第17話「魔女だって集まっちゃえば?なんやかんやで女子トーク!」
その日、フラワーショップ「花園ちはや」は「臨時休業のお知らせ」をだして店を閉めていた。
だが、その店内の奥にある大部屋に店長と魔女の一団の代表が集結していた――
「御用改めである! 神泉組定例会を始める!」
「副長! マジョタキュを100週したってマジっすか?」
「100週もしていない! 金曜ロードショーで仕方なく6週したぐらいよ!」
「鷹山さん、顔面がウザいですよ。家に帰って100回は顏を洗ってください」
「お前が洗え! その目の下についている隈を洗って取れ!! この野郎!!」
いつもどおりにグダグダな雰囲気だが、彼女達はその組織方針を月に一度集まって話す――
「それでやはり本題はCEAの話ですか?」
「それもあるけど私のほうからも大事な話がある」
「緊急時にサボっていたオバサンの大事な話って何? 遂に神泉組引退宣言ですか?」
「山崎てめぇ、覚えていやがれよ? 私のほうから話をしていいかしら? 香澄さん」
「………………」
「香澄さん?」
「ムニャ。すまん。イケメンとランデヴゥする夢をみていた」
「局長ったら素敵♡ どんなイケメンでしたの♡」
「いや、定例会で寝るな! ヅラもどうでもいい話を広げるな!」
「ヅラじゃありませんわ! 桂ですわ!」
3番隊隊長。桂乙女。34歳。通称ヅラ。本人は通称を気に入ってない。
フラワーショップ「ちはや」副店長。Youtuberとしての顔も持つ。
「とりあえず。CEAの話が先決っす」
1番隊副長。七空いと。26歳。神泉組で1番背が低い148㎝。
「その紹介の仕方、余計っす」
高校時代に元バスケ部でエースもしていた経歴あり。
「うっす。チョット照れるっす」
「にゃはは~♪ ナレーションに文句言う七空タンが可愛い~♪ にゃふふ~♪」
1番隊参謀。未来屋たま。26歳。実は人でない化け猫。
「にゃはは~♪ もっと褒めて欲しい♪ にゃふふ~♪」
白髪ストレートの美人。167㎝。
「にゃふふ~ん♪♪♪」
「おい、いい加減に会議に入りなさい。緊急事態なのよ」
神泉組副長。鷹山優。150㎝。魔女の宅急便ヲタクを疑われているオバサン。
「ナレーション、余計よ。この作品がローファンタジーからコメディになったら、アンタのせいだからね?」
「優ちゃんの言うとおりだ。ふざけすぎていると神泉組がコメディパートでしか登場しない奴らになってしまう。まずは先日のCEAの出現に関して話し合おう。何やら優ちゃんがとっておきの情報を掴んだらしい。イブちゃんもスマホを弄ってばかりいないで聞いてくれ」
「チャットGDPにどうやったら局長のハートを掴めるのかをずっと相談しています。はぁ……」
「はぁ。キリがない。早速だけど私から。私と2番隊の連中は同席しなかったから別人の可能性はあるけど、昨晩、五味たちが通っていたカフェにそのCEAの男が現れたわ」
「何だって?」
「この広間に仕込まれた監視カメラに写っていた男よ。五十嵐拳志朗」
「間違いないのかしら?」
「ええ。だけど本題はそこじゃない。そのカフェで働く黒人の女がCEAの関係者っぽいの。どうやら揉めているようで。彼女をどうにかしたいのか、例の牧野って女が店の前を張りこんでいた。だけどそこへ現れたのは先日話した化け狸の店員、林萌香。彼らは彼女を拘束したけど、目を赤く開かせた彼女が彼らへ暴行で反撃しだしてね。ただの反撃じゃなかった。五十嵐が加勢しても彼らは一網打尽にやられていた」
「優ちゃん、それはジャンポの漫画か? マガジーの漫画か? それともヴァンヴァン?」
「漫画じゃない! 現実のはなし! だけどそのままじゃまずかった。そこへ人型サイズの光る怪鳥が現れて林萌香を攫った。それからどうなったかはわからないけども、CEAの大怪我は嘘のようになくなっていた」
「副長、それってさ……」
「うん。間違いないわ」
「ふむ。そうか。ただそこまでの事が起きたのだとしたら、CEAは間違いなくその林萌香ちゃんという女の子を狙いにかかるだろう。そしてその喫茶店、どうも何かが集い過ぎてないか?」
「何かって?」
「ついこないだまでは五味一派が通っていた。そしてCEAの関係者に彼らを倒す野茂重道並みの化け狸。更にたまたまとは言え魔女であるアタシたちも優ちゃんを通じて関わっている。それに何よりアタシが久しぶりにカフェに行ってみたいのと、そこへ行くと新たな扉が開く気がしてならない……!」
「あの、香澄さん、真面目な話が違う話になってない……?」
「うっす。自分も生きたいっす。甘い物とエスプレッソのセットで」
「にゃふふ~♪♪♪ 私はあま~いカプチーノをじっくりと♪♪♪」
「私は局長の隣で無糖を絶え間なくゆっくり飲む。あ、鷹山は来るな」
「おい! 放課後のノリか!! 舐めていると痛い目をみるわよ!?」
「まぁまぁイイじゃない。でも、確かに魔女だと悟られないようにしないと……」
いや、自分もいかないと絶対にまずいだろう。コイツら。
そう思った鷹山だが、桂の言葉が皮肉にもその言葉を遮ってしまった。
「勝手にどうぞ。でも、何かあったらいけないから私は離れたところで支援につくわ」
その判断が吉とでるか凶とでるか。
神でさえもその先は苦笑いするものだったーー
∀・)神泉組、書いていて楽しい(笑)(笑)(笑)また来週☆☆☆彡