魔法の夢
……たまに、魔法の夢を見ることがある。
ごく普通の日常なのに、魔法を使っている夢だ。
魔法を身近なものとして使う、なんてことのない夢だ。
使った事もないくせに、やけにリアルなのが…面白い。
魔力が煮詰まって、硬い火しか出せないとか。
集中力が足りなくて、汚い水しか出ないとか。
気が散って、光が花火のように爆ぜてしまったりとか。
イラっとした瞬間、舌打ちする感じ。
何やってんだろうという自己嫌悪に、めんどくさいなあという感想。
私…魔法使ったこと、あるのかな?
どう考えても、魔法を知っているからこそ見る夢だと思うのだけど。
私…魔法使えたり、するのかな?
どう考えても、魔法なんて使えないとは思うのだけど。
魔法…使ってみようかな。
『※#☆●=△…じょかしおえっ!!』
夢の中で使っていた、呪文を唱えてみる。
唱えて、みたら。
となえて、みた、ら。
………となえた、せい、で。