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DROP OUT~C'MON BABY AMERICA~  作者: いでっち51号
~C’MON BABY AMERICA~
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第2話「Sora,awakeining from DROP OUT」


  銀山ソラが生まれたのはアメリカのニューヨーク。治安が悪いクイーンド街。両親はどちらも黒人らしいが、ソラが物心つく頃には彼女の近くにいなかった。母側の祖母に引き取られて育つ。彼女が超能力に目覚めたのはまさにその頃から。はじめはスプーンを曲げたり、物を浮かせたりして楽しんでいるばかりだった。



 ある日、その彼女の家に強盗が入る。有り金を全部よこせと叔母の知り合いがギャング仲間を引き連れて強襲してきたのだ。激しい口論の末に叔母は射殺され、ソラもその後を追う筈だった――



 しかし、気がつけばギャングは皆、血塗れになっていた。その状況から犯人はソラに他ならなかったが、物的証拠は何もない。



 肝心のソラも「何も覚えてない」と話すばかり。



 ただ警察に捕まりって1週間、アメリカに拠点を置く超能力者機構が黙ってはいなかった。ソラの保護を名乗りでたのである。もっとも、その親族を装ってだ。新しい居住区はニューヨークからだいぶ離れた州になる予定だった。その移動のなかで違う組織がソラを奪いにやってきたのだ。



 ソラはそこから強力な超能力を扱う組織の争奪戦の獲物となった。彼女はその1年でアメリカからカナダ、カナダから日本と3か国を渡りゆくことになったという。彼女がまだ6歳の時の話だ。カナダの組織から日本のCEAに身が渡った際はカナダの組織にCEAのスパイがいた。日本に到着して間もなく彼女は埼玉にある総本部から神奈川にカモフラージュの黒人夫婦の娘として生きてゆく事に。



 その時に授かった名前が「銀山ソラ」であった。



 神奈川で過ごすといっても転々としていた。ソラを狙う組織は世界中にあり、いつ強奪されても可笑しくなかったからだ。しかし歳を増すごとに彼女は意思を持つようになった。組織の拘束が煩わしく感じるようになったのだ。彼女が意を決し家出をしたのは18歳の時の事。



 その時にはもうCEAの一員としてエージェントの入隊が決まっていた。家出する一年前から五十嵐拳志朗が指揮するシア0の研究生として任務補佐をやっていたとすらしている。



 しかしそんなソラの思いをCEAが汲んでくれる筈もなかった。新拠点を転々とするたびに五十嵐をはじめとするシア0メンバーが彼女の目の前に現れるのだ。ときに仲良くしていた親友を拉致されて脅迫を受けることもあった。拉致された友はソラと縁を切り、身を護る選択をした。



 それでも自由に生きることを選びたい彼女はこの広島にやってきた。それから何となしに立ち寄ったのがこのドロップアウトという喫茶店だ。その時に彼女はとってもお腹が空いていた。



 だされたランチを頬張るように食べる。



 彼女はその美味しさからなのか、それともその寂しさからなのか、溢れる涙を流す。



「どうしたっていうんだよい?」

「美味しくって……ごめんなさい……」

「お代はイイよい。何があったかも聞かねぇ」



 大地は彼女が泣き止むのをじっと待っていた。勘定なんてしなくてもいいっていうのに。ただこの言葉を掛けるために。



「明日からここで働くかい?」



 そしてドロップアウトの一員となった――




「はっ!」



 ソラは机に顔を伏せて寝ていた。杏奈に揺さぶられて目を覚ました。



「ソラさん、店がしまって1時間は経ちましたよ」

「ここで寝てしまったのね」

「あの……しばらく店を休まれてはどうでしょう」

「杏奈までそんなことを言うのね」

「私もときどきジョージア様の元に帰らないといきません」

「そんなことを言われたって知らねぇよ」

「萌香さんが例の弁護士さんに会いに東京へ行くと言われても」

「えぇ!?」



 まだ少し残っていた眠気もすっかりとれた。



ご一読ありがとうございます♪♪♪


ちょっと悩んだのですが、ソラの過去回想を改めて載せました。


背景的にここは押さえて欲しいなっていうのがありましたので。


おはなしはドンドン進んでゆきます。次号(・∀・)m9ドン!!!

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― 新着の感想 ―
 ソラの過去が明らかになりましたね。淡々と重い過去が語られました。  寝ている間に萌香が先走りどうなることやら。ではまた。
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