表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
DROP OUT~C'MON BABY AMERICA~  作者: いでっち51号
~林萌香の生きる道~
14/72

第13話「映画にでてくるCIAって何かと悪い奴が多いよね?」

 広島市東区がその奥地。その花屋は今日も開店していた。



「いらっしゃいませー!」



 若い女店員が笑顔で男女の客を迎える。男はボサボサの髪に剃り残しの髭が目立つ。女は明るい茶褐色のレイヤーが際立つも男に比べて身なりはきちんとしている。2人とも正装にコート。カップルだろうか? 夫婦だろうか? 店員の彼女はそんなイメージで出迎えていた。



「まぁきぃのくん、この店が本拠地だっていうのは本当かぁ?」



 男は髪を搔きむしり、彼女に尋ねる。



「間違いありませんよ。ボス。でも、髪の毛ぐらい毎日洗ってください。妙な胞子が牧野の顔に掛かります。迷惑でございます。仕事にでる時ぐらいちゃんとしやがれこの野郎」

「毎日洗っているよ!!! 髪がボサボサなのはこういうスタイルなの!!!」

「どういうスタイルだと牧野はツッコミたくて、ツッコみたくて、思わず手がでそうです」

「おい、今日は冗談なんか交わしている場合じゃないぞ? 目的はわかっているだろうな」



 男と牧野が罵り合いを始めたタイミングで店の奥から店主が現れる。



「いらっしゃい。賑やかなお客さんだね。今日はどんな御用?」



 フラワーショップ「花園ちはや」店主の千速香澄。



「いや、()()()()だな。ビンゴ。やるねぇ。まぁきぃのくぅん」

「アンタは……アンタらは……!?」

「ここで話すのも何だ? 何かあっちゃいけないから場所を変えるか?」



 牧野たちは店の奥にある広い和室に誘導された。



「毒は入ってないよ? 安心しな?」



 そう言って千速は2人に茶をさしだした。



 牧野は目を赤く光らせて「お茶です。緑茶ですね。レアものみたいです」と即座に分析。



 男は「おぉ~ありがとうねぇ。気が利くじゃないか。神泉組局長殿」と茶を啜る。



CEA(日本超能力者機構)だね。どうやってココがわかった?」

「ん~それは企業秘密だ。教えられないね」

「アンタら、国の役人だろ? 企業じゃない筈だ」

「ボス。揚げ足取られています。みっともねぇよ」

「うるせぇな。このすっとこどっこい。美味い茶ぐらい飲ませろ」

「目的は何だ? 答えろ。五十嵐拳志郎」



 千速は睨みを緩めない。CEAは神泉組は勿論、全日本魔女機構と対立する組織だからだ。



 茶をゆっくりと飲み終えた五十嵐はゆるりと返事をする。



「ウチのメンバーからオタクに妙な動きがあると報告があってね。おそらく五味って男の事だと思うのだが、俺たちもその捕獲にのりだしている。そこを巡ってドンパチが始まる前にちょっとお話ができたらいいなぁと思ってここに来たまでよ。あ、でも、オタクの組で若くて治験の仕事をやってくれそうなコがいたら、まぁ、交渉させて貰いたい感じかなぁ。何なら日本の魔女の最高峰と言われるアンタでも――」



 五十嵐の喉元に刃が静かに迫った。



「うぉっと……ちょっとからかっただけだよ……」



 彼がそういった途端に四方の襖が開く。彼らは山崎生吹含む神泉組十数名に囲まれた。



「おい、こんなに店員がいる花屋なんて見たことがあるか? まぁきぃのくぅん」

「ありませんね。しかしこの組員の数。想定以上です」

「ここでドンパチしたら?」

「牧野は20%の確率で生き残りますが、ボスは80%の確率で死んでもらいます」

「おいっ!! 死んで貰うってどういうことよ!?」

「黙って聞いてりゃあ、何なんだよ? アンタら?」



 千速は差し向けた刀の矛先を緩めない。



「ここで死にたいなら今すぐにでも殺してやる。そうでなくてもウチらの子に手をだしてみろ。今すぐでなくてもお前を突きとめて、今度はその首を刈り取ってやる。分かったら今日は1番高いヤツを買って帰れ。あと2度とここに来るな。いいな? 此処には此処の(ルール)(マナー)がある」



 五十嵐は目を閉じ両手をあげて「分かりました。そうさせて頂きましょう」と場を鎮める事にした――




 五十嵐たちが帰って間もなく緊急で集まった組員諸々が詰まっていた息を吐く。



「局長、マジキレしていたじゃないっすか……めっちゃ怖かったっすよ……」

「アレが噂に聞くCEAですか? 大丈夫ですか?」

「あぁ~緊張したぁ~ごめん、みんなの質問には今度の定例会で答える事にする。急に呼びだして悪かった。仕事中だった人は何事もなかったように仕事に戻って。ん? 2番隊と優ちゃんは来てないのか?」

「2番隊は相変わらずのようですわね。私達3番隊が模範となりましてよ。局長」

「鷹山は2番隊が来るようなら行かないと煙草を吸っていました。アイツ駄目です。クビにしましょう」

「イブちゃんは相変わらず厳しいな。お~し! 帰る人は帰って! 残る人はアタシの店を手伝って!」



 神泉組とCEAの接触。これはまた1つの運命の歯車が嚙み合った出来事であったーー

∀・)ご一読ありがとうございます。新キャラ登場の巻でした。何となくイメージを伝えられたらと思うのですが、千速香澄さんはヴィジュアル的には呪術廻戦の釘崎野薔薇さんみたいな感じですね。46歳だけど。五十嵐拳志朗は銀魂の阿伏兎です。もう、あんな感じですね。46歳だけど。牧野さんは実は「劇団になろうフェス」の公認アクターからの輩出だったりします。まぁ色々続報あると思うので。お楽しみに。ではではまた次号☆☆☆彡

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ