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寒い ほか
寒い
歩道橋の上から道路を見下ろして
昼間の食堂で
あなたとすれ違ったことを思い出した
あなたと会って私は
再び
自分が寂しいということに
気が付いてしまった
いったん解放された寂しさは
私を深く満たしていく
静かに浸食していく
歩道橋の上から
ガラス玉を散りばめたような道路を見下ろして
再び甦った寂しさに
少々立ちくらみがした
鏡
ある朝目が覚めたら
見たことのないの生き物になっていた
鏡に映る自分は
昨日まで自分だと思っていたものとまるで違うものになっていた
学校へ行っても誰もそのことには気がつかなかったが
僕はもはやそれまでの僕ではなかった
鏡だけがそのことに気づいていた