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魔王軍は人手が足りない  作者: miharu
人事部へのお達し
1/2

勇者軍と魔王軍

勇者軍と魔王軍は相容れない存在である。

種族が違うことや、生活様式が違うことはこの際理由にならない。


もはや設定(システム)であるかのように、ずっと敵どうしなのである。


恐らく勇者軍と魔王軍が敵同士であることに疑問を持つ人間や魔物はいないであろうし、

そもそもなぜ戦っているのかを考える者もごく一部であろう。



そもそもはっきりしないのがこの戦いの最初の理由だった。

とある書物には、500年前に魔物が勇者の一族にちょっかいをかけたことが元になったと書いているし、

別の書物には戦いの歴史は2000年に及び、その理由を誰も知らないとまである。


勇者軍と魔王軍の戦いは謎に包まれており、

同時にこの世界に生きるものの『常識』として生きているものなのであった。



「ただ……。」


魔王の忠実なるしもべであるジギスヴァルトという名の悪魔は、

歴史が書かれた書物に目を通しながら思案に暮れる。


歴史書には『勇者の召喚』について事細かに記されており、

約100年ごとに新しい勇者が召喚されることになっているようなのだ。


(前の戦いから、今年で96年か。)


前魔王の時代から約100年。

魔王軍が大した功績をあげられていないとしても、勇者軍が勇者を祀る可能性は高い。


(手は打っておかねばな。)


シギスヴァルトは気取った金縁の丸眼鏡をくいと指で押し上げ、

書庫を後にするのであった。

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