第5話「名作『カウの島』を読んだら『胸、張り裂ける想い』に至る」
萌香はまたどこかで目を覚ます。
見覚えのない部屋。すぐに部屋からでようとドアを開けようとするが開かない。
仕方なく窓から外を眺めると懐かしい景色が蘇るようだ。
まわりは田んぼだらけ。その先には大きな山が広がるところ。
いわゆる田舎の片隅だ。
このアパートは3階建てでその3階の角部屋に萌香はいる。
そこからは児童公園がよく見えた。
2~3分ごとにその公園にあるトイレへ子供や年寄りが入ってゆく。
しかし、不思議なことにそこから誰もでてこない。
決して大きなトイレではない。それでも次から次へと人が入ってゆく。
このタイミングで萌香はトイレに行きたくなった。
カチッ。
部屋のドアから音がする。
これはあのトイレにいけという事だろうか?
妙な不安が生じて彼女は立ち止まる。そこで彼女は口を開いた。
「あのさ、誰が何を思ってこんな事を考えているのかしらないけども、この設定ってありえなくない?」
それはもうドアに向かって語りかけるように。
「このアパートに私が住んでいる設定なら、トイレのない物件なんてあるかぁ!!!」
大声で怒鳴りつける。
すると家のなかにスッとドアが出現した。
何の迷いもなく彼女はドアを開けて用を済ませる。
『想像以上だ。何をやってもコイツには通用しないぞ?』
『まだゲームは始まったばかり。楽しみましょう?』
『ルー。お前はこの計画がなんだと思っているのだ?』
『そんな難しく考えないの。今この世界は私達の手中にある。簡単に墜とせるような獲物に私は興味を抱かない。どうすればこのコの魂を奪えるのか? いくらでもこの遊びはまだまだ楽しめるのだろう? ダイダラさん?』
別の空間に海斗はいた。彼は無人島のなかで彷徨う。
島内でワケもなく集められて過ごしている面々が次々と叫び声をあげて消えてゆく。
「まるでツヨシの『カウの島』だな。チョット内容は違うように思えるけど」
確信を持って呟く。
「ポ〇チってコードネームだものな。ふざけているよ。いくら美味しい食べものやふかふかの寝床に満たされていたとしても、僕の眼は欺けない」
彼は巨大な扉の前に立った。そして目を蒼く光らせる。
そしていかにも頑丈な鋼鉄の壁を凄まじい速さの掌底で突き破る。
そこに広がっているのは砂浜だ。そして黒服の男が2人。
「フッフッフ、久しぶりだなぁ。坊主」
「どこかで出会ったヤクザだな。2人とも、僕好みじゃない」
「林海斗。やはり出来損ないのヨシカの息子ではなかったでござる」
「お前たちがこのふざけた世界に連れて来たのか?」
「フッフッフ、そうとも言う」
海斗は再び眼を蒼く光らせる。
眼前に立つ五味は拳銃を取り出す。そして怪鳥と化した岩鳥の背に飛び乗る。
かくして彼らの決闘がはじまった――
∀・)ご一読ありがとうございます♪♪♪
ツヨシ様
『胸、張り裂ける想い』
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ツヨシ様
『カウの島』
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∀・)ツヨシさんの2作品を登場させました。バトル開始ですね。盛り上げてゆきます。




