第4話「白い闇ってなんだろう?って思ったら答えはただ1つ!」
萌香は住んでいるアパートより断然に広いマンションの一室で目を覚ます。
「ん……またどこかに飛ばされた……」
すぐ近くにソファーに腰掛ける海斗。顎に手を当てて考える人となっていた。
「お兄ちゃん。今度は何のドラマ? アニメ?」
「分からない。でも、僕たちは明らかに何かに巻き込まれている」
「さっきのは最悪だったね。蛮狸のイメージが悪くなるよ」
「それよりこのふざけた空間が何かだ。そしてどうやって抜け出すか」
「あはは……出口なんてあるの?」
萌香は笑って冗談を言おうとしたが言えない。
永遠にでることのできない世界にやってきた気がするからだ。
「いえーーーーっ! きえーーーーっ!」
何だ? とんでもない奇声が聴こえて萌香たちはベランダにでてみる。
庭から煙が。白装束を纏った大地が奇妙な儀式を庭でおこなっていた。
「何をやっているの? あのヒゲモジャリンは?」
「これは燃えるなぁ……いや……萌えるなぁ……」
「アンタも何を言っているのよ?」
「いや、でも、思い出したぞ。これは『白い闇』だ」
「シロイヤミ?」
「ホラー映画だよ! 日本のS.キング、ツヨシの!」
「私はホラーが苦手だからなぁ……それでヒゲモジャリンは何を?」
「大地さんはこの映画にでてくる山伏を演じている」
「ヤマブシって誰?」
「祈祷師みたいなキャラクターだよ! 結局意味をなさなかったけど……」
そこでチャイムが鳴る。
萌香も海斗も構える。
萌香は思わず狸の姿に還っていたが、ハッとしてすぐに人間形態に。
ドアを開けたのは海斗だ。彼は萌香とアイコンタクトをとってゆっくり明けた。
でてきたのはドロップアウトの常連、小泉だ。
「あの、林さん兄妹は森さんの護摩焚きに参加されないのですか?」
「護摩焚きって参加するものじゃないでしょ。勝手にやるものでしょ」
「えっ? そうなのですか?」
「デブ、目を覚ませ。お前も私も何か変な世界で変な役をやらされている」
「あの? どういう事ですか? あっ!? 萌香さん!? 首が!?」
小泉は萌香の首を指さす。萌香の首に白い線がクッキリと入っていた。
「まずい!! この映画の呪いだ!!」
「えっ……」
海斗の大声に一瞬だけ戸惑った萌香だったが、その変異に臆することなく彼女はソレを掴んだ。
「このっ!!!」
萌香は首に巻きついていた「白い闇」を掴んで床に投げつけた!!!
床にベチャッ! とした音をたてて白い闇は「ピギャッ!」と悲鳴をあげる。
「素直に映画を楽しめない人たちね」
小さくも禍々しい白蛇を撃退した萌香たちの背後に奇妙な白い髪をした蒼いドレスの女が腕を組んで立つ。その髪は萌香の首に巻きついていた無数の白蛇で形成されているよう。
「気持ち悪いな。何だよ。お前」
「春醒第2師団師団長・ルーカスの娘のルーだ。忘れたか? ヨシカの娘よ?」
ルーのその発言に海斗は思わず手がでた。女性に手をだすなど彼がする事ではない。
しかし、それはそうでもしないと彼女を護る事ができない。
ルーに海斗の掌底が炸裂するやいなやの瞬間に白い閃光が走った――
∀・)読了ありがとうございます♪♪♪ルーはイメージ的に「ぷよぷよ」のルルーですね。ただしアレより禍々しいデザインになると思うし、髪が白のドレスが青って感じですからね。あんまりネタバレになってはいけないと思うのでヒントだけ残すとルーは蛮里ではありません。勘のイイ人なら何か分かるよね(笑)また次号☆☆☆彡
ツヨシ様
『白い闇』
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