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 彼女は頭がいい。




 ……多分。




 授業中、彼女は先生の話も聞かず、一心に手を動かしている。黒板の板書をしていないと思う。黒板には、ところ狭しと色とりどりの文字が踊っているが、彼女の手にはシャーペンしか握られていないから。


「ここは、テストに出るからマーカーしとけよ」


カキカキ。先生の言葉も右から左にカキカキ。教科書に視線が移ることもない。




 なのに……。


「テストどうだった?」

「ん。合格したよ」

「……マヂ?」

「マヂ」


彼女は学年の一割しか受かっていないテストに、合格していた。


 俺たちの放課後はバイト。シフトも同じだ。だから、帰りはいつも八時を過ぎている。飯を食って、風呂に入ったらもう九時過ぎだ。それから、彼女の家へ行って、一緒にテレビを見て、もう十二時。俺が家に帰った時には、彼女の部屋は真っ暗。つまり、もう寝ている。テスト勉強は一週間になって、毎日一時間。もちろん、一緒に。




 一体、彼女はいつ勉強しているのだろうか。謎だ。




 彼女は宇宙人だ。




 俺は時々、彼女の言葉がわからない。普通に話しているのに、その内容が深くなると、俺の脳味噌が拒絶するんだ。


「だいたいねぇ、ΑΜΣΞΟΣΘΝΠΧΦΩΣΘって、おかしいと思わない?」


ほらね。さっぱりわからない。たしか、俺たちは大坂の陣について話していた。




 ハズなんだけど……。




「淀君がΑΜΣΞだから、幸村様はΟΣΘなのよ。本当にΜΞΣΝΧΩΘなら、静御前や巴御前のようにΝΠΧΦしろっていうのよ」


 誰か、彼女の言葉を訳してくれないか?俺の理解できる言葉に。




 こうして、彼女の謎は深まるばかり。




 でも……。そんな彼女と付き合う俺も、十分謎かもしれない。







END.


古い作品です。


ただ、勢いだけで書いたものです。


クスッと笑っていただけたら幸いです。


なにはともあれ、最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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