「オーディエンス投票は?」


「パフォーマンスを観たオーディエンスが最も素晴らしいと思うパフォーマンスをしたユニットに投票ができます。」


「なるほど、視聴者の評価が直接影響するんですね!」


「その通りです。

さらに、MVP(Most Valuable Performer)の制度もある」


「MVP?」


「毎節、最も会場を沸かせた1人のパフォーマーがMVPに選ばれるんだ」


「個人の活躍も評価されるんですね!」


「そう。チーム戦でありながら、スター性を持つ個人を際立たせることも狙いの一つですこちらに加えて、自分の応援するユニット、個人のためにサポーターがポイント獲得して投票する担当応援ポイントが加点をされます。

『担当応援ポイント』については、改めて詳細を発表させてください。」


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4. LoHiの資金とスポンサー制度


「このLoHiですが、リーグの運営資金はどのようにまかなわれるのですか?」


「オフィシャルサポート企業の協賛金、各節の視聴料およびグッズ、担当応援ポイントの収益によって運営されます」


「なるほど……!」


「この協賛金は、リーグ全体の運営だけでなく、各事務所・各ユニットにも分配されます。ユニットの活動資金として活用できるわけです。」


「各ユニットも独自のスポンサーを募集できると聞きましたが?」


「その通り。ユニット単位のスポンサーシステムもある」


「具体的には?」


「ユニット冠サポーター、衣装サポーター、ホームステージサポーターなど、いくつかのサポート枠があります。」


「たとえば、ある企業がユニット名に冠スポンサーとして名を入れることも?」


「そういうことですね。『○○ sponsored by △△』みたいな形でね」


「エンタメだけでなく、ビジネスとしての側面も考えられているのですね……!」


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5. LoHiの未来


「最後に……LoHiの今後の展望を教えてください!」

岡の目が輝く。


「LoHiは、単なるアイドルリーグ戦ではありません。


 烏森社長は静かに言った。

「これは、新しい時代のスターを生み出すためのプラットフォームです。今後は、ユニット数の増加、ジュニアリーグ、女性リーグの設立も視野に入れています。」


「つまり、今後さらに拡大していくと?」


「そう考えています。」

 烏森社長は微笑む。

「このLoHiが、新たなエンターテイメントのスタンダードになる。そのために私たちは、このリーグを設立したのです。」


岡は大きく息を吸い込み、頷いた。

「……今日は貴重なお話、ありがとうございました!

ぜひ、またお話を聞かせてください。」



 烏森社長は軽く笑いながら、応接室の窓から東京の街を見下ろした。

「ここから、新たな伝説が始まる。」


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