リリアの告白。
ヤバめの性的な描写があーるのです。大丈夫だよね?
疲れ過ぎて、体が癒しを求めていた。
更に疲れるとしても癒されるのであれば、プリシラの家に行って一晩中プリシラに体を慰められ続けるのもいいかも知れないと考える程に、禁魔法の痛みは体と心を蝕んでいた。
今すぐ何か手を打たないと、本当にプリシラの家に突撃して、プリシラに自分の体を委ねそうなので、寝ていたリーアを起こしてリアスをコールする。
そうしてコールを受けたリリアも、自分を慰めている途中だった。
『ぁ、ぁん、おねえ、さまぁ······、ごめんなさいっ、りりあ、止まらなくてっ』
「あははマジか。······良いよ。うん。可愛いリリアの声が聞ければ良いの。それより、どこでそう言うの覚えたの?」
『ぁぁん、ぁ、めりるっ、さんがぁ······、教えっ······』
「ふふ、そっか。メリルちゃんとコールしてたんだね」
メリルちゃんと話す様になってから、夜の鐘でリーフェは部屋を出ていくみたいで、一人になった所で前日にメリルちゃんから教わった事を試しちゃったらしい。そこに丁度私がコールしたのだ。
「ふふ、止まらないの?」
『ぁん、ぁ、ぁぁ、止まらないのですっ······、止まらないのですぅ······♡』
水音が微かに聞こえて居るリーアの向こう、リリアは大変な事になっているみたいだ。
『ごめんなさっ······、お姉様ぁ、リリアは、悪い子ですぅ······』
吐息が止まらない中、泣き出して謝るリリアに背筋がゾクゾクする。あー、可愛いよぅ。メリルちゃんありがとう。
『嫌いにっ、ならなっ、いで······、あ、ぁん、やぁぁ······』
「ふふふ、大丈夫、大好きだよ。大事な妹だもん」
『ぁ、ぁ、ぁぁあだめぇ、そんなっ、言われちゃっ、ぁぁあぁお姉様ぁぁ·········♡』
今目の前に居たら絶対に我慢出来なかったなと思いながら、リーアから聞こえてくるリリアの声を聞く。
「リリアは可愛いねぇ。癒されるよー」
『おねえ、さまっ、だめ、とまらなっ、またきちゃぅっ······』
「うん。いいよ。いっぱい触りな? フェミ聞いててあげる」
暫く続くリリアのお楽しみが終わると、そのまま泣き始めてしまった。
『ぐすっ、お姉様、ごめんなさいっ、リリア悪い子なのです』
「そんな事無いよ。リリアはとってもいい子だよ? フェミはリリアが大好きだから、嫌われたなんて思わないで」
『お姉様、本当に、こんなはしたない事をして、止まらなくなるリリアを、嫌いになりませんか······?』
「ならないってば。なんならもう一回聞きたいくらいだよ。リリアは何をしてても、フェミの可愛い妹だよ」
『······お姉様ぁ♡ あの、もう一回、ですか······?』
「ふふ、聞かせてくれるの?」
『あの、止まらなくなっちゃうのです······』
「良いよ。お姉ちゃんが聞いててあげる」
またゆっくりと始まる妹の痴態を聞いて、もうすっかり癒された。さすが私の超絶可愛いリリアだよ。
「おさまった?」
『あぅぅ、恥ずかしいです······』
「可愛かったよ。フェミ今すっごい疲れててね、癒されたかったの。リリアのお陰で疲れ取れた。お礼に今度会うときはご褒美いっぱいあげるね」
『にゃぅ、ご褒美、欲しいです······』
「うん。何がいい?」
『お耳と、メリルさんにあげたご褒美と、あと、リリアの大事なところ······』
「うーん、そこは本当に大事な人に触らせる所だよ? 未来の旦那様とかさ」
『あ、あの! リリアは、お姉様の事が、その······、好きなのです』
「うん? フェミも大好きだよ?」
『その、そうじゃなくて······、リリアはお姉様に、その············、恋を······、して、おります······』
「······うぇ!?」
ベッドに寝転んでいたけど、ビックリして跳ね起きてしまった。
あれれ? 確かに姉妹じゃおかしいスキンシップを重ねたけど、それは甘えて来ているんだと思っていた。
「リリア? えーと、フェミの事が好きなの?」
『······はい』
「フェミの赤ちゃん産みたいとか?」
『出来るなら、お姉様の子供を授かりたいです。でも、女性同士では無理だとテペロアに聞きました······』
「うん。うーん。いつから?」
『······分からないのです。気が付いたらお姉様の事をずっと考えていて、お姉様の声を聞くと嬉しくて、ずっと傍に居たくて、その、今も、触っていたらお姉様からコールがあって、嬉しくて止まらなくなってしまったのです······。お姉様は、こんな妹は、気持ち悪いですか? お嫌いになりますか?』
最後の言葉は震えていた。姉妹で恋なんておかしいと、分かっていて聞いているんだ。
勇気を出して、私に気持ちを伝えてくれたんだ。その禁忌に自ら触れるのに、どれだけ恐怖と戦ったんだろうね。
「リリア、フェミはリリアの言葉を聞いても、リリアが大好きだよ」
『······本当に?』
「本当だよ。じゃなかったらリリアの甘い声なんて喜んで聞いてないよー。フェミは、リリアがお母様やお父様に甘えられなかった分、フェミにそういう事で甘えてるんだと思ってたの。でも、違ったんだね?」
『······最初は、お姉様の言う通りだったかも知れません。でも今は······』
「うん。言ってくれてありがとね。怖かったよね」
『·····················はいっ』
コールの向こうでリリアの声が一気に濡れた。
本当に、怖かったんだろうな。家族で、同性で、やっと出来た仲良くなれる味方が、その一言で自分を見る目を変えるかもしれない。その恐怖は私には想像出来ない。
「リリアは、フェミの恋人になりたいの?」
『·········はいっ、お姉様とずっと一緒に居たいのですっ』
「恋人、なる?」
正直、色々不味いと思うけど、私もリリアに想いを告げられて満更でもない。と言うかリリアを他に渡したくない。
『······いいの、ですか?』
「もちろんホントは良くないよ? 周りには内緒だし、フェミもリリアも貴族だから、他の人と結婚しなくちゃ行けないかもしれないけど。フェミもリリアをほかの人に渡したくないなって思うから」
『リリアは、お姉様の、恋人に、なりたいです·········』
「うん。周りには内緒だけど、いい?」
『はいっ♡』
「ふふ、元気になったね? 良かった」
『あの、お姉様、ご褒美は·········?』
「うーん。ホントはダメだけど、恋人ならいいかな? してあげる」
『にゃぁぁあ······。あの、お姉様、リリアもお姉様の事、触って良いですか······?』
「恥ずかしいけど、リリアも触りたい······?」
『······はい。リリアもお姉様に触りたいです』
「優しくしてね?」
七歳の女の子を随分と罪深い存在にしてしまったみたいだ。責任を取らなくちゃね。
声から不安が無くなったリリアは嬉しそうに可愛い声で、恥ずかしい事を聞いてくる。
『お姉様、リリアは今とても幸せです。うふふふ、お姉様愛していますわ』
「フェミも愛してるよ。リリア、一人で触ってる時に、指は入れちゃった?」
『···············浅い所だけ······』
「ふふ、じゃぁフェミがリリアの初めて貰っちゃうよ?」
『はいっ、お姉様に捧げますわ♡ お姉様の初めても、リリアが貰って良いですか······?』
「うん。あげるよ」
『リリアは痛くされても良いので、お姉様が思いっきり貰って下さいませ······♡』
「出来るだけ優しくするよー。だから、初めて残しておいてね? 自分の指にあげちゃダメだよ?」
『うふふ、お姉様もですわ』
「ふふふーん。フェミは自分で触ってないから大丈夫だよー。ちょっと大人のお姉さんに舐められちゃったけど」
『にゃ!? そ、それはどう言う事ですか!?』
あ、やっべ。
滑った口から根掘り葉掘り聞かれてしまい、プリシラの一件がバレてしまった。悔しそうに呻いてるリリアが可愛いけど、失敗した。
『リリアも、リリアもお姉様を舐めたいです!』
「う、うん。優しくしてね? リリアのも舐めてあげる」
おおよそ姉妹で交わす言葉じゃ無いけど、もういいや。我慢やーめた。
プリシラにはイタズラされるし、ちょっと良いかもって思ったイケメンもその弟が出てきて台無しにされるし、ちょっと我慢するの嫌になって来た。
『あ、あのお姉様、お姉様は他にも恋人をお作りになりますか?』
「ふぇ? どう言うこと?」
『あの、メリルさんもどうかと······』
「ふぇぇ!? え、メリルちゃんも? メリルちゃんもフェミの事好きなの?」
『お話しをすると、そうだと聞きました。メリルさんのお父様も、いっそお姉様が貰ってくれれば安心だと言っていたそうですよ?』
いやいやお父さん!? 何故に大事な娘にそんな事を!?
『なんでも、平民であるメリルさんの可愛さに気付き、惜しみなく宝石を贈り、褒め、本人にも気に入られていて、お父様も気に入っていて、横暴な貴族と違って話しが分かり、お金も権力も持っていて、メリルさんを簡単に笑顔にしてくれる。女性だと言う事を除けば奇跡かと思う程の相手だと褒め称えているそうです。むしろ男性じゃないならメリルさんをキズモノにしないから貰ってくれないかと』
「嘘でしょ!? それで女の子に女の子を娶らせる気なの!?」
暴論にも程があったけど、どうしよう、メリルちゃんも欲しい。
「リリアは、フェミがメリルちゃんも恋人にするとしたら、嫌?」
『それでしたら、リリアからお話ししませんでしたわ。是非にと思うからお話ししたのです』
「そっか、そうだよね。メリルちゃんも好きだし、リリアが良いなら良いよ。一応本気なのか聞いといてくれる? お父様も含めて」
『うふふ、きっと大丈夫ですわ。リーフェさんのお考えを借りて、メリルさんをお姉様の従者にしようと計画があるくらいですので。だから、リリアと一緒に愛してくださいませ』
「メリルちゃんもご褒美欲しがってるの?」
『はい。とっても良かったと言ってましたわ。大人になるまでダメって言われたご褒美が貰えるって聞いたら、きっと喜びますわ』
「なんか、フェミってスッゴイ悪い人だよね。リリアやメリルちゃんにイケナイ事を教えてさ」
『うふふ、でしたら、是非責任を取ってくださいね?』
「うん。大事にするよ」
また今度コールすると言ってコールアウト。会話の内容を分かっているリーアは、ウッソだろお前って顔をしている。
「やめてリーア、自分で一番分かってるから」
「ピ? ピィー?」
ホントに? ホントに分かってる? と顔で訴えるリーアを流して、腕を伸ばした。
「リーアおいで。一緒に寝よ? 今日はちょっとくらいイタズラしても良いよ」
ベッドにもぐりリーアを胸に抱くと、遠慮なく翼で胸をコショコショして来た。
「ん。リーア、楽しいの?」
「ピッ! チチチチッ」
「ぁ、ゃん」
「ピィ···」
私の反応にニヤッとしたリーアは、器用に服の中を潜っていくと、私の下腹部まで到着した。え、まって嘘でしょ。
「リーア待って、そこはダメなの、分かるよね? リーアいい子だもんね?」
「リリリッ♪」
「ぁ、だめだってば、ゃん、ぁ、ぁ、ぁん、あっ♡」
リーアは両の翼を使い器用に私の下腹部を撫で回し、絶え間無く攻め立ててくる。プリシラにされてる時見てたんだ。それでこんな、バカー!
「リーア、ゆるしっ、ぁ、おねがぃ、ん、ぁ、ぁ、ぁ、だめ、だめぇ」
「チチチッ」
「リーアだめぇ、きちゃぅ、ぁ、ぁ、あ、あ、だめぇ、ぃんっ」
やられた。リーアのばかぁ。え、え、なんで続けてるの、待って、今はだめ来たばっかりだからっ。
「らめらめぇ、またきちゃっ、ぁぁぁああ·········♡」
「·········チチチチッ」
「このぉ、何よその、顔はぁ!」
顔の横までモゾモゾ戻ってきたリーアは、イタズラしていいんでしょ?って顔してる。
「ねぇリーア?」
「ピ?」
「フェミのこと好き?」
「ピィ?」
「おま、そこは肯定しようよ。首傾げないでよ」
「ピッピッピッ♪」
「笑うなよぉ」
リアスはどんな育ち方してるのかな。リリアはいい子だから、それを見て育ってるリアスもいい子に育ってるよね?
「まぁ、リフレッシュって事でいいかなー。リーア許してあげる。我慢しないってさっき決めたもんね。だから今度はフェミからお願いするからね? 覚悟してね?」
「ピ? ピュァー」
「なにその踊り。ん、ああ触手魔法の事? いやアレに絡まれたい程じゃないし。アレはプリシラさん専用」
「ピッピッピッ」
「またまたぁ、みたいな顔すんな! もう一回戦させるぞ! あ、ごめんなさっ、うそうそ寝よ? 貯蔵マナ足りないでしょ? え、なんでそんなに豊富なの? あ、もしかしてイタズラしてる時にフェミの魔力から抜いたの? そんな機能付けてないよ!? どうやったの?」
「ピィ、ピィ」
「······何よ。顔で語りすぎじゃないの。フェミが、その、昂りすぎて、勝手に魔力出してたとか言いたいの? 肯定すんなよぉ······」
なんでこんなに会話が成立するだよぉ。顔芸のスキルレベルカンストしてるんじゃないの。
「あ、まって本当にもう一回戦始めようとしないで。フェミ限界だし、プリシラさんじゃ無いから。ほら、ぎゅってしてあげるから、一緒に寝よ?」
仕方ないなーって顔で止めてくれたので、約束通りぎゅって抱き締める。
「リーアがイジワルに育ったのは、フェミが構ってあげなかったからだしね。寮についたから、いっぱい甘やかしてあげるから、今からいい子に育ってね」
潰さないように、まぁ潰れるようには作ってないけど、リーアを抱き締めながら寝に入る。小さくリーアに「たまにイタズラしてね?」と呟いて意識を手放した。
翌日は疲れもあって遅く起きた。
淑女としては失格だが、昨日は風呂に入ってないので朝軽く入って、部屋に固定のクローゼットからニール君に運んで貰った服を選んで着替え、アクセサリーを身に付けて髪を乾かした。
時間は朝の鐘が鳴った頃で、エーテルドレスを起動して部屋を出て食堂に向かって一人歩く。
中庭を通ると、学校の校庭と校舎の間にあるスペースを思い出させる作りに、鉄製の屋外用テーブルセットが広い距離を保って等間隔で置かれていた。
そのいくつかで朝からお茶会なのか、朝食会なのか分からい物が開催されているのが見えた。
「朝食を中庭で食べるのはアリだな」
食堂に入ると中は広く、六人掛けの長テーブルが並んでる場所と、五人掛けの丸テーブルが並んでる場所が左右に区分けされていて、真ん中には何とビュッフェスタイルで朝食が置かれている。貴族がビュッフェって良いのか? 毒殺とか······。いやその為の毒味か。
スクランブルエッグとパン、サラダ、それから寸胴に満たされたベーコンのスープ。パッと見プリシラの家で食べた物に見えるが質が全然違う。パンはフワッフワでちゃんと発酵させていそうなもので、サラダも新鮮な葉野菜がドレッシングに塗れて煌めいていた。スクランブルエッグとは言ったが、使っている卵が違うものっぽくてビュッフェスタイルだと言うのに見た目がずっとふっくらしている。
素材が良いのはもちろん、鮮度を保つ魔道具が有るみたいだ。多分食事が置かれている銀の大皿その物が魔道具何じゃないかと思う。
「ビンゴ。ってまた循環魔道具。有能過ぎる······」
アナライズを使うと、厚い皿の中を魔力が巡っていて、その巡りに反応した皿の中心にある小さな魔石が反応を起こして魔力を生み出し、皿の表面に刻まれている魔法陣を起動していた。
これ、永久機関なんだよねぇ。
いつかコレを作った人と対談したい。目下それが一番の目標である。それが叶えば、お店を出す事にもグッと近付けるに違いない。
料理が並ぶテーブルに置かれたプレートを手に、料理と共に置かれている小鉢に盛っていく。本来こう言うのを側仕えにやらせるんだろうね。後ろで待っている側仕えが私を怪訝な顔で見てるもん。
ぱぱっと、パンとサラダとスープをとって食堂を後にしようとして、足が止まる。六人掛けの長テーブルエリアの方に、リオン達が見えたのだ。
リオンとイオ、そして見た事無いエメラルドグリーンの髪をしたとても可愛らしい猫人が居た。アレがリディアット何だろう。
うん。お兄様の気持ち分かるよ。めちゃくちゃ可愛いじゃん。
挨拶に行くべきか、イオが居るとは言え仲睦まじい時間をそっとしておくべきか、どうしたものか。
「あの、フェミリアス様?」
「んにゃっ!?」
悩んでいると後ろから声をかけられて、変な声が出てしまった。今の無し今の無し。
声を掛けてきたのは、水色の髪をして、品の良い薄緑色のスカートとピンクのブラウスを着た、エリプラムだった。今日も可愛いね。
「あ、あー、エリプラム様でしたの。驚いてしまいましたわ」
「申し訳ありません。立ち止まって動かなくなってしまったので、お加減がよろしく無いのでは、と心配に」
「ふふ、御気遣いありがとう存じます。でも昨日の件でしたら、わたくしはもう平気ですわ。それよりもエリプラム様こそ、お加減は如何かしら?」
「わたくしは、フェミリアス様に助けて頂いたので、怪我もしておりませんわ。見事な魔法のお陰で、ニールと言うのかしら? 平民の子も元気に帰って行きましたわ」
「そう、安心致しましたわ。エリプラム様は今から朝食ですの?」
「ええ、どこに座ろうかと思っている所に、フェミリアス様がいらっしゃったのです」
リディアットに挨拶しようか、エリプラムとご飯食べようか、選択肢が増えてしまった。
いつまでも手に食事のプレートを持ったままなのも淑女として良くないし、早いところどこかに座りたい。
「あら、あちらにいらっしゃるのはイオシュマイア様では? 席も空いてらっしゃる様ですし、ご一緒させて貰えないかしら?」
私が悩んでいる間にエリプラムは側仕えを行かせて、同席の許可をもぎ取ってきた。おう、側仕え居ると確かに便利だね。
「ご歓談に割って入る事をお許しくださいまして、ありがとう存じます。エリプラム・セッテルハーツでございます」
「お兄様とイオ様、それとリディアット様でよろしいでしょうか? フェミリアス・アブソリュートですわ。失礼致します」
リオンとリディアットが対面で端に座り、リオンの隣にイオが座っていて、軽く挨拶をした私はリディアットの隣に座り、同じく挨拶をしたエリプラムは私の隣に座った。
エリプラムの側仕えが朝食を取りに言っている間に、リディアットと交友を深めようと思ったらイオが頭を下げてきた。
「フェミ、それとエリプラム嬢。此度は多大な迷惑をかけた。どうか許して欲しい」
「イオシュマイア様、お顔をお上げくださいませ。イオシュマイア様に何かされた訳ではないのですから」
「そうですわ。せっかくの朝食、楽しく過ごしませんか?」
本当に申し訳なさそうにしているイオの謝罪を退ける。受け取ってしまえば、お前が悪かったと認める行為になると思ったから、たぶんエリプラムも同じ気持ちなのだろう。本来謝罪を退けるのは失礼に当たるが、連座されるかも知れないイオにそれを認めると、止めの一撃になっていまう可能性もある。
「妹よ。話しはイオに聞いたが、どう言う事なのだ?」
「お兄様まで、今は止めませんか? わたくし、せっかく挨拶が出来たリディアット様とお話しがしたく思います」
「フェミリアス様は本当に、リオのようにわたくしを嫌がらないのですね」
「あら、リディアット様のように美しい女性を嫌がる方は、きっと心を病んでいらっしゃいますわ。こんなに綺麗に緑の髪に、可愛らしいお耳、人に愛される為に生まれて来たようではありませんか」
隣で恐縮しているリディアットに、心からの言葉を贈る。だって本当に綺麗だよこの人。
顔も凄い整っていて、細い眉に切れ長の目が優しく微笑んでいて、高めの鼻にほっそりした顎はもう、エルフが猫耳のコスプレをしているみたいだった。
しかも、リリアはアメリカンショートヘアを思わせる耳と尻尾だけど、リディアットはたぶんソマリ辺りだと思う。綺麗な顔にふわっふわの耳と尻尾で愛らしさまで獲得していて、なんだこのチート生物って思うくらいだ。
「あら、あらあら、リオが居なかったら恋に落ちそうなお言葉ですわ。胸が高鳴りましたわ」
「おい妹よ、私の恋人を口説かないでくれないか? 私よりカッコイイ言葉を言うんじゃない。·········後でちょっと教えるがいい」
話しをすると、リディアットの性格は獣人として扱われているからか、横暴な貴族然とした物では無かった。
これならトライアスに来てもリリアの敵にはならないだろう。
それからまだ謝りたそうなイオを皆で抑えて、エリプラムが昨日の私の大立ち回りを披露し始めた。しまいには読み物語の英雄が駆け付けてくれたかと思い、胸が苦しくなって震えてしまったと。
震えてたのそう言う事かよ! 怖がっていたのかと思ったよ!
「フェミリアス様が殿方では無くて、心から残念に思いましたわ」
「あの、エリプラム様、おやめ下さいませ。わたくし他の人にも同じ事を言われるのです」
「あら、でしたらご自身の行動の賜物では?」
「ぅぅう······」
褒め称えられてほっぺが熱い。たぶん顔真っ赤だよ。
「フェミリアス、そなたは騎士にでもなるのか?」
「いや、魔道具学だろう。フェミの作る物は全てが見事だ。あのびーくると言う物にはまた乗りたいぞ」
「あら、フェミリアス様は魔法も堪能ですのよ? 平民の子を助ける為に使った魔法はとても見事で、見ていて心洗われる様でしたもの」
リオンが私に騎士になるのか聞き、イオが魔道具の道だろうと言い、エリプラムが昨日のティリアの遡生の様子を語った。
貴族学校は貴族のあり方を学ぶのと同時に、貴族学含め四つに別れている。一つは全員必修の貴族学で、他は騎士学、魔道具学、魔法学となっている。
午前中に貴族学を学び、昼食の後に残り三つの学科を学びに皆それぞれ好きな教室に移るのだ。
「あら、わたくし騎士学、魔道具学、魔法学の全てを受けるつもりですわ」