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淑女の尊厳。

アウト寄りの性的な表現があったりします。



 明らかに異常事態のシュリルフィアを部屋に招き入れ、急病なのかとベッドに寝かせようとして止められた。

 濡れているからと遠慮するシュリルフィアに、今は汗がどうとか言ってる場合じゃないと怒るも、違うのだと。


「どうしたの、何があったの?」

「ごめんなさっ、あの、我慢、出来ないのっ············」

「だから何があったの!」


 顔を赤くして、汗だくで、目が少し虚ろに見えて尋常じゃ無い様子なのに、要領を得ない。


 落ち着かせて、ゆっくり事情を説明させると、どうやら、私はまたやらかしたらしい。


「体が、言うことを聞かないのですっ、あのピリピリした時の、魔法をっ、使って下さいっ············」

「えっと、あの、ピリピリされたいの?」

「············はいっ、お願い、します············」


 どうやら、弱めたパラライズに快感を覚えてしまい、部屋に帰って我慢していたけど、抑えられずにここへ来てしまったらしい。

 部屋の場所はもともと、後で先の件で改めて謝罪する為に、側仕えに確認させていたらしい。


「側仕えには、早めに就寝すると言って、ここに············」


 ベッドが濡れると言ったのは、どうやら自室の風呂場で粗相もしてしまったのだと。冗談と虐めのつもりで口にした言葉は、シュリルフィアの何か扉を開いてしまったらしい。


『ウッソだろご主人、口説くどころか既に落としてた』

「リーアちょっと黙って」

「ごめんなさいっ、ごめんなさいっ、ごめんなさい············、はしたないって分かってるのですっ! でも、ドレスが濡れていく感覚と、ピリピリした魔法が忘れられないのです············」


 これは、やらかした。リーアに何も言い返せない。

 そう言えば前世にも電極貼っつけて行う特殊な行為とかあったっけね。性に未発達な子にそんなモンぶち込んでしまったのか。


「我慢出来ていたのですっ、でも、食堂で優しくされて、胸がドキドキして、抑えられなくなって、ふえぇぇええん············!」


 膝をガクガクさせてい泣き始めてしまったシュリルフィアをお風呂場に連れていく。風呂椅子に座らせて、私は湯船の縁に腰掛ける。


「なんか、ごめんね。行くよ?」


 パラライズを調整して、教室と同じように座標指定で撃ち込むと、シュリルフィアは体をビクッと跳ねさせた後に悔しさと恍惚が混ざった表情になった。


 小さく呻いて、自分から零れてドレスを濡らしていく物に涙を流す。


 音を立てて水たまりを作り、体を震わせながらまだ足りなさそうだ。


「その、下の方を自分で触ると、落ち着けるかも」


 一回果ててしまえば落ち着くだろうと思って教えてあげると、シュリルフィアは真っ赤な顔で俯いて自分を慰め始めた。


 惨めだよなぁ、これ。


 朝は権力をブイブイ言わせて絡んだ中領地の人間に返り討ちに会い、人前で粗相までしてしまったのに、それを体が求めてしまう上に、その返り討ちにした本人に頼んで目の前で自分を慰めないと行けないのだ。こんなに惨めな事がこの世にあるのかよって自分で思う。


「············ゃあ、見ないでぇ············」


 嗚咽を漏らしながら懇願するシュリルフィアに、せめて視線を逸らした。完全にやり過ぎた。


 いや、朝の態度のままなら今だって鼻で笑いながら虐めてあげたけどさ、この子急にしおらしくなるんだもん。罪悪感半端ないよこれ。


「大丈夫だよ。大丈夫。もう酷いことしないから、泣かないで」


 なるべく優しくして、頭を撫でてあげた。わざわざ水を飲んできたのか、シュリルフィアの座る椅子から零れる水音はまだ続いている。


 体が一度跳ね、果てたと思うのにシュリルフィアは止まらなかった。

 涙を流しながら濡れたドレスのスカートあたりをグリグリするシュリルフィアに罪悪感がもうはち切れそうだよ。地獄かよこれ。


「落ち着いた?」

「············ぅあ、うぅ、うぁぁぁあああああああん!」

「うん。辛かったね。ごめんね。やり過ぎたよ」


 やっと止まって、耐えられずに泣き出したシュリルフィアを撫でて、このまま返せないし風邪引きそうだし、お風呂に入れようと湯船に魔法でお湯をためる。

 自分の服を脱ぎ捨てて、シュリルフィアも少し乱暴に剥いた後抱えて湯船に入った。

 服はその辺に転がっている。あとで魔法で洗って乾かせば良いのだ。


「ごめんね。誰にも言わないから」

「ふぅぅう、ぅええっ············」


 落ち着いて泣き止むまで、お湯の中で頭を撫でて抱き締めてあげた。予想以上に酷い結果になって私が一番私に引いていた。


「うん、落ち着いたね」

「うぅ、ごめんな············、さいっ」

「いいよ。フェミがやり過ぎた」


 落ち着いてきたシュリルフィアと、せっかくだから色々話す事にした。まだ夕刻の鐘がなったばかりだし、側仕えは食堂棟に居るなら大丈夫しばらくは大丈夫だろう。


「改めて、トライアスのフェミリアスだよ。喋り方は許してね。驚いてて、戻すのも今更だし」

「··················怒ってませんか?」

「怒っては居たよ? 大事な本をいきなり投げ捨てられたんだもん。思いっきり恥かかせて、後悔させてあげようと思ったよ。実際酷い目にあったでしょ?」

「············はい、人前で、あんなっ」

「うん。フェミはあの時点でやり返し切ったつもりだったから、シュリルフィア············、シュリちゃんでいい? もしくはルフィアちゃん?」

「え、あ、え? シュリちゃ············? えと、ルフィアで············」

「うん。ルフィアちゃん。フェミはあれで終わった気で居たから、ルフィアちゃんにここまで惨めな思いさせるつもりは無かったんだよ。ルフィアちゃんも、もうフェミにイジワルする気無かったでしょ?」

「············はい。関わっては行けない人だと思って、実技を見て怖くなりましたわ············」

「フェミもそうだろうなって思って、怖がらせ過ぎるのも嫌だから、ちょっと優しくしよって思ったら、ルフィアちゃんが、ね」

「あぅぅう············」

「粗相するの本当に気に入っちゃうのは、完全に予想してなかったよ。これから我慢出来そう?」

「························わ、わかり、ませんわ············」

「我慢出来なくなったらここ来ていいからね。ホントにやり過ぎたよー············。ごめんね?」


 服を脱いでも端末は全部付けっぱなしなので、ついでだからトリムを出してルフィアの髪を手入れしてあげる。さっきやったけど、やっぱ水魔法でやるのと湯船でやるのじゃ違うよね。


「自分でお水飲んで、お風呂場で試したの?」

「············ぅん、············そぅ」

「ん、ルフィアちゃん? どしたの?」

「なんでもないっ············」

「あれ、喋り方がフェミみたいになってるよ?」

「もともと、お城で、ワガママ言ってて、淑女の話し方は、最近勉強したの············」

「そうなんだ。ここならそっちでいいよ。フェミもその方が楽だし」


 なんか一気に猫みたいになっちゃったよ。貴族っぽくない方が楽でいいけどさ。

 ルフィアの髪の手入れを終えて、自分の髪も梳いていると、ルフィアがやりたがった。いやこれマジで魔力馬鹿みたいに使うからね。


「これね、それはもうメチャクチャ魔力使う欠陥品なんだよ。何たって詰め込んで溢れた魔力がマナに戻る事を前提に作ってるからね」

「だめ?」

「良いけど、多分一瞬で魔力切れで潰れて、フェミのお部屋でお泊まりになるよ? 明日の朝側仕えになんて言うの? フェミのお部屋で粗相して気持ちよくなりましたって言うの?」

「ぁぅう、言わないでよぉ············」

「気持ちよかったんでしょ?」

「············ぅう、うん。はずかしぃっ············」

「秘密にしてあげる。触ったの初めて?」

「うん、はじめて。凄かったの············」


 なんの気なしにセクハラしてしまって、ルフィアが真っ赤になって湯船に沈んだ。自分の髪も梳き終わって手を振りトリムを消した。


「フェミのお部屋でなら、また粗相して良いからね」

「恥ずかしいよっ············」

「じゃぁ我慢出来るの?」

「············むりぃ、今したいもんっ············」

「は、え!? いま!?」

「ぅぅう、おねがい············」


 随分可愛らしくなってしまったルフィアを一回湯船から出して、風呂の椅子にまた座らせる。恥ずかしさに顔を両手で隠しているルフィアに湯船からパラライズを使うと、先ほどとは違って嬉しそうに体をくねらせている。


「きもちい?」

「う、ぅん、すごっい、のぉ············」


 足を閉じてて見えない場所から、シャーっと水が溢れてくる様子を眺める。そのまま手が伸びていき、水音がしてくる。


「ぁ、ぁう、ねぇ、フェミちゃっ、て、呼んで、いぃ?」

「ん? うん。良いよ。でも人が居ない時ね。エリプラム様の前なら良いかな?」

「ぁふ、ふぅ、ぁ、フェミちゃ、も、しょ············?」

「ぅええ、ルフィアちゃん急にグイグイくるね。どうしたの」

「あの、ぅん、フェミちゃん、好きに、なっちゃ、ぁ、たの」

「··················リーアにまたウッソだろって言われる············」


 ちなみにリーアはベッドでお留守番。ほらやっぱりプレーヤーあったじゃんホレホレと言ってプレーヤーで遊んでいる。


「ねぇ、しよ? いっしょに、しょ?」

「女の子同士だけど、ルフィアちゃんどう思う?」

「やぁ、わかんにゃ、いぃ············。だめ、なの?」

「フェミも、色々人に言えない事あるんだけどさ、女の子の恋人が居るんだ。だからルフィアちゃんと一緒にそういう事しちゃうと、ちょっとねぇ」

「にゃぁ、じゃ、ぁ、ぁん、私も、ルフィアもぉ、恋人、なるぅ」

「おぉう、リーアにマジかよって言われる············。あー、でもすぐに返事は出来ないかなやっぱり。恋人に聞かないとさ。ルフィアちゃんも好きな人が急に知らない人連れてきて恋人増えた! って言ったら嫌じゃない?」

「わかんなぃ、分かんないもんっ、ぁ、にゃぁ、ルフィア、恋人、いないもっ」


 手が止まらなくなっているルフィアが、このままだと風邪引きそうだから抱えて湯船に入れる。その間もルフィアは手が動いたままだ。


「止まんないの?」

「ぅん、とまっ、ないっ、フェミちゃ、触ってぇ」

「だめー。そこ触っていいのは恋人だけだよ」

「なぅ、恋人なるぅ、おね、がぃ」


 なんだろうか、私って女の子を発情させる何かを分泌しているのか? リリアにメリルちゃんに、プリシラにルフィアと、二人きりになった女の子軒並みこう言う感じになっているけど。


 あ、大丈夫だエリプラムは二人きりでも変な事になってない。ありがとうございますエリプラム様。

 

「ん、収まった?」

「············ぅん。ぽわぽわするの」

「ルフィアちゃん、性格が凄い変わってるけど」

「フェミちゃんのせい」

「う、ごめんなさい」

「だから、恋人にして?」

「ぬー、一応聞いてみるけど、フェミは恋人が大事だから、ダメって言われたら諦めてね」


 こんなに可愛らしくなったルフィアなら少し考えなくも無いけど、リリアとメリルちゃんの方が大事なのは間違いない。特にリリアは嫌がりそうだし、断られたらそれまでだ。


「やぁ、恋人なるぅ」

「本当に性格変わっちゃったね。可愛いからフェミ的には良いんだけどさ」

「えへへ、可愛い?」


 完全に別人なんだけど。誰だこれってルフィアか。

 朝会ったのはシュリルフィアで、今がルフィアで別人格とでも思っておこう。


「明日から、教室で元に戻れる?」

「············たぶん」

「じゃぁ良いや。教室ではシュリルフィア様って呼ぶからね」

「ルフィア、フェミちゃんの事お姉様って呼んでいい?」

「駄目! それはリリア、妹だけなの。絶対ダメ。そう呼んだらルフィアちゃんと仲良くしないからね」


 私をお姉様って呼んで良いのはリリアだけ。これは私の絶対ルール。私自身リリア以外には呼ばれたくない。リリア以外に妹は要らない。


 私が一瞬怒ると、ルフィアは涙目で謝ってきたから許してあげる。でもリリアの名前に、その人が恋人?って聞いてくるあたり鋭いと思う。いや私の反応が分かりやすいのか。


「妹が、恋人?」

「う、そうだよ。変だと思う?」

「ううん。フェミちゃんがお姉様だったら、あ、今のはっ!」

「ふふ、今のは良いよ」

「············良かった。フェミちゃんがお姉様だったら、好きになると思うから、変じゃない」

「······························フェミそんなに? そこまで好きになる所ある? 自分だと全然分からない··················」

「··················妹さんとお話ししたい。恋人になるお願いしたい」

「トライアスまで行く? 休暇までお預けだよ?」


 ルフィアの猛アタックを受け流して、そろそろ夜の鐘が鳴るからとお風呂を出る。

 浴室に脱ぎ散らかしてあるドレスが凄く如何わしい雰囲気を出しているので魔法で綺麗にして乾かした。


「ぅう、お泊まりしたぃ」

「いや、そしたら明日側仕えになんて言うの?」

「フェミちゃんのお部屋で気持ち良くなったって、言っちゃおうかな············」

「良いけど、多分二度とフェミのお部屋に一人で来れなくなるよ?」

「っ!? やだぁ!」

「今日は我慢しようね?」


 あれ、なんかルフィア幼児化してない? いや八歳の幼女なんだけどさ。貴族らしさを捨てて歳相応になっただけ?


「············フェミちゃん、もう一回したぃ」

「嘘でしょ············。今日はもう駄目。次まで我慢しよう? 我慢出来たら、何かご褒美あげるから」

「············触ってくれる?」

「それはダーメ。リリアとメリルちゃんに聞いてからだよ」

「··················? メリル? 恋人二人?」

「あ、うん。二人いるの」

「ぅぅう、ずるぃ」


 ルフィアを宥めて、部屋まで送ると言って部屋を出る。リーアが想像通りの言葉を口にしたけどそれは後で対応する。


 リーアを肩に乗せて結構離れているルフィアの部屋まで行くと、今度はルフィアの部屋で泊まろうと言われる。好かれたのは好かれたけど、これ懐かれたって言うのが正しいような?


「だめ?」

「うん。我慢しようね? 出来る?」

「························頑張る」

「いい子だね。よしよし」


 同い歳なのに、妹みたいになってしまったルフィアの頭を撫でてあげると、嬉しそうに目を細めた。

 それから渋るルフィアを部屋に押し込み、夜の鐘が鳴る中寮の入口を目指す。


『ご主人、リリアちゃ、コールする?』

「その前に大人の意見が聞きたいなぁ。恋愛経験値ゼロのフェミじゃちょっと手に余るよ」

『ご主人、百戦錬磨、でも、むり? マジかよ』

「だって攻撃されたからやり返したら、懐かれて発情されたって、どうすればいいのさ」

『確かに、字面だけ見ると、ウッソだろお前』

「ふふ、ちょっとリーア、笑わせないでっ············」


 夜の鐘がなると寮監がカウンターの奥の自室に引っ込むので、そのまま素通りして開けっ放しの入口を通る。


 かなり不用心に見えるが、アナライズで見ると色々仕掛けがあるのが分かった。

 魔力が登録されていない人間が通ると、その人間の魔力を吸って起動するトラップや、虫除けの循環魔道具や、逆に貯めてある魔力が魔力を持たない平民に反応して起動するトラップなど、ここを寮生や先生、側仕えなど許可の無い人間が通ると酷い目に会う。


 ちなみにニール君がここを通れたのは私が背負っていたから、私の魔力反応で通って魔道具に登録されたみたいだ。


 置きっぱなしで定着してきたビークルにのって区画間の門に着くと、顔見知りになった門番に出会った。いつもこの人だけど、休めてるのこの人?


「ん、この時間から中央に?」

「ええ、少し知り合いの平民の女性に会いに。そのまま泊まると思うので、戻って来なくても心配には及びませんわ」

「君なら平民の知り合いくらい居るだろうが、危険············も無いか。傭兵を数人相手取って無傷で倒すくらいだからな。良いだろう。でも気を付けるように」

「お気遣いいたみいります」


 この門番さんは、私がエリプラムを助けてならず者を殺した時の事を、騎士仲間に聞いて知っている様だ。

 実際私を襲って生きていられる人間はこの王都に居るとは思えないので、門番さんの言う通りだった。


 人気の無い大通りを走り中央広場を抜け、通り慣れた脇道にビークルを滑り込ませる。


 ここに来るのも慣れたもので、プリシラの家に着くとビークルを停めてネックレス端末に転送して合鍵を取り出す。


 黒いカードをプリシラの家の扉に当てて開錠すると、いつもの様に扉を開けて中に入った。


「プリシラさーん。火の日だけどまた遊びに来たよー」


 ペタペタと廊下を歩きながら、既に部屋に居るであろうプリシラに呼び掛けながら歩く。


「ちょっと相談したい事があるんだ············け、ど··················」


 そしてリビングにたどり着くと、確かにプリシラは居た。居たんだけど、なんかおかしい。人が多い。


 とてつも無い可愛さで天使の様な愛らしさの、金と赤の髪の毛を揺らして私が前に妹にあげた栗色のドレスを着た、超絶プリティな猫耳の女の子と、桃色でふわふわとウェーブしたロングヘアがチャーミングな、メイド服を着た私の友人そっくりのキュートな女の子と、長く真っ直ぐ癖の一つもない綺麗な銀髪が神秘的な印象を与えている、私の最も信頼する側仕え兼お母さんに瓜二つのビューティエルフが、プリシラを囲っていた。


「え、リリア? メリルちゃん? リーフェ?」


 はは、ナイナイ。意味が分からないし。今その人達はトライアスとリオライラに居るはずだし、なんで合流してるのか分からないし、そもそもなんでプリシラの家に居るのかも分からない。


 うん。まったく全然これっぽっちも分からない。


「はぁ!? なんでここに居るの!? え、ここトライアス!? フェミいつの間にか里帰りした!?」


 そうか、私はいつの間にか里帰りしていたんだ。その間に無意識でプリシラとメリルちゃんを攫い、トライアスの城下街にあるかも知れないプリシラの家そっくりの建物にお邪魔したんだってそんな訳あるかぁぁぁぁあああああ!?


「なに、どういう事!? リリアとメリルちゃんとリーフェが恋し過ぎてフェミは幻覚見てるの!? 確かにリリアに会いたいし! メリルちゃんと遊びたいし! リーフェに抱き着きたいけども!」

「お、お姉様ぁ♡」

「フェミちゃーん! 会いたかったよぉ!」

「お久しぶりですお嬢様。やっとお会い出来ましたね」

「フェミちゃん助けてぇ! みんな怖いのよー!」


 混乱している私に構わずに各々が勝手に喋り出すなか、三人のリティットは勝手に飛んで避難して、再開を喜んでいた。


「説明をお願いするよ。フェミもう訳わかんない」

「はい。メリルの発案で、リリア達は中央に一年前倒しで来る事になったのです。すれ違いで帰るお兄様に会えないのは心苦しいですが、休暇で帰ってもお会い出来ますから」

「フェミちゃんに会いたかったんだよ! あのね、あのね、私もフェミちゃんの恋人になっていいって、お父さんに言われたの!」

「ぅえ!? え、リーフェ居るのに言っちゃダメじゃ無いの?」

「いえ、お姉様。リーフェさんには全てバレていました。あと、見逃してくれるそうですわ。だから、お約束しているご褒美、たくさん下さいませ♡」


 話しを纏めると、エルフの身体能力舐めんな。って事と、リリアとメリルちゃんに公認でついに、最後までしていいってお許しがあるって事?


「ねぇリーフェ? リーフェが止めてくれないと、フェミ本当にリリアとメリルちゃん汚しちゃうんだよ? いいの?」

「私は何も見ず、何も聞かない予定なので、なんの事か分かりかねます」

「························もう、いいもん! 本当にしちゃうからね! リリアとメリルちゃんと、大人になっちゃうんだからね!」

「お姉様ぁ♡ はやくリリアを大人にして下さいませ♡」

「えへへ、フェミちゃん優しくしてね」


 プリシラを置いて勝手に盛り上がるけど、どうしよう。今日このまま勢いで行ってしまって良いのかな? 明日も授業あるんだよ?


 いやその前に場所が無いことに気付いたよ。ここプリシラの家で、流石にプリシラと混ざってしたくない。私を晒すのは良いけど、リリアとメリルちゃんは私の物だ。


「隣の部屋って寝具無いんだよね。今から宿取るのも難しそうだし、今日は諦めよっか」

「そんなっ!?」

「············お嬢様、仕方ないですよ。私も三人だけでゆっくりちゃんとしたいですし」

「························メリルちゃん、その服と喋り方、どうしたの?」

「えへへ、フェミリアス様、私はお嬢様の側仕え見習いになりましたので、私の事はメリルとお呼びくださいませ」

「メリル、今は夜の鐘が鳴った後ですわ」

「いいの。フェミちゃんに見て欲しかったの」

「分からないっ! 状況が改めて全然分からない! 今日はご褒美無しで、フェミに情報を下さい! それとプリシラさんに相談したい事があったけど、丁度いいからリリアとメリルちゃ、メリルにもお話しがあります!」



 そうして改めて皆でソファーに座り、まずはみんなの詳しい行動を聞いていく。

 


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