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DROP OUT~四国四天王決戦~  作者: いでっち51号
~C’MON BABY AMERICA~
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第17話「What is the death?」

挿絵(By みてみん)



「なんだい……あれ……」



 ふたたびシャンデリアのうえに乗った大地はそう言って唖然とする。



 そうなっているのは何も大地だけでない。



 戦闘を終えた全ての者が萌香の暴れまわるステージをただただ見るばかり。



 その暴れようは一方的な暴力に他ならなかった。



 まるでサンドバックのように2人の悪魔たちはボコボコに殴られ蹴られて血塗れの見世物となる。異様なのはそこへの介入が誰にもできそうにない雰囲気にある。




 他方、時間をかけて巨大な魔法陣をつくったカレンと杏奈。その魔法陣はセラだった魔獣を凄まじい引力で引き寄せて力を吸収し、彼女を人間へと還した。




 この戦闘の最中にステージ上でも動きが。



 あたりを照らす眩しい光が全てを「無」にしたのだ。



挿絵(By みてみん)



『むっ』



 意識を取り戻したバロウズは起き上がる。



 ここはカーネギーホールではない。



 かといってどこかの病院でもホテルでもない。



 激しい戦闘をしていた記憶があるが、ぼんやりとして思いだせない。



 ここは廃墟? ニューヨークにこんなスポットはない。



 彼はあたりをキョロキョロ見渡しながら、ゆっくりと立つ。



『お目覚めか? スティーブン・バロウズ市長?』

『お前は……』



 彼が振り向いた先に立っているのは禍々しい魔法陣を背後に浮かべている男。ブラッド・サンダーの元幹部にして独立した組織「野蒐家」のリーダーを担う。クリスチャン・ジョンソン。



挿絵(By みてみん)



『どうなるものかと思ったが、今回ばかりは神に見捨てられたな』

『馬鹿野郎。計画が失敗したなんてことはない。まだコンサートも始まってすらない』

『おいおい、まだ痴呆にゃ早いだろ? ジジィでもよぉ』

『その後ろのモノは何だ!? 私をどうするつもりだ!?』

『アンタほど異能の知に長けているのならば、ここが現実世界でないことぐらいわかる筈だぞ?』

『まさか……』

『アンタの計画は失敗した。魔人の消滅術を施した弾にぶち抜かれてなぁ』

『ふざけるな! お前に何が分かる!! 出来損ないの息子に躍らされて調子にのった腐れ外道が!!!』

『逆に聞いていいか?』

『何を!!!』

『何で俺がアンタを消す依頼に加担したと思う?』

『消す……私を……待て……おい! 何をするつもりだ! あれ? 力が……私の力、私の名前……ない……何もない……!?』

『アンタを殺すのに無駄玉使うくらいなら、もう一杯やってくるんだったぜ』



 禍々しい魔法陣はその粒子をクリスチャン持つ拳銃に注ぎだす。



『待ってくれ……頼む。何だってお前の望みは叶える! 叶えるよ!! 叶えてあげるから!!! やめてくれよぉ!!!』

『あばよ、地獄で会おうぜ』



 ドンッ!!!



『ウァアアアァァァアアァァアァッ!!!!!』



 放たれた光弾は全米の超能力者のカリスマだった男の心臓を突き抜けた。




 ()()()()()()()()()()()()



挿絵(By みてみん)



『あれ? 俺って誰だっけ?』



 一人の青年がバーで目を覚ます。



『おい、いつまでいる気だ? もう店は閉めるぞ?』

『ああ、悪い。でも何か記憶喪失になったみたいで』

『………………』

『アンタ、何か俺のことを知っているか?』

『何も知らない。この国でそんな事ばかりほざいていると不法移民の扱い受けるだけだぞ?』

『どうしよう……どうしたら……』

『雇ってやるよ。今晩は俺の住んでいるアパートの家を使わせてやる。その分の給料はナシな』

『すまん……俺は本当に……記憶が』



 魔人の紋章を消滅させることで魔人だった人間は人間に戻っても全ての記憶をなくす。こんなことにさせるぐらいならば、本体そのものの消滅をさせてあげたほうがいいに決まっている。



 アフタヌーンティーでかつての仲間を凡人に還したクリスチャンは人知れずに涙を零して好物のウィスキーを口にした。




 あの日、カーネギーホールで謎の災害があった事はそれからの世界でも人々の関心を誘ってゴシップとなる。大物歌手のセラ・ローレンは歌を歌う活動こそは継続するも、それまでの生い立ちやトッドとの愛し合いも記憶から失うことに。そう。失うものばかりの悲劇という悪夢でしかなかったのだ――




 エンジェルス・マンのカリスマと名高いトムソン・ワトソンはイーサンからの攻撃が致命傷となり、治療も間に合わなかったことで逝ってしまった。



 パチン!



 棺に入ったトムの頬を萌香は叩いて睨んだ。



『モエカ!? 何をする!?』

「うるさい!! 娘のソラたんはコイツのせいでロクな生き方ができなかったの!! それでも、それでも……私は……」



 彼女の赤く光り出した瞳から涙が溢れるように零れだす。そして……



「会わせてやりたかったの……」



 杏奈も共に彼女と泣いて寄り添う。



 その葬儀はトムの遺志どおり決して華々しいものではなかった。




 だが、彼の望むソラが弔いに来ることもなかった。




 この悪夢の終着は悲劇なのかそれとも――




はい。今回のはメチャメチャ重たい話でした(-_-;)


でも、こういう物語だと受けとめて欲しく思いますm(-_-;)m


まだこの章の物語は続きます。明日そして明後日とね。お付き合いを。次号。

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