序章:ここはどこ?05
残業続きで書く事もままならないです。稚拙なうえに遅筆ですいません。気長に待ってくれていたらうれしいです。
「あ~・・・今日も疲れた・・・。」
38歳独身、非リアの俺は六角誠二、彼女なし。身長は168cm、別段筋肉質でもない中肉中背、髪は黒髪。趣味に生きたいと思いつつ仕事に追われて余裕がない生活をしている者だ。とはいえ趣味とはゲームと料理を嗜む。最近作ってないんだよなぁ、はぁ。
仕事が終わり、残業で定時退社時間を4時間遅く家路につく。日はとうに暮れ、駅にはストリートミュージシャンも帰り支度を始めている。周りには人は居るものの皆足早に駅の前から家に帰るようだ。俺は別段待っている人が居るわけでもない気ままな一人暮らしだ。コンビニで立ち読みでもして帰ろうと駅前のコンビニに寄ろうとするが店の前に若者がたむろしているのを目の端に捉えた瞬間に立ち寄ることを止めた。昔からそういうのには何故か絡まれる性質だ。君主危うきに近寄らずだ。一人暮らしの家があるので一国一城の主、君主と言って差し支えないだろう。
腹減ったな。そうだ、家の近くの牛丼屋でいいか。うん、そう考えると無性に牛丼が食べたくなってきた気がする。自分にそう言い聞かせながら点々と続く街灯を結ぶように歩く。街灯と街灯の間の瞬間的な暗闇にビクビクしながら足早に次の灯りに向かって足早に歩く。
「しゃーせ~!」
コンビニの前にいたような若者が目の前で牛丼をよそってくれる。その手つきは手馴れたものでルーチンとなっている動作は淀みなく牛丼を完成させてくれる。ワンコインでお釣りがくるそのご馳走を片手に自分の住むマンションのエレベーターに乗る。元々、この中古マンションは結婚を予定していた彼女と住むつもりで購入したんだが直前になって元彼に寝取られるという形で婚約破棄となり、今じゃローンだけが残っているものだ。幸せから転落して借金人生だ。共働きのつもりだったから一人では少し・・・いや、かなり無理な返済計画を立てていた。だが手放すのも負けた気がして意地でも払ってやるっていう気持ちで残業に精を出す日々だ。
チン
目的の階に着いた。聴き慣れた到着音を聞きながら目を開ける。帰ったらゲームの続きして、飯食って寝るか。帰ってからの予定を考える。いつもエレベーターに乗るときは目を閉じてしまう。どうにもこの短い待ち時間でも疲れているためか考え事をしながら瞼が重くなるのだ。いつもは目を開けると見慣れた扉があり開くんだが、今回は違った。目の前にはコスプレ集団が、がなっていたというわけだ。そして自分はジジイに変身ということに・・・。
ハッ!
牛丼どうした?と周りを見渡しても記憶を探っても手に何か持ってたなんてことはなかった。あとで副官さんに聞いてみるか。
あとはこれからどうするか、まだ指針が出せずにいた。戦うのはダメだ、あんな魔法見て勝目なんて見えてこない。せっかくの剣と魔法のファンタジー世界なのに、それが自分に敵意をもって向けられると恐怖でパンツが濡れるぜ。逃げるにしてもどこに逃げる?山を越える?妖魔の村へ隠れる?どちらもダメだ。山を越えてもきっとすぐに包囲網が敷かれる。今の俺じゃ拷問一直線だ。きっと虱潰しに捜索される。妖魔の村なんてすぐに見つかるだろうし最悪皆殺し・・・かな。やっぱり詰んでるな。そら元魔王も逃げるわ。俺も出来ることなら逃げたいし。
戦わず、逃げず、・・・降伏か?これを選んだのは副官さんの例には上がらなかったな。これならどうだろうか?もしかしたらいけるか?ダメだった場合のリスクはかなり高いな。そのまま拷問一直線ってこともありうる。はぁ、もう打つ手思い浮かばん。
コンコン
「失礼します。」
「はい、どうぞ。」
「魔王様、結界の定期検査も終了いたしました。やるべき業務は終了しましたが、何か御用はありませんか?」
「あ、そうなの?なら自由に過ごしてもらって構わないよ。」
「かしこまりました、では失礼します。」
「・・・あっ、元魔王からの手紙貸しておいてくれる?」
「こちらは魔王様宛ですので魔王様がお持ちになっていたほうがいいかと思いますが。」
「そうか、なら貰っておくよ。」
「では。」
やっぱりクールビューティだが。俺なんて眼中にない感じだぜ、まさに業務以外の話はしたくない感じだ。昨日料理の時に必ず呼べと言ってから態度がより冷たい感じが増し増しだ。こっちの世界でも俺は一人なのね。いいけどさ。
さて、元魔王め。俺をこんなところに呼び出した挙句、手紙一通で説明を済ませようなんて虫が良すぎるぞ。こんな紙切れだけでどうしろと・・・ん?ステータス?なんだこれ。念じればいいのか?ステータスオープン!なーんつって・・・。うおぅ!出た!やっぱ魔王だから超絶チートがあるんじゃなかろうか!?それともステータスコンプリート済だったりして!?
名前:ロッカク
年齢:爺
性別:男性
Lv:1
HP:30
MP:25(※※※※)
スキル:鑑定Lv1 リスニングLvMAX
称号:ぼっち魔王
は?待て待て待て待て!レベル1!?俺魔王だよね?こんな弱々しいのなんで?爺だから?ってか年齢がジジイってどういうことだよ!端折りすぎだろ!こんなステータスならすぐに死ぬし外なんて歩けねーって!レベル1とか魔王城の周りの魔物にも小指で殺害されるやん。
「副官さん!副官さ~~~ん!!」
「ここに。」
「うわぁ!急に後ろから声かけんといて~!」
「失礼しました。」
なんでこの子は態々背後から声かけるのかね。と、今はそれどころじゃないな。
「ステータスのことなんだけどさ。これは副官さんもあるの?」
「はい、ございます。この世界は強さに関して数値化し可視化出来るようになっているそうです。」
「そうです?」
「以前の異世界より来られた魔王様がそのように話してくれました。私たちにはそれが当たり前なので特に疑問は持ってませんでした。」
「なるほどね、ところで俺レベルが1なんだけど・・・魔王ってこんなに弱いの?」
「いえ、元魔王様は私には推し量ることが出来ないくらいお強い方でした。」
「その肉体に召喚されたのに何でこんなに弱いの?」
「おそらく、この世界での魂の格ではないでしょうか。魔王様はこの世界に来て日が短いのでそこまでの格、つまりレベルを獲得出来ていないということだと思います。」
「この世界での格?それは時間に関係があるの?」
「元魔王様はそのようにおっしゃってました。」
たぶん、レベルは時間に関係はない。この世界での経験なんだろう。じゃないと長く生きた魔王が神の祝福がある程度の人間の勇者に負けることなんてだいだろう。神の祝福とかあるのか、何か効果があるのかなんて知らないが。
「ちなみに、副官さんのステータスはどうなってる?」
「私はこのようになっています。」
名前:副官さん(仮)
年齢:0才
性別:女性
Lv:50
HP:900
MP:600
スキル:風魔法Lv6 火魔法Lv6 雷魔法Lv2
副官さんパネェっすね!HPは俺の30倍じゃないですか。それだけ強けりゃ勇者なんてひと捻りじゃないんですか?
「勇者は魔族に対して特化した攻撃能力を持っているため、私程度では足止めにもなりません。」
「顔に出てたか。でも、よくこれだけの戦力差で挑もうとするやつばっかりだったなぁ。常識的に考えて勝てんでしょ。」
「そこは、その余裕なく戦闘に突入したというのが過去の魔王様の敗因だと思います。実際、単体で勝てないと判断された方々はほかの手段を講じていました。」
「それにしても副官さんは0歳になってるのは稼働してからの時間で表示されてるのか?」
「はい、私は意識は共有していても肉体や魂といったものはまた別ですので。」
「ということは、肉体のレベルだけをそれだけ引き上げて保存しているってことか。とんでも技術だな。これまで何回くらいこんなことしてるんだ?」
「・・・正確な数は忘れました。もう数百回は繰り返しています。」
「そんなに!?・・・なら結構こういうやり取りは飽きた感じなんじゃない?」
「そうですね、皆さん似たような行動を取られます。ただ当代の魔王さまはそういうことはまだないですが。」
「似たようなか、玉砕か逃げ、だもんな。数百回同じことを繰り返す副官さんはどうしたら生き残れると思う?」
「その話題は禁則事項にあたるのでお答えできません。」
「ん?禁則?そんな制限があるのか?」
「はい、元魔王様よりいくつか制限を設けられています。」
「その制限を教えてもらえる?」
「それも禁則事項です。」
「そう、か。・・・なら俺は生き残ったら不味いのか?」
「お答え出来かねます。」
「俺は元の世界に変える方法があるか?」
「お答え出来かねます。」
「元魔王はどこにいる?」
「存じ上げておりません。」
「スリーサイズは?」
「上から88、60、87です。」
「ぅわお、ナイスプロポーション!」
「・・・。」
「・・・ごめんよ。」
「いえ。」
氷のような目で見られてしまった。これはドMならご褒美だな。違うけど、マジで。とはいえ、喋れないことが結構あるみたいだ。しかも彼女の意思とは関係なくだ。触れられるとマズイ話題なんだろうな。生き残れるかどうか元の世界への帰還方法、元魔王の居場所。ほかにも出てきそうだ。
生き残れるかを言わないのはその可能性が限りなく低いか、生き残ること自体が不味いのか。まぁ生き残ると捜索されるだろうから身を隠している元魔王からしたら分かりやすい形で死んでほしいんだろうな。そのためにレベルも最弱にしてあるようだし。
次に帰還方法だ、これについても答えてはくれない。帰る方法を餌に頑張らせることも可能だがそれをしないってことは・・・帰る前提でこれからの計画を立てることは難しいか。今教えてくれないならこれからも教えてくれることは望みが薄いか。それを訪ねに行くにしても元魔王がどこにいるのかもわからないときたもんだ。なんだよ、無理ゲーやん。
ほかの方法を探るしかないのか。




