第5話「This man」
無限に広がる東京の街。そのどこかの地下。
『むっ!? ぐっ!?』
リチャードはパンツ一丁の姿で縛られて拘束されていた。
口はガムテープのようなもので塞がれている。
『おはよう。目が覚めたか。不細工なオッサン』
リチャードを見下ろす山崎がそう言うと彼の口を塞ぐモノがパッととれた。
『何の真似だ!? 私は弁護士だぞ!? お前ら、こんなことをしてタダで済むと思うなよ!!!』
「ん~杏奈さ、コイツのこの顏ってどこかで見覚えない?」
「えっ? 私は外国人さんとご縁があったことなんてないですが? アンバーでジョージア様とおとなしく過ごしておりますゆえ」
「ほら、たくさんの人の夢のなかで出てきたっていうアレ」
「あぁ~」
This man。
世界中の人間が夢のなかで彼をみたとされる。
いわば都市伝説で語られるソレだ。
萌香たちはおにぎりを頬張りながら、そんな話題でワイワイしだす。
日本語をよく分かってない彼はそうだと知ることもない。
『アンタたちは一体何者だ!? 私に何をしようとしている!?』
英語が通じるだろう山崎へリチャードは必死に叫び続ける。
『落ち着いて話をしよう。ここでアナタが何をされていたのかを誰に話したって誰も信じることなんてない。魔女が現実にいたなんて誰が信じる?』
『なにっ!?』
『だからさぁ』
対する山崎は椅子に座りながらも顎に手を当てて冷たい目を彼に向けたまま。
『アナタを通じてアメリカに渡った2人の男がこんな目に遭ったの。この写真をみて何も知りませんが通じると思っているの?』
山崎は大地と賢三郎が拘束されている写真のコピーをリチャードの目のまえへ投げた。大声で喚き続ける彼はまさに氷づくようにその声を止めた。
『本当のことを話しなさい。英語が喋れないこの2人は私よりも強い。それから私がこれぐらいで済ましていることも、これぐらいで済まなくなる』
『………………』
『何も話してくれないか。オーケー。じゃあここで私や彼女たちと会ったことは忘れて貰うよう眠って貰うよ?』
山崎がふたたび黒いステッキをどこからともなく取りだす。
『待て! 分かった! 話す! 私たちはお前たちの敵じゃない! メアリー・ダーマーを本国へ連れだすようボスに頼まれただけだ!』
『メアリー?』
『私にアンタを襲う力はない……この拘束を解いてくれないか……交渉はそれから落ちついてしたい』
『わかった。解いた途端に私たちを襲ってきたのならば、それ相応の報いを受けて貰うけどイイ?』
『私は嘘偽りなく弁護士だ。アンタたちのような怪物とも渡り合ってきたな。この変な縄を解け』
拘束を解かれた彼は山崎の投げ渡した水をグビグビと飲み干す。
彼が話すことはとても複雑怪奇な話であった――
ごめんなさい(^o^;)今週アメリカへ出発することになりませんでした(^o^;)
来週ですね!ですが楽しみに!




