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DROP OUT~C'MON BABY AMERICA~  作者: いでっち51号
~林萌香の生きる道~
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第7話「欲望渦巻く町、地下攻防戦」

「そうです。『科捜研のおばちゃん』はアプリで予約録画しました」

「そうか。それは何より。いや、どうでもいいよ。そんなことなんて。それより五味たちを狙うのは時期尚早だって?」



 場所は横川からだいぶ離れた町、東区牛田にある花屋で山崎生吹は神泉組が局長の千速香澄と会っていた。



「はい。今ここで下手に手を打てば彼らの組織と私達が“戦争”をする事になる。彼らの実態が分かるまでは調査を続けるべきです。そして鷹山は失脚すべきです」

「優ちゃんへの恨み節凄いな……いまのところ、一般人には手をだしてはないと聞く。そうならない為に優ちゃんは早々に手を打ちたかったのだろうけど」

「局長、彼女はただ能力を使った喧嘩がしたいだけです。幼稚なアラフォーです。あんな女のことはもう見限って、私を伴侶に選んでくれませんか?」

「ん~色々誤解をしている気がするけど?」

「いずれにしても五味秀一に関しては分からない事だらけです。確実なデータを元に明確な戦略を立ててからじゃないと、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

「ご忠告どうも。魔女機構の他組織も彼らを睨んではいるよ。今限りなく彼らに近づけるのは優ちゃんとイブちゃん。だから綿密な作戦をたてるならたてるで、2人とも仲良くするのよ?」

「無理です。吐き気がしそうです」

「ははは……こりゃ厳しいな……ちょっとウチのお勧めの花でもみていく?」




 その頃ドロップアウトで海斗が家出をした妹を探しに四国から広島に来たという事。そしてたまたま入った横川の喫茶店でヤクザの男に拳銃をつきつけられ、店から逃げだしたという事。様々な事情を彼が話した。



「ふうん。ドラマみたいな話ね。でも、気になる点がいくつか。まずここで働く事になった彼女が何で職場にペットを持ち込むの? それからこんな殺風景って感じで何の魅力もない外装の店に何で貴方は入ろうと思った?」



 腕を組みながら鷹山優は根掘り葉掘り尋ねる。



「彼女はいつも狸のモエエがいないと正気でいられないのです。ちょっと変テコだけど、四国にいた時からそうで。あ! モエエが外へ逃げだしから、もしかして追いかけたのかも?」

「まぁ……それなら整合性はとれるか……にしても突飛な話だけどね」

「僕がこの近辺をまわっているのはこの写真をみせて探しまわったところ、この近辺で彼女を見かけたって声が多かったからです。SNSでも1件そんなリプライがありました」

「君、リサーチ力が凄いね。私達に相談しなくても妹さんを見つけられるかもよ?」

「それで何も困らないなら、通報なんかしませんよ?」

「そりゃあそうだ。まぁ~まずは彼女がどこにいるのかを調べなきゃならないね。ここで働いているっていう事はどこかに住んでいるっていう事でもあるのじゃあなくて?」

「そうか、そうですね。でも、この店員さんは起きそうにないし」

「黒人のお姉さんがいたって言ったわね?」

「はい。萌香が店をでて、すぐに萌香を追いかけてゆきました」

「まぁ~この金髪の感じなら目立ちそうなものだけど。黒人女性となるともっと目立つだろうし……」



 そこにソラが帰ってきた。



「噂をすれば何とやら。おかえりなさい」

「警察!? 貴方、本当に呼んだの!?」

「探している妹がヤクザに脅されていたのです。当然でしょうが」

「このコの妹さんについてもだけど、この店について。あとこの店に通っているとみられる暴力団のような男たちについてもお聞かせ願えるかしら?」

「……………………」



 ソラは静かにカウンターの席に座る。



 それまで立っていた海斗も合わせるようにしてカウンター席に座った。



「あの常連さんについては最近通われるようになった常連さんです。それ以上の事は何も分かりません。ただウチのナポリタンとオムライスをとても気に入っているようで」

「妹は? 萌香はどうなの?」



 海斗は割って入るようにキツい視線をソラへ向ける。



「彼女は……最近入店したコです。さっきまでいた常連さんをみて笑っちゃったものだから、常連さんが怒って拳銃を取りだしてしまって。珍しい光景だなって思ってスマホで撮影しちゃって……その……ごめんなさい……!」



 ソラは深々と頭を下げる。鷹山は溜息をついて、そんな彼女を眺めた。



「彼女が今どこに住んでいるのか分かるものはある?」

「え?」

「だから彼女が今どこに住んでいるのか分かるものはあるって聞いているの!」

「いや、各種書類は今日の閉店後に書いて貰おうと思って……」

「杜撰な店だな。僕が何も言わなくたって萌香の方から願い下げるに違いない」

「まぁ~あなたたちの個人的なトラブルはおいといて、林萌香さんの捜索を急ぎましょうか。この写真の特徴をみるに情報はスグ集まりそうだわ」



 鷹山はそう言って席を立つ。そして自身の連絡先を海斗に教えて店を出た。



 五味秀一に関する情報は得られそうにない。



 彼女はトボトボと歩きながら駐屯所へ向かった。



「フッフッフ……妙な警察官が俺たちをつけているなぁ」

「おそらく魔女機構の者でござる。拙者にも情報がある」

「フッフッフ……俺はあそこのナポリタンが好きだったが」

「拙者もあそこのオムライス以上に美味いオムライスと出会った事はない。また隠れ家としてもうまく機能していたものだ。しかし魔女に目をつけられたのならば、ここは退くのが賢明だぞ? 五味殿?」

「フッフッフ……派手にやろうたってお前は反対するのだろう? いいさ。まぁまだ俺達が暴れるには早い。()()()()()がまだ見つかってないからな」

「思ったより冷静だな?」

「フッフッフ……俺達もまだ此処に来て浅い。しばらくはここを堪能しようぜ?」



 監視されていたのは優もまた然りだった――


∀・)読了ありがとうございました♪♪♪


∀・)各組織のひととなりが何となく分かったかなぁと。まぁ五味たちは謎ですが(笑)


∀・)また次号ご期待ください☆☆☆彡

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― 新着の感想 ―
[一言] いますよね、傍に居るだけで吐き気がする同僚。(笑) 涼しい顔をしてテメェの不始末の尻拭いを押し付けて来る奴。 許されるものなら、一度本気で首を絞めてやりたい。 海斗くん、影薄いっすよ。(他…
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