だから俺はエタらせる
今日も小説をエタらせた
先月もエタらせた
その前の月も
前の前の月もエタらせた
でも俺だって
好きでエタらせてる訳じゃない
本当はちゃんと完結させたいんだ
でも完結させる訳にはいかないんだ
何故なら
完結させたら俺の小説は駄作認定されてしまうからだ
連載中の小説なら
まだ展開次第では評価が逆転することも有り得る
だが完結させてしまったら
それが俺の最終評価
怖い
俺にはそれが堪らなく怖い
俺の小説は駄作じゃない
歴史に残ってもおかしくない傑作なんだ
まだ周りがそれに気付いてないだけなんだ
だから完結させる訳にはいかない
俺は俺の傑作を守るために
今日も小説をエタらせる
本作はあくまでフィクションです。実在の人物、団体などとは一切関係がございません。