アウト寄りのアウト。
超性的な描写があります。
「あら、素敵な髪になったわ」
お風呂を出て着替えた後、ネックレスを付けてエーテルドレスを起動して髪を魔法で乾かした。
正直自重しないで作ったから、トリートメント効果は凄まじい事になっている。
「またお手入れ必要だったら言ってね。王都にいる間ならやってあげる」
「言ってねって、貴族区域にいる人にどう言えばいいのよ」
「んー、ちょこちょこ貴族区域から出る予定だし、お店にも行くと思うよ」
王都には貴族区域、中央区域、平民区域があり、王城直下にある貴族区域と中央区域が繋がっていて、中央区域の両脇に平民区域があるらしい。
貴族区域は文字通り貴族が活動している場所で、平民は許可が無いと入れないし、王都以外の貴族も申請しないと入れない。
貴族学校は貴族区域にあるため、側仕えがわざわざ申請しないと連れていけないのはコレが理由だ。
平民区域は逆に、貴族と平民の無用なトラブルを無くすための場所なので、基本的に貴族は入れない。
犯罪者等を捜索する場合に限り、王に申請して許可を得た貴族が入れるのみで例外は無いらしい。
中央区域は貴族と平民が両方入れる場所で、プリシラの家もお店もハンターギルドも商業ギルドも、主要なお店や施設はだいたいここにある。
「つまり、中央広場から王城を目指せばだいたい目的地だったのね。そりゃそうか」
「まぁ王様のお膝元に貴族が居るのは当たり前よね」
プリシラに王都のだいたいの地理を聞いて目的地を頭に入れた。
明日は朝イチで乗り込んで、入寮出来そうならしてしまおう。
あとフェアリーゼにお兄様にも会っておけと言われているので、探さなければ。
「さて、じゃ寝よっか。フェミはどこで寝るの? プリシラさんと反対の部屋使っていいの?」
「あっちの部屋寝具無いわよ?」
「じゃぁここのソファ?」
「一緒に寝れば良いじゃない。仲良くしましょ?」
ニッコリしているプリシラさんに身の危険を感じた。食べられそう。いや食べられる。
「えっと、寝かせてくれるのかな?」
「あはは、どうかしらね?」
「うぅ、フェミまだ子供だよ? て言うか女の子だよ?」
この世界に百合文化が有るかは知らないが、オネショタならぬオネロリは色々不味いと思うんだ。ロリロリはせふせふ。
「ふふ、取り敢えずお部屋行きましょうよ。リーアちゃん眠そうだし」
最悪リーアに助けを求めようと思ったけど、ダメそうだった。いやプリシラに加勢されない分よしとしよう。
すぐマジ寝すれば、流石に意識の無い幼女に無理矢理はしないでしょ。しないよね?
「寝るからね! 寝るんだからね!」
「うふふ、寝ましょうねー?」
プリシラの部屋は白を基調にしつつ、桃色も多く使われていて、多分男子中学生が夢見る女性の部屋そのものって感じで、可愛いぬいぐるみやレースの使われたカーテンなど、一瞬前世に戻って来たかと錯覚してしまう。
プリシラから逃げるようにフワフワのベッドに潜り込み、ピョコっと顔を出すとプリシラもベッドに入ってきた。
「本当に家具が豪華だね?」
「あのお店給料はいいのよ」
セミダブルくらいのベッドは幼女が一人入ったくらいでは問題ない広さがあるが、プリシラは私にぴったり体を寄せているので関係無かった。
ちなみにプリシラはいわゆる透け透けネグリジェって奴を着ている。
「幼女相手に勝負下着は勿体ないよ?」
「いいのよ。今使う相手居ないもの」
ゆっくり手を体に回され、自然に抱き締められる。
うぅ、絶対食べられちゃうよ。でもちょっとワクワクしている私も居るのが悔しいよね。なまじ中身がアラフォー迫ってるし、若い女の子に何されるんだろって言う未知への期待が確かに胸に疼いている。
そんな期待捨ててしまえ! 私は今は八歳児なの!
「ふふ、柔らかいわねー? お肌すべすべ」
「寝るんだよぅ。服に手を入れちゃだーめ!」
「寝てて良いわよ? 勝手に遊ぶもの」
プリシラの両手が胸に周り、優しく全体を撫で始めた。
体に走る感覚がもどかしく、意志とは別に体がプリシラの手を求め始める。
「やー。寝ようよー?」
「疲れたら寝ようかしら?」
それって、私が疲れ果てるまでやるって事かな? それとも私が疲れようとプリシラが疲れるまで続くのかな?
「にゅ、だめだってば」
プリシラの手が遂に胸の蕾を撫で始めて、体がゾクゾクし始めた。触られる度に快感が走り抜けて、ギュッと目を瞑って耐える。
「ねぇ、プリシラさん慣れてない? 女の人と良くするの?」
「まさか。女性の体を一番優しく扱えるのは女性ってだけよ」
胸の蕾を手でころころ転がされ、出そうになる嬌声を堪える。それを楽しそうにしているプリシラはきゅっと胸を摘む。
「ぁんっ······」
「ふふ、やっと可愛い声が聞けたわ」
「ばかぁ···」
自分でも声が甘くなっているのが分かって悔しい。しっかりしろ私の体!
指で先をすりすりされると体がビクビク反応して、嬌声が漏れ始める。
「ん、んー、にゃ、だめぇ」
体がふわふわしてきて、反抗したいと言う意志が体と乖離し始めた。その時を待っていた様にプリシラの手が私の下腹部に伸びる。
「や、ぁん、そっちは、やぁ···。だめなの」
「そっちってどっちかしら? 分からないわ? えい」
「ぁぁあ······、だめぁ······♡」
必死に声を殺し、甘い吐息と反応する体を押さえ込んで、何回絶頂させられたのか、何時間続いたのかもう分からない。
体がプリシラの手を求めて心も堕ちそうになる。
「もぅ、むぃ······」
「まだ続くわよー?」
プリシラが布団の中に潜って、下腹部に吐息がかかる。
「あ、らめらめ、そえはらめぇ」
足を閉じようとしてもプリシラの顔が既にあって、何もさせてくれない。そのままプリシラの舌が体に触れる。
「あ、あ、あぁぁぁああああ······♡」
「あはは、おいし♪」
もう何も考える事が出来なくなって、ただ時間が過ぎて行った。その間も休む間もなく体を悦ばされ、しまいに意識は途切れた。
朝、貞操がお亡くなりなった私は、隣で寝ているプリシラを見た。
むぅぅぅぅうう!
ダメって言ったのに! ダメって言ったのに! ダメって言ったのにぃ!
「プリシラさんのばかぁ!」
「いたっ、あぅ? あら、おはよう」
プリシラの頭をペシっと叩くと、プリシラが痛みで起きた。
「フェミダメって言ったのにぃ!」
「ふふ、そうね。途中で堕ちると思ったのに、最後まで頑張ったわね」
「バカバカバカ!」
「ごめんね。思ったより楽しくて」
「フェミ八歳だって言ってるのにー!」
お詫びにと、朝食はちょっと豪華になった。
今日は休みらしいプリシラが作ってくれた朝食は、柔らかいパンにベーコンと卵、サラダと前世では普通のメニューだが、この世界では平民が食べる朝食では無い。
「むぅ! おいしい!」
「なら怒った顔はそろそろ止めましょ?」
まだ私は怒っていた。女性同士だからアウト寄りのアウトだけどギリギリセーフに見えるアウトなのだ。いやアウトなのは間違い無いよ。下腹部はダメだって言ったのに!
まだ、まだ、まだ取り返しが付くと思いたい。
そう、まだ中は無事! だよね? 私が気を失った後で喪ってないよね?
「·········中は無事?」
「あはは! うん、無事よ。そこは流石にね、女の私が取っちゃダメだと思ったし、幼いと凄い痛いみたいだし」
「そう言う問題じゃないけどね!?」
良かった。取り返し付くよ。私はまだちょっと快感を知っただけの女の子。うん。ただそれだけ。
「うふふ、でも良かったでしょ?」
「知らない!」
「また欲しかったら来ていいからね。その時髪もお願いしようかしら」
ぐぅ、来ないと声を張りたいけど心のどっかが揺れているのが本当に悔しい!
朝食を終えて顔を洗い、貴族学校に向かう為に控え目なドレスを身に纏ってコートを羽織る。
「そうして見ると、本当に貴族なのね」
「そうだよー。プリシラさんは貴族様の体で遊んだんだよー?」
「あはは。悦ばせて差し上げたのよ?」
軽口を叩きながら準備を終えて、まだネグリジェのプリシラに仕返しを思い付いた。
プリシラの手を引いてベッドに戻り、エーテルドレスを起動してベッドに押し倒した。
「あら、着替えたのにしちゃうのかしら?」
「えへへ。うん。今度はフェミの番だよ」
まぁ、ヤるのは私じゃないけどね。
右手に魔力を集めて、前に私がリリカフェイトにリリアを下さいと言いに行こうとした時、リーフェが使っていた水の触手魔法を自動制御を組んで発現する。
「今日は休みなんだよね?」
「え、え、何これ」
「一日中、気持ち良くなって悶えてね♡」
二十時間くらい持続するだけの魔力を込めて、持続する限りプリシラを悦ばせる設定で生み出した水の触手は、すぐにプリシラの体に絡み付いて、その与えられた役割を果たすために動き出した。
「あ、あ、あ、だめ何これ、やぁん、ぁん♡」
「えへへ。楽しんでね? 今が朝の鐘鳴ったばかりだから、夜の鐘が鳴ってもまだ続く様にしておいたから。お漏らししても魔法が飲んでくれるから、安心してね♡」
「え、待って嘘でしょ、あぁん♡ だめ、これ凄いの、やめぇ♡」
うん。楽しんでくれて何よりだ。
嬉しそうな声をあげているプリシラを置いて、寝ているリーアを抱えてプリシラの家を出る。鍵のカードを扉に当てて、扉に付いている郵便受けみたいな口に入れた。
気絶するまで悶えればいい。ふふん。
ビークルに荷物を積んで、リーアを胸にしまい頭に入れた貴族区域を目指す。やり返して溜飲を下げた私は上機嫌でビークルを走らせた。
まぁ、たまーになら、遊びに来てもいいかな。
中央区域と貴族区域を仕切る壁に設けられた門に付くと、門番に許可証を見せる。
正門と同じ様に通り抜けようとすると、後ろから怒鳴り声が聞こえて打撃音がした。
振り向くと、紫の頭の貴族少年が平民の子供を滅多打ちしていた。
「その様な身なりでこの私の前に現れるんじゃないわ! 恥を知れ汚物め! 貴様など私に近付くことすら不敬であると知れ!」
どうやら、私が門番とやり取りしている順番を待っている時に、平民の子供が近くにいた事が気に入らなかった様だ。
貴族区域と平民区域を分けている理由が良く分かった。
私は誰でも助けるつもりは無いし、正義のヒーローやるつもりも無いが、単純に貴族が気に入らないので割って入る。
「もし、やり過ぎですわ」
「ふん、誰だ貴様は!」
「わたくしは、トライアス領主の娘、フェミリアス・アブソリュートと申します」
「領主の娘だと? 護衛を付けない領主一族など居るものか! 見よ、私は栄えある大領·········」
「あ、結構ですわ。大した理由もなく平民を痛め付ける様な者の名前など、耳に入れたくないので」
ふんぞり返って名乗ろうとした紫髪のバカ貴族をガン無視して、倒れた男の子の傍にしゃがみ、アナライズを使う。
足の骨にヒビが入り、肋骨が折れている。
「き、貴様ぁ! 私の言葉を遮るんじゃない!」
「お黙りなさい。大領地がどうか知りませんが、この者は王都の平民です。ランド王国をおさめる王の持ち物と考えれば、アナタは王に反逆した国賊ですわ。恥を知るのはアナタです」
ガチャガチャ煩い馬鹿の発言を一蹴して、茶色い短髪をした五歳くらいの男の子を背中に背負う。
そのまま門番の元に戻り、ビークルの荷台に寝かせる。
「貴族により王を支える民が不当に傷を負いました。治療をする為にこの者の貴族区域入りを申請いたします。責任はこのフェミリアスが負いますので、どうか許可を」
「あ、あぁ。しょうがないだろう。入寮自体は可能だが、部屋が使える状態か分からんぞ」
「構いません。それより、後ろの煩いのをお願いしても?」
「ああ、受けよう。アレは流石に見ていられなかった。よく止めたな」
「平民は街を支え貴族を支える大事な資源です。それを理解していない者に領地がどうなど関係ありませんので」
門番にバカを押し付け、貴族区域に入る。
後ろで何やら叫んでいるが知らない。今はこの子が先だ。意識は有るが五歳の子に骨折は超痛いだろう。大人でも泣くのに。
「大丈夫よ。すぐに治してあげる」
「うぅ、ぅ······」
門番に持たされた木の板に乗っている地図を見ながら、敷地内をビークルで飛ばす。
ホントはここで治しても良いんだけど、治療系のガジェットは誰にも見られたくない。
命に関わるアイテムは利権が怖い。正面から来るなら叩き潰すけど搦手は全部捌けるか分からないのだ。
貴族区域の中にある貴族街を抜けて、どっかの映画に出てくる魔法学校そのままって外見の建物の敷地に入る。
木札に書いてある地図の場所とも一致してるから間違いないだろう。
黒い魔法学校な校舎の横に走る道を抜けて、両国国技館を大きくして洋風にした見た目の白い寮に向かう。
たどり着いた寮の入口は病院の入口みたいで、入口横にカウンターがあって寮監らしき人が座っていた。
馬車の繋ぎ場も分からないので、入口の横にビークルを泊めて男の子を抱き上げた。
エンジンを切ってタイヤをロックしてから寮に入り、寮監に事情を説明する。
「挨拶を省略する無礼をご容赦下さいませ。わたくしはトライアス領主の娘、フェミリアス・アブソリュートと申します。貴族区域の入口で、王都を支える平民が不当に痛め付けられている所に遭遇致しまして、保護しました。わたくしの部屋で治療を行いたいので、案内をお願い申し上げますわ」
肋骨はまだ内蔵を傷付けて居ないけど、出来るだけ早く治療したい。
寮監は要らないことを言わないで、一つ頷くと私が入る予定の部屋に案内してくれた。
階段をスルーして扉の並ぶ廊下を歩き、途中の扉の前で寮監が止まって扉を開けた。
中はまだ設えられて無く、最低限の家具が準備されて居るがベッドにマットも入って無かった。
「ありがとう存じます。これから秘匿したい魔道具なども使うので、出来ればわたくし一人でお願い致します」
「分かりました。落ち着きましたら、改めて寮の説明をさせて頂きますので、入口までお願い申し上げます」
「承知いたしましたわ」
私の横を通って戻る寮監を尻目に、部屋に入り扉を閉める。鍵も閉めたいけどカードを貰っていない。
マットの入っていないベッドに男の子を寝かせて、ファクトリーを起動する。
訓練用ゴーレムが入った腕輪端末はトライアスに置いてきて、いま腕に付けているのは小物用の空きがある物で、治療に使う魔道具なら使用頻度も高そうだし、隠し場所は問題無いと確認して魔道具をロールアウトした。
ロールアウトしたのは、トワイライトスターで実際に使われていた医療用ガジェットで、テーサー銃みたいにワイヤー付きの針を撃ち出す道具だ。
その針から治療用に調整したエーテルを流し込み、キャラクターのライフを回復する衛生兵用のガジェットで、銃の撃鉄部分にあるモニターからある程度、エーテルを操作して簡単な手術も出来る物だが、ゲームと違って手術の知識が無いとそこまで使えないと思う。
でも、折れた骨の位置を戻して繋ぐくらいなら私でも出来るはず。
医療用ガジェット、『オペガン』を男の子のお腹当たりに撃ち込む。すぐにモニターを起動して半質量化したエーテルを操作する。
「ぐぅぅぅう······!」
「痛いけど我慢してね、絶対治すから」
まずは折れた骨の位置を元に戻し、向きも調整する。エーテルを糸状にして骨を繋いだ後、そのまま周囲の細胞ごと活性化させて骨を軽く再生させる。
「ふぅ、お腹の骨は治したよ。あと足ね」
「うぅ······、痛いよぅ······」
足にオペガンを撃ちなおし、ヒビをゆっくり再生していく。こっちは別に急がなくて大丈夫そうだから、五分くらいかけてゆっくり治した。
「もう大丈夫だよ。怖かったね。泣かなくて偉かったよ」
「······あ、えと······」
痛みが引いて、余裕が出来た男の子は初めて私を見てくれた。赤くなってそわそわしているが、そもそもこの子は悪くないので気にしなくていい。
「お姉さんは貴族だけど、アナタに酷いことはしないから安心してね。良く頑張ったよ」
男の子の横に腰掛けて、辛かっただろう男の子をきゅっと抱き締めてあげる。頭を撫でて、せめて今だけでも安心させてあげたかった。
「あの、えっと、恥ずかしい······」
「ふふ、酷いことされたんだから、優しくされないとダメだよ。いい子いい子」
汗とか汚れでゴワゴワしているけど、気にしない。生活水準の低いこの世界の平民ならこんなもんだろう。
でも折角なので、洗ってあげようと魔法を使って水をだして、男の子に目と口を閉じる様に言う。
水の渦が男の子を包んだ後に水は消えて、ビショビショになった男の子を風魔法で乾かす。
「これで綺麗になったね。ほら、ぎゅー」
「あぅあぅ······」
ひとしきり甘やかして、貴族区域を出ようと手を繋いで部屋を出る。
じっくり見れなかったけど、私の部屋には『アブソリュート』と名前が書かれていた。もしかして、来年はリリアも同じ部屋だったりするのかな? そうだったら良いな。
「治療が終わりました。寮の説明が長いなら、先にこの子を中央区域に送りたいのですが······」
「······そうですね、どちらにせよ部屋の準備が終わって居ませんので、ある程度の荷物だけ先に部屋に入れて、説明と案内は後日にしましょう。申し訳無いのですが、今日は貴族区域か中央区域で宿をお取りください」
あら、私もしかしてプリシラともう一泊? いや待て普通に宿で良いじゃん。なんで真っ先にソレが出たし。止めてよ期待してるみたいじゃない。
「分かりました。では荷物だけ」
「では使用人を呼びましょう」
「あ、あの、僕やる」
小さくなってた男の子が、にゅっと手をあげる。
「助けてくれた、お礼。お姉ちゃん。ありがと」
「ふふ、じゃぁお願いしようかしら」
男の子にビークルから荷物を少しずつ運んでもらう。重い物は無いけど、大量の布って重いから無理をさせない様気を付けた。
男の子が顔を赤くして、何やらモゾモゾしているので、ほっぺをツンツンして聞いてみた。
「いい匂いでもしたの?」
「あぅ、ごめんなさい。さっき、ぎゅって、されて、気持ち良くて······。同じ匂いがしたから、つい······」
「ふふ、怒ってないよ。フェミの匂い安心するのかな? 妹にも良く嗅がれるんだ」
「·········うん。おちつくの」
大人しくて可愛い男の子に荷物をだいたい運んで貰ったので、二泊分くらいの荷物だけ持ってビークルに乗った。男の子もほとんど空になった荷台に乗せて、来た道を戻る。
寮監には明日もう一度様子を見に来て欲しいと言われたので、明日の夕方くらいにもう一度来ようと思う。
もう紫バカが居なくなった門で門番さんにお礼を良い、男の子の状態を見せて外に出した。
明日もう一度来るとアポイントを取って男の子を平民区域の近くまで送る。
「じゃぁ、元気でね。あんまり貴族区域に近付いちゃダメだよ?」
「うん。あの、·········また会える?」
「中央区域でなら、会えるかも知れないよ。たまに来るつもりだから」
男の子に別れを告げ、どこかに宿を取り直そうと思いながらビークルを走らせると、何故かプリシラの家まで来ていた。
「············違うもん。フェミが使った魔法がどうなったか気になるだけだもん」
ビークルを停めて、荷物を取り出し、ビークルを端末に転送してプリシラの部屋の前に来る。
鍵を入れた郵便受けみたいな場所に魔法を使い、カードを引き寄せて扉に当てる。
「違うもん。違うもん。違うもん」
扉を開けて中に入ると、ムワッとプリシラの濃い匂いに包まれる。
部屋の奥からバッチリ可愛い悲鳴が続いていて、魔法はしっかり効果を果たしているみたいだ。
廊下を歩き、リビングのソファに荷物を置いてコートを脱ぐ。鍵もテーブルに置いて、置きっぱなしになっている食器が、プリシラがあれからずっとお楽しみなのを物語っていた。
プリシラの部屋に近付くにつれて、自分が残した魔法で生み出される嬌声が強くなっていく。扉を開けて中を覗くと、中にプリシラが居た。
「プリシラさん······」
「ぁん、ぁぁあ♡ ふぇみちゃぁん♡」
ダメだ、描写出来ない。これは無理だよ。
部屋に入り、手足を縛られて身動きが取れないプリシラの横、ベッドに潜り込む。
ひたすらメチャクチャにされているプリシラを眺めながら、ぼんやりしてみる。
「ただいま。たのし?」
「うん♡ ぁん♡ ふぁあ、すごいのぉ♡」
「うん。楽しそうで良かった」
ベッドの中、すぐ横でぐちゃぐちゃにされているプリシラに普通に話しかけて、暇を潰す。
「気に入ったかな?」
「ぁん、ぅん♡ もう、男いらなっ、ぁあん♡」
「······もっと強くする?」
「おねがっ♡ もっとぉ♡」
「もうフェミにイジワルしない?」
「しないからぁ♡ おねがぁい♡」
水の触手の本体に触れて、一気に魔力を流してみる。持続を強化するのじゃなく、動きを強化する様に。
「あ、あ、あ、あ、あ、ぁぁぁぁあああ死んじゃぅぁあ♡」
幸せそうな声を出すプリシラを眺めながら、時々会話をして、時間が過ぎるのを待った。