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もう魔王やめます。  作者: まさきえき
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序章:ここはどこ?08

どもども、稚拙で遅筆な作者です。あいかわらずののんびり更新ですが、お付き合いいただけたら幸いです。



 まず、魔法は4大基本属性について、それぞれに一長一短がある。火は攻撃特化の魔法である。その名の通り炎により攻撃が主だが、炎を起こす時に活性化が働く。これを利用し使用者の身体能力をアップさせる魔法もある。攻撃魔法の代表格と言えるだろう。次に水だ、予想通りだが回復や浄化を主に担う、癒しの魔法だ。攻撃も出来なくはないが水場がないと威力は半減するし汎用性は低い。次に風はカマイタチで敵を切り刻んだり竜巻を起こして吹き飛ばすなど単体・広域と使い勝手のいい魔法である。戦争の際には重宝がられるということで使い手が多い。ただし使い手が多いことで対策を取られることも多いということだ。最後は土だがこれは、防壁や建築に使われることが多いということだ。攻撃の際は岩を飛ばし守りも固めることが出来る。ただし、耐久度は使い手の力量にかなり左右される。防壁も作ったあとに補強することでようやく使い物になる程度ということだ。それにしてもゲームっぽいっちゃゲームっぽいな。ゲームの知識で大体あってるって不思議だ。


 土が四天王の中では最弱と言われるのも納得することができるな。とはいえ、これは運用上の特徴を書いたものであると注釈が付いている。あくまで現代での特徴だということだ。読み進めると過去の魔法使いはもっと柔軟な使い方をしていたが、いつの頃からかある程度型に入れた行使の方が汎用性があるという理由で詠唱が定型文化され今の形になったこと。それによりより多くの者が魔法を使うことができるようになり発展に寄与したことが記されていた。基礎の項の最後に魔法とはイメージする力がその効果の発現に重要であると締めの言葉で纏められていた。


「イメージね。」


 4大属性では攻撃力の低いものしか適性がない。闇と光の属性に関しては入門書には載っていなかったが注釈では基本は同じだということだった。基礎的な魔力を鍛えるのには瞑想がいいと書かれていた。瞑想って何をすればいいんだよ。したことねーし。


「自分の中を空っぽにすること、だと理解しています。」


 副官さんはそんなアドバイスくれたけど、空っぽにするってなんだよ。わかりづらいな。まずは本に書いてあることを実行していくしかないのか。差し当たって闇の魔導書(グリモワール)から読みすすめていくことにする。読みすすめて改めて思ったんだが、やはり目くらましや恐怖を煽るようなものが多い。そんな中で目を引いたのが影の中に亜空間を作り出し潜む影潜り(シャドウレイテント)だ。これって逃げる時や隠れるときにいいんじゃないか?あとは闇を作り出して視界を奪う暗闇(ダークカバー)、これで影に潜むことが出来ないだろうか。

 通用するかは別にしてとりあえず、これから覚えてみるか。







 それから3週間みっちりみちみち頑張った。もう毎日釘バットを振るい魔導書片手に魔法を行使。MPを使い切って寝て起きて釘バット、これを延々繰り返す。そろそろ副官さんの連れてくる魔物でレベルが上がりにくくなってきたと感じる。レベルもかなり上がっているのだが、火力が足りない気がしている今日この頃・・・。というか動いてない相手にレベルを上げてもそれって本当に強くなってるんだろうか?そんな疑問が頭をもたげてくる。元々戦いなんて縁がない38歳しがない会社員だ。おまけに今はジジイ。体は思うように動かない(最初に比べたらマシだが)し、勇者が来たら勝てるなんて思わない。そろそろ成果がほしい、自信を付けないと勇者が来たとき動けないまま瞬殺されそうだ。


 3週間のスパルタ学習でわかったことがある。魔法を行使するときに使用する詠唱というのは力に指向性を与えるためのものだという仮説だ。暗闇(ダークカバー)の詠唱だと、我が命に従い理の一端を改変せよ、我が敵となる者共へ我が姿を見せること許さず、光を見ることを禁ずる。となるまず、(マナがどう動くのか)(その効果の範囲指定)(何をさせるのか)の3つで構成される。もちろん、高度なものになると文節はさらに増える。これは基本的なものだが、それゆえに理解をしてしまえば簡単なものだった。この世界の詠唱は小難しい文言を並べ立てて格式を醸し出すような印象を受ける。もちろん、それで効果が上がったりするのならいいのだろうが。そんな疑問を副官さんにぶつけると、分かりやすい文でも魔法は使えることは使えるが小難しいほうが高い威力を出せそうだし、実際出せている。他には詠唱の内容でわかりやすければ対策を立てられてしまうからということだった。


 確かにそのとおりだ。わかり易ければ相殺も簡単だろうな。そうならない為の対策も必要となるか。そんなわけで俺の今のスペックだが・・・。


名前:ロッカク

性別:男

Lv:42

HP:1800

MP:3000(※※※※)

スキル:スキル:鑑定LvMAX リスニングLvMAX 隠蔽Lv6 水魔法Lv6 土魔法Lv7 闇魔法Lv6 光魔法Lv6

称号:ぼっち魔王 ストイック魔王




 いやー、HPとMPじゃ副官さんを超えているんだけど、それ以外のステータスは劣っている気がする。何せ、いつも背後を取られるし相変わらず魔物を倒すのには苦労する。大体、レベリングで強くなってるのはHPとMPだけだから単に死ににくくなったってことだろうか。副官さんみたいな動きはやはりスキルの賜物なのかな。


「副官さん、魔法以外のスキルってあるの?」

「えぇ、ございます。私が使う瞬歩や瞬動がそれに当たります。」

「ん?前にはそれっぽいのなかったと思うけど?」

「私も隠蔽を使っていましたので。」

「あー・・なるほど。鑑定も完璧ではないからなぁ。」

「いえ、それはまだ魔王様が鑑定を使いこなせていないということです。元魔王さまには私の隠蔽など無意味でしたから。」

「なるほど、レベルを上げるだけではダメってことか。なら熟練度があると思えばいいな。」

「熟練度というものがどういうものかわかりませんが、使いこなせるようになるヒントがあったなら幸いです。」

「あぁ、ありがとう。」

「ところで、もうかれこれ1ヶ月近く特訓しているんだから、そろそろ俺のことをロッカクと呼んでもいいんじゃないか?打ち解けるのも大事なことだと思うが。」

「魔王さまは魔王様です。それ以上でも以下でもありません。」

「あ、あぁそれはまぁ、そうなんだけどさ。」

「・・・。」

「そうだ、名前を付けよう!なっ!副官なんて呼ぶから他人行儀なんだよ!」

「え、いや、あのちょっと・・・。」

「よし、じゃぁちょっと考えてくるからまた後で!着いてきたらダメだから!命令ね。」

「魔王様!まっ・・。」


 そこでそそくさと別れて書庫へ逃げ込む。なんか、あからさまに拒否されてたっぽいけど勢いで名前付けるなんて言っちゃったな。そうなると真面目に考えておかないと後でなんて言われるかわからんな。例えもう1-2ヶ月しか猶予がなくても、仲良く終わりたいものだ。




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