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DROP OUT~C'MON BABY AMERICA~  作者: いでっち51号
~星の王子様~
51/72

第16話「チーム:ジャンヌダルクの結成!!!!」




 真っ暗などこかの地下室。



「んっ…………」



 倉木理亜奈は目を覚ます。



 彼女は青く光る謎の物体から成る縄に縛られていた。



「なっ!? 何よ!? これは!!!」



 ちょっと離れたところで談笑する女子2人と1匹。



「アンタたちがしたの?」

「ああ、お目覚めですか」

「でも何も憶えてないよね?」

「何から話したらいいのよ?」



 大女優の蒼月しずくに狸タレントのモエエ。それから何ともダサい感じの眼鏡をかけている女は蒼月のマネージャーか?



「目的は何? 教えなさい」

「ソラたんにソラたんであることを思い出して欲しいって狙いだよ」

「駄目でしょ。そんなことを言ったって余計に混乱するだけでしょ」

「じゃあ何て言えばいいのよ?」



 この女と狸は何を話しているのだろうか?



 そう思った矢先に変な眼鏡の女が倉木の顔にスマホを近づけてきた。



 画面に映るのはまともな眼鏡をかけた壮年の男。



『やぁ。銀山ソラ君。ウチの萌香がお世話になっているね。今から私が話す事はにわかに信じがたいものだが聞いてくれ。まず銀山ソラという存在をみて欲しい』



 壁にもたれかかって寝る倉木が映される。



「これは私?」



 思わず思ったことをそのまま口にする。



『ああ。そうだ。そっちの次元じゃない君だ。こっちの次元である君は超能力者なる存在で生き抜いている』

「何よ? これってどういうドッキリよ?」

『ふむ。これだけじゃあ何も思いだせないか。じゃあ……この名前でなにか思いだすことはないかね? メアリー・ダーマー』



 その名を耳にして酷い頭痛が走る。



「つっ!?」



 幕田は目を閉じて続ける。本来の記憶を取り戻すのは辛い痛みを伴うと解っているゆえに。



『CEA0。ドロップアウト。そこに住み込みで働く女』

「何よ!! アンタに何がわかるっていうのよ!!」

『思いだせ。銀山ソラ。今目の前にいる狸は銀山ソラという自分にとってどんな存在だったかを』

「萌香…………」



 倉木は自分をじっと見つめる狸を見つめ返す。



 そして思いだす。



 そう。倉木理亜奈としての自分じゃない。銀山ソラとしての自分を。



「ふふふ、何よ? これは? 私が超能力を発動して萌香とアンタたちを襲うとでも?」



 ソラは微笑んで山崎と鷹山のほうを向く。



「ふぅ。じゃあ解除して貰えますか? 副長?」

「そうね。さっきのは何をみせたの?」

「ああ、コレです」



 それは広島の横川にある喫茶店の写真。



 この世界にはドロップアウトがないから違う店だ。



 ただ何となくその面影を感じさせてくれる店。



 その店名は「じゃんぬだるく」だった――



「こんなので? 思いだせるというの?」

「まぁ。そこに多少の細工はしましたよ」

「何だかオッサンの声が聴こえたけど?」

「これ以上は機密事項です」

「どういうことよ?」

「全てが終わって話します」



 幕田との連携を隠しつつ事を進めるのは難儀だと感じた。



 溜息をついてソラのほうを向くと大泣きして彼女に縋る萌香。



「ウワアアアアアアアアアン!!! 良かった!!! ソラたん!!!」

「……………………」



 よく見ると、ソラはこっちのほうを睨んでいた。



「あのさ、これをいい加減に解いて欲しいのだけど?」

「鷹山、解いてやれよ」

「言い方。気をつけろ」



 かくしてこの異常空間に抵抗する勢力を以て世界を取り戻そうと萌香ら一行は励むことに。しかしソラからはそれが決して安易でないことを告げられた。



「クリスタル・エデンの五十嵐拳志郎は都市伝説で超能力が使えるっていう設定になっているけど、ガチであっちの世界同様に超能力が使える設定になっているからね。だから小泉や牧野も使える設定よ。おそらく私を取り返しにやってくると思う。貴女たち、神泉組がどれだけ強いのかしらないけどね」



 思わず溜息もでる。彼女は彼女個人にいくら才能があっても、CEA総員でかかって来られたら敵う訳ないことを知っていた。



 それでも笑って返すのが神泉組の両翼だ。



「神泉組にいるのは変なだけ変に強い奴らよ」

「私、失敗しないので」



 さらに未だモエエのままの萌香が言葉を重ねる。



「じゃあ! チーム結成といきますか! チーム名はどうする?」



 ソラと神泉組2人の3人は顔を合わせて苦笑いを交わし合う。



「アナタが決めたらどう?」



 鷹山が萌香に振った。でも、それは満場一致と言っていいものだった。



「じゃあ! チーム:ジャンヌダルクで!!」

「うん。悪くないね」

「えっ、メチャ好き」

「運命を感じるなぁ」



 チーム:ジャンヌダルクは円陣を組み、手と手を重ねて掛け声を合わせた。



「「「「おー!!!!」」」」



 蛮狸と魔女と超能力者。



 人類を救う為に交わらないであろう三者が交わって決意を吠えた――




∀・)勿論チーム:ジャンヌダルクのなかには幕田帳さんも入っております(笑)


∀・)今回の話を書きながら「バブルカム・クライシス」を何故か思いだしました。


∀・)アレ、すごい名作アニメですよね。次号☆☆☆彡

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― 新着の感想 ―
相変わらず読めない展開が続く。 しかしハチャメチャの中に時折、真面目な話が 交わって、良い塩梅になってますな。
ソラはなんとか思い出せたようですが、まだまだ前途多難ですね。  ではまた。
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