表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

生きていれば

作者: 仙台の民

「なんで死んじゃったのよーーーー!」

  葬式の会場で女は泣き叫ぶ


  どうやら死んだのは女の夫のようだ


「かわいそうにねー」

「おしどり夫婦だったらしいよ」

「まさか通り魔に会っちゃうなんて」

「生きててくれたらねー」


  会場内の親族、死んだ夫の同僚が

  口々に噂をしている


「もう元気だして、すぐに警察が犯人を

 見つけ出してくれるよ。大丈夫」


  みんなが慰める


「ありがとう。ちょっと、一人にしてく

 くれる?」

  あ、うん。と女を見送る



  会場を出て、空いている部屋に入り

  女は「はぁー」と軽くため息を吐く

  不意に夫との思い出が脳を駆け巡る

  出会い・恋し・愛し合い・結婚した



  新婚旅行はグアムに行った

  金が貯まったら、また行こうと約束

  した

  金はなかった

  愛はあった

  生きていればまた行けたのに




  生きていれば

  いきていれば

  イキテイレバ




  やっと女は泣き止み天井を見上げて

  いた


「ほんとに、死んじゃったんだね。また

 グアム行きたかったのにね」



  いる筈のない夫に向かいそう言った







「でも殺す気でやったんだからしょうが

 ないよね。

 あーあ、生きていればなー証拠隠滅で

 きるのにね」



  いる筈のない夫に向かいそう言った




「でも頑張ってみるよ。やれる限りにね

 生きていれば君は手伝ってくれるのか

 なぁ」




  生きていれば





  

                end





初投稿です


短いのでサラッと読んでいただければ光栄です

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ