第1話「野郎ども!DROPOUTって逃げてんじゃねぇ!胸はってドンパチやるぞ!コラァ!」
愛媛県鬼北町の一角。「風太のラーメン屋」こと風太のラーメン屋。
林風太は萌香の父だが1年半前に萌香を家出で出してしまった。
妻である芳香は萌香が幼い時に失ってしまうし……
今は独りで寂しくラーメン屋をやっているばかりだ。
「いらっしゃい」
そこへ一人の来客が来た。まだ店を開けて間もない。今日は幸先いいのか?
「よう」
「幕田」
いつも客が来ない時間帯にやってきたのは同じ蛮狸で顔馴染みの幕田帳だ。
「わざわざ広島からきたのか。連絡をよこせよ」
「今はそんなことを気軽にできないだろうよ?」
「何しにきた?」
「何しにって? そりゃあお前のラーメンを食いにさ」
「それだけじゃないだろう?」
「何だ? ラーメンが大好きでケチをつけることがある俺にケチつけるのか?」
「注文は?」
「ラーメン。ネギ増し」
「あいよ」
彼が本題に入ったのは彼が美味しいラーメンを食い終わってからのこと。
「いやぁ~うまいなぁ。私も落ち着いたらラーメン屋をやってみようと思うものだが、お前の作るこの味は再現できないだろうなぁ」
「ふん。お世辞なんかいいやがってよ」
「ところで海斗君はどうなったのさ?」
「カイトクン?」
「あぁ、やはり」
「なんの話だ?」
「昨年の暮れに……いや、クリスマスイブに第二のラグナロクがあったのさ」
「何だと?」
「おそらくそこに気づいたのはごくわずかの者だけだ。蛮狸も魔女も……な」
「馬鹿言えよ。だったら今、俺達が目にしている現実は何だ? これが仮想空間とでも言うのか?」
「いいや。現実さ。第一のラグナロクは世界征服の為に仕向けられたものだったが、今回は違う。私たちが護っていたものが奪われた」
「護っていたもの……」
「今度、この愛媛にカジノ街ができるのだってなぁ。どうしてそんな変な話など進んでいるものなのか。お前だって話したくて仕方ないのだろう」
「別に。野郎のことなんて何も思っていない。どうでもいい話だ」
「本当か? 野茂の娘がこの町にやってきているってことになっても?」
「なん……だと!?」
その言葉に風太は動じずにいられない。
その夜。愛媛の今治にある飲み屋に見慣れない来客が。
「そんな物騒な物を腰につけて。誰だい?」
蛮狸組織「秋桜」の総長トンキチこと雷同十太郎。
「ここは蛮狸の店だろう? 同胞でぇ。未成年だから酒は飲めねぇけどなぁ。ま、適当にウーロン茶でもだしてくれやぁ」
まだ少女だと名乗るその少女は確かにあどけなさが残る雰囲気。
しかし、その身なりはかつての秋桜総長そのもの。
「まさかアンタ……」
トンキチは息を飲む。
「ウーロン茶。だせやぁ」
すぐさまトンキチは「すぐにお出ししろ!」と大声をだす。もしも……もしも想像したとおりなら命はないと覚悟したからだ。
少女はゴクゴクと飲み干す。
「おかわり!!」
そしてトンキチが空けた席にさらっと座る。
「オイラがここに来たからにはやることは1つでぇ。今の四国がどうなっているか話をして貰おうじゃねぇか」
差しだされたウーロン茶を飲む前に彼女はそう言う。
「オイラはてっぺんに座って満足しねぇよぉ。誰かが鉄砲玉やるってなら誰でもなく自分でやる。今はそういう総長じゃねぇのか? なぁ? おい?」
尖った視線をトンキチに向ける。
「あ、ああ……いや……お嬢ほどの御方が来られたら話は変わります」
急に弱弱しくなった彼を見てその場に居合わせた秋桜メンバーも悟った。
「塩塚萌々子。先々代野茂重道、先代雷同十太郎から総長となり宣言するでぇ!」
それは今の四国に対する革命の狼煙。
「秋桜再結成するぞぉ!! やろうどもぉ!!」
グビグビと2杯目のウーロン茶を飲み干す。
「おかわり!!!」
塩塚萌々子。野茂重道が京都でつくった愛人の娘。
その強さは蛮狸という蛮狸の誰しもが恐れるほどのもの――
四国四天王編はじまりました!塩塚萌々子!その強さをみせるのはこれから!
萌々子のイメージを言えば銀魂の椿平子ですけど全然違うか(笑)
楽しんで貰えれば幸いです!次号(*´ω`*)m9




