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DROP OUT~C'MON BABY AMERICA~  作者: いでっち51号
~星の王子様~
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第11話「暴かれる夢の世界と人間の欲望」



 都内の大手テレビ局・フジサンテレビ内のスタジオに鷹山と萌香はいた。



 大女優の蒼月しずくと狸タレントのモエエという事で。



 彼女達は撮影を終えて鷹山の家、いや、蒼月しずくの家へと向かった。撮影の終了後にモエエは彼女の面倒をみているというスタッフが連れて行こうとしたが、蒼月のマネージャーとなっている女が「今晩は一緒にいたいと蒼月さんとモエエさんが望まれているので」と遮った。モエエが「いたい! この変なおばちゃんといたい!」と大声で喚くので、その流れはできた。



 タワーマンションの高層階二十二階。四LDKの部屋。この部屋の家主は一人暮しだ。部屋は、きっぱりと余っている。



「そういう語りだしでやばい深夜ドラマがはじまったそうで」



 マネージャーの女が眼鏡を外す。



「イブチョ!!!」

「ずいぶん可愛くなったね。モエカッチョ」



 グルグル眼鏡を外したその顔は目の下の隈が目立つ山崎生吹だ。



「どういうこと? 私が大女優になって山崎がそのマネージャーって」

「テレビでもつけましょうか?」

「おい! 人の質問に答えろ!」



 テレビをつけるとソファーでいちゃつく蒼月しずくと海斗の濃厚なラブシーンが流れる。



「なっ!? 何よ!? これ!?」



 思わず鷹山は頬を赤らめて怒ってみせた。



「モエカッチョのお兄ちゃんは如月湊という男性アイドルになっているようです。今、テレビに映っているのは深夜ドラマの『みんな何かを演じている』ですね。大女優の蒼月しずくと人気アイドルの如月湊で激しい濡れ場をだすことで話題を掻っ攫おうっていうコンセプト。コレね、役者がリアルな役者の存在のまま演じていて凄くセンセーショナルで。今の時代に放送するにしては刺激的な一品ですなぁ」



 山崎は目を閉じて腕を組み「ウンウン」と自分のレビューに頷く。



「いや、お兄ちゃんが何でそんな存在に!?」

「だから、そういうことを聞いてないの。今、私たちがどうしてこんなところにいるのか? どうしてこういう変な役をするハメになっているのか? 私たちに分かり易く簡潔に話しなさい」

「こういう上司がいたら凄く嫌だよね。大串さんがこんな奴じゃなくて良かった」

「さすがモエカッチョ。同志は心が通じる」

「あのな! どうでもいいから!! この悪趣味な失楽園を消せ!!!」

「あいよ」

「チャンネルを変えただけじゃない!!!」

「えっ!? でも、これは!?」



 テレビに映るのはドロップアウトの銀山ソラまた萌香の愛するお笑いコンビ・もふもふ王国の2人による旅バラエティー番組だ。



「ソラたん!? 私の推しを奪った!?」

「彼女もテレビタレントになっているの」

「そうですね。すっかりこの世界に飲みこまれているようで」

「私は許さない! 今すぐソラたんに会わせて! 神埼ちゃんを私に返して!」

「こういうウッサイ狸もいるから、テレビを消してくれないかな?」

「ん~これらを観てくれないと説明ができないのですよ。鷹山のバカタレ」

「テメェは一言多いんだよ!!!」



 溜息交じりに山崎はテレビに触れる。そして一瞬にして凍りつかした。



「何をやっているの!?」

「この氷を優しく溶かして貰っていいですか? 副長」

「え? ああ、うん、どれ……」



 鷹山の熱気をこめた手で凍ったテレビを溶かす。すると一瞬ノイズ音がして、砂嵐の画面が映ったのちに一人の男が画面に映る。



「幕田先生!?」



 その画面に映るのは蛮狸の幕田帳。



 彼は周囲を気にしながら外にでていた。



「萌香か。それから魔女の山崎さんに誰だ?」

「蒼月しずくです」

「嘘つけ! 全然違うだろうが!! 蒼月さんはもっと色っぽいぞ!!!」

「ちゃんと答えろ。鷹山うんこ」

「ご、ごめん。なんかそう答えたくなって……」

「大串さんにソックリな魔女のおばさん。とりあえず、そういうことにして。でも、先生は今どこから話しているの?」

「ああ、それが」



 幕田はスマホ越しに中継を結んでいるようだ。



 そして彼は次の瞬間に「衝撃の世界」を萌香たちに見せる――



∀・)なんかこのサブタイって「中居・フジテレビ問題」を揶揄しているようだな(笑)



∀・)読了ありがとうございます♪♪♪夢幻世界流浪編もここで終了というワケですが。しかしまだ特殊な空間に萌香たちはいるワケです。ここで抑えておきたいのが「蛮狸」それからこの章でチラッと登場した「春醒」というワード。そこを抑えていると飲みこめると思います。



一布様

『みんな何かを演じてる』

https://ncode.syosetu.com/n6080it/



∀・)こちらの作品に登場して貰いました(笑)僕はこの作品にリスペクトを持っていますからね(笑)



∀・)この話から「劇団になろうフェス」との絡みがでてくるのですが、同フェスが開催中の時にこの話を書いていくのは混乱を招くと思ったのですね。そういう豆知識も持っているとより分かり易く違和感なく読んでいけると思います。そもそも同フェスをあまりよく分からない人はそれこそ全然大丈夫だと思いますが。まぁまた次号☆☆☆彡

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― 新着の感想 ―
色んな作家さんの作品が絡んでますね。 こういうスターシステムも良いですな。 しかし良い意味でローファン街道突き進んでますね。 やりたいことをとことんやってる感じ。
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