『播磨守経平、任国下向に反閉、逆鞍しけるを速記にて記すこと』速記談2047
播磨守藤原経平が、任国に下校するとき、密かに反閉の儀式を行い、馬に逆鞍を置いた。厩司馬允憲行は、このことを誰にも秘密にするため、関係した馬舎人をすぐに隠岐国に派遣してしまった。したがって、このことを知る者は、都に誰もいなくなった。このため、経平が播磨国にいる間、このことはうわさになることもなかった。経平が太宰大弐に任じられたとき、憲行の兄が、憲行の速記録を読んで、このことを初めて知ったという。
教訓:反閉も逆鞍も、元に戻すという意味で、単純に無事に帰るという意味にもとれるが、神仏の力を借りて、強引に状況を元に戻すという儀式である可能性もある。速記の朗読が終わった際、朗読開始前に戻ってほしいと願うようなことかもしれない。