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第二話 下北沢パラドックス  作者: 波多野 成一郎 (前田智彦)
第1章 止まったままの時計
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五つ葉のクローバ

 2202年に戻りましょう。ここでは、小山内とMinakoGarciaが、ホログラムTVを見ながら、話しをしている。


「このロジャースってのは、なかなか頭がいいね、しかもカッコいいしね。」


小山内が言うと、すぐに、MinakoGarciaが話を始めた。


「でしょ、でしょ、いいでしょ。ジョニーって、ちょっと変だけども、やさしいのよ。仕事でも一緒にとています。いろいろ教えてくれて、私たちはいいコンビで~す。」


ロジャースの事を話すときの、MinakoGarciaは、とても嬉しそうにな感じであった。つまり、MinakoGarciaの彼れあった。彼の話を沢山してくれたのであった。小山内は目をほそくして、話を聞いていた。自分の娘と話しているように思っているのでした。しかし、ホログラムTVのロジャースは、MinakoGarciaが言っているような感じではないように思えた。そして、マイクを持つ手には五葉のクローバをあしらった指輪がはめられていた。


「MinakoGarciaさん、そのリングはどうしたの。」


そう、MinakoGarciaも同じリングをしているのであった。


「ああ、これですか。アメリカ科学大学の博士号卒業式で、毎年トップの人には、このクローバのカレッジリングをもらえるのです。」


「なふほど、君は、科学大学でトップだったのですね。そして、科学環境庁で仕事をしているという事ですね。それで、ロジャースもこのリングをつけていますね。二人とも、テクノクラートなのかもしてませんね。」


小山内の考えは、いつもここになってしまうであった。


「小山内さん、そのテクノクラートって何ですか。そういうのに加盟したことありませんよ。」


「そうですか、もしかしたら、自分は分からなくても、テクノクラートになっているのかもしれない。シナプス・パターン・リビルダって、私は危険なものであると思っていますよ。これを作った君は、自分は思っていないが、テクノクラートになっているのかもしれない。ロジャースもそうかもしれなよ。」


MinakoGarciaには、わからない話であった。小山内は何をいっているのか、なぜ、こんな事を言うのか、と思っていた。


「小山内さん、そのテクノクラートって、どんなものですか教えて下さい。私の仕事と何か関係があると思っているのですよね、シナプス・パターン・リビルダの仕事は、ロジャースがもらってきたものです。あの時はイブでしたね、とても嬉しい日でした。まさか、ロジャースが私のことを、思っていたなんて。あのときは、父が亡くなった後で、心にぽっかり穴がある状態でした、悲しいだけの毎日でした。ロジャースの愛によって、私は生きることができるようになったのです。そして父のような小山内さんに会えったことで、昔のような楽しい毎日をすごすことが出来ます。」


小山内も、自分の娘のように思ってきたのであった。


「今日、初めて会ったのですがね、私のことをそう思ってくれますか、ありがとう。私もMinakoのことを娘と思っていたいので、とてもよかった。」


 そして二人は、シナプス・パターン・リビルダの話にもとって、


「2180年頃から犯罪件数はうなぎのぼりとなっていたようですね。景気と違って右肩上がりが歓迎されるわけはなく、増加する受刑者による刑務所不足の対策として、服役期間短縮が緊急に決定された。当然の結果として出所後の再犯罪増加につながり、治安は悪化する一方となっていった。更に、平和ボケの一般市民は司法体制の非難を始め、メディアが政治批判をあおる日常となっており、治安維持環境は日々ひどい状況になっていった。このような社会背景が後押しして、受刑者が確実に短期間で、社会良識を身につけられる画期的な更生手段として、シナプス・パターン・リビルダが開発され、採用されるに至ったのです。」


「それにしても、そんなに丁度いい技術ができるなっておかしいですね。しかも、この技術は、開発するにはとても難しいものですようねえ。ちょうど科学環境庁にMinakoが入って、技術を持っているなんて、なんかおかしいです。」


 この時、小山内は別の考えを思っていた。どんなに強靭が精神や肉体を持っていた凶悪犯罪者でも数日後には自分の脳の判断組織が勝手に変化してしまう、これは洗脳ともいえる行為である。さらに、これまでの政治判断は明らかに間違った判断の連続で、シナプス・パターン・リビルダを採用させるための強引な誘導政策であると小山内は考えていたのだ。昔、ケインズから言われたことを思い出したのであった。


「小山内君、ダイバーシティ(=多様性)という言葉があるが、これは自然界を維持する基本原理なのだよ。例えば、世界が単純なある一点に向かって収束的な動きをしようとしても、人類は決して収束できない。常にある一定のストレンジアトラクタの範囲でゆらぎが維持されるものなのだ。特にバランスの上に成り立っている国際政治においては、各国の政治判断が同調することなど、自然体系の中ではありえないのだ。もし世界が単一の収束地点に向かっているとすれば、これこそテクノクラートの存在を見極める最も確実な方法だ。」


とは親友ケインズの言葉であった。(ケインズの言ったとおりだ。奇妙なことだが、過去のテクノクラートの侵略と全く同じことが行なわれている。)


 小山内が懸念しているのは、この点であった、テクノクラートがやっていたことと似ているということである。明らかにおかしな判断が世界中でまとまった一点に向かって収束された決断がなされている。まるで各国の閣僚が全てテクノクラートに置き換わったかのようである。しかし、いつもながら、テクノクラートが政治に加担すると、なぜか世界はおかしな方向へと向かう、とても人類として正しいとは、いえない結末となる。(これほどまでに、テクノクラートは私利私欲に凝り固まっているのか。中には、まともなテクノクラートがいてもいいものではないか。)というのが小山内の考え方であった。しかし、小山内の希望的観測とは反して、懸念した事態が世界中で起こっていた。


 小山内はテクノクラートの存在を感じているのであった。MinakoGarciaもテクノクラートであるように思われていた。


「Minakoさん、あのタイムマシンがまだどこかにあって、シナプス・パターン・リビルダをマイクロマシンに搭載して過去に送りつければ、一般市民の行動を制御することが可能となってしまう。そして強制的に都合のよい夢を見せれば、過去の人間は自分が予知能力を身につけたとでも思うだろう。あとはほっておいても、テクノクラートの価値観に従った、思惑通りの行動をするようになってしまうぞ。」


「小山内さん、言われていることはよくわかりますが、タイムマシンってどこにあるのでしょうかね、ちょっとムリがある話ですね。」




 小山内は、科学環境庁全体がテクノクラートではないのか、と思ってきた。


「Minakoさん、科学環境庁長官のハーベスね、こいつはテクノクラートだと思うよ。」


ホログラムTVでは科学環境庁の研究スタッフのジョニー・ロジャース博士が機能の安全性について説明しているところであった。小山内はハーベスの過去をどう調べようか考えていた。ふとホログラムTVに目をやると、ジョニー・ロジャース博士がにこやかにインタビューに応じようとしていた。


 小山内は、ハーベスが歴史上のどこから出てきたのかを調べ始めた。"出てきた"というのは、生まれた日という事ではない、未来から突然に出てきた、という事である。そして、MinakoGarciaにテクノクラートのことを教えようとしていた。


「テクノクラートは未来からの侵略者である、自分の出生履歴は過去にはない。ある日突然、人類の形で存在してくるので、過去が見つからないのである。だから、過去が分からないなら、その人がテクノクラートである可能性が非常に高い。」


ハーベスは元下院議員であり、議員になる前の経歴は、ハイスクールの数学の先生をしていたことになっている。高校の先生レベルから下院議員になるには二世か余程のパトロンが必要である。ハーベスにそのようなパトロンがいるとは思えないし、二世でもない。先生として偉大な業績を残した、などの有名先生というわけでもなかった。カリフォルニア州立大学アーバイン校卒業となっているが、このあたりの記録が不明であった。小山内は、MinakoGarciaに話しかけた。


「大学以前の記録はまったく見つからなかった。やはり、こいつがテクノクラートだな。あとは、ハーベスが過去のどの時点に行ったのか、テクノクラートの位置を特定することとなった。テクノクラートは貪欲で小心かつ粗放であると小山内は考えていた。」


「小山内さん、確かに、ハーベス長官は、おかしいと思われます。でもロジャースは、そうではないと思いますよ。」


「そうかなぁ、そうなら良いがね。さて、ハーベスの金づるを捜査してみるかな、まあ、いいかげんな処理をしている怪しいルートが出てくるだろう。」


小山内は、自宅のコンピュータから、世界政府の公安情報システムへアクセスし、マイクに向かって話し始めた。


「小山内09105」


そして、小山内の左目を赤い光がスキャンした。公安情報システムへアクセスするためには、音声認識と承認番号、そして生体網膜パターンが必要であったのである。すぐにコンピュータが返事を返してきた。


「ボイスコードヲショウニンシマシタ。オサナイエイジアクセスヲキョカシマス。」


小山内は、公安システムに向かって話し始めた。MinakoGarciaは、びっくりした。





「小山内さん、公安情報システムに入れるのですね、どういうことですか?あなたは、どういう人ですか?政府の人なんですね。」


「まあ、そういうものでもありますね。まずは、ハーベスの事を調べてから、私の事を話しますね。」


公安情報システムが、話し始めました。


「世界主要銀行の口座履歴を照会。過去50年間のデータをメモリロード。

 ロードカンリョウシマシタ。トリコミジョウケンヲセッテイシテクダサイ。」


「入金履歴が1億ドルを超える、送金元が法人、アンド、入金前年度の配当が無配。オール、抽出。」


「ガイトウケンスウはゼロケンです。」


「過去100年間のデータをメモリロード。オール、抽出。」


「ガイトウケンスウはジュウサンケンです。」


「法人名をプロジェクタへ表示。」


「ガイトウホウジンはヨンシャデス。」


小山内は、表示されたリストを一目見て、にやりとした。


「2103年、世界9カ国の議員へ7000万ドルずつという、巨額の献金が行なわれており、その献金元企業というのが、サンノゼ・プラスティクス社です。前年度決算が経常利益15億ドルの損失を計上しており無配当となっていました。この時期にこんな巨額の献金ができるほど会社にキャッシュはなかったはずである。」


さらに小山内にはピンとくるものがあった。2103年、これは小山内がウルトラ・シンクロトロンでの時空跳躍理論の実証実験に成功した2095年からわずか8年後の事である。そして、そのウルトラ・シンクロトロンの前身となる、スーパー・サイクロトロンは、日本の徳井電子工業の高橋博士率いるプロジェクトチームとサンノゼ・プラスティクス社の共同研究の成果であった。


「サンノゼ・プラスティクス社だって、あのスーパー・サイクロトロンか。」


小山内はここで自分とテクノクラートがつながったことを確信した。サンノゼ・プラスティクス社の情報は、しかし、ほとんど見つからなかった。故意に削除された可能性が高かった。100年前の企業の話である、市場情報もほとんど見当たらなかった。しかし、スーパー・サイクロトロンは当時画期的な設備であったはずで、建設に成功した米国にその記録が全く無いということはない。


「まずは、ウルトラ・シンクロトロンから調べてみましょう。」


小山内は、国家プロジェクトの記録を調べたが、サンノゼ・プラスティクス社に関する詳しい情報は無かった。ウルトラ・シンクロトロンはサンノゼ・エレクトロニクス社が開発したものであった。サンノゼ・エレクトロニクス社は、小山内とMinakoGarciaがいる2202年にも存続していて、米国西海岸にある世界有数の電子メーカである。社史もきちんとデジタル化されて保存されている。ウルトラ・シンクロトロンの研究についても、きちんと残されていた。しかし、ウルトラ・シンクロトロンとサンノゼ・プラスティクス社との関連は分からなかった。小山内は、サンノゼ・エレクトロニクス社のウルトラ・シンクロトロンの研究履歴をつぶさに照会していき、当時の議事録を閲覧するに至った。専門用語で難解な議事録であったが、もともと小山内の専門分野である、その中から決定的な内容を見出すことができた。


「MinakoGarciaさん、これだよ。」


同時に、各国の国防システムにアラームコード390が表示されていた。アラームコード390、これは内部関係者による極秘情報の不当アクセスを意味していた。情報システム犯罪が一番の危機管理項目であり、内部関係者の犯罪がもっとも確立が高く、最も重罪とされていた。この時点で、問題となったのですが、犯罪となったことではなくて、もっと問題な事が出てきたのである。


 何かといいますと、2202年にはいない小山内が、世界政府にたいする国家反逆罪の嫌疑をかけられたことになるという事です。そして、小山内の情報は世界政府公安システムを通して、各国のセキュリティシステムへ重犯罪者容疑者として配布されるはずであった。ところが、小山内はもともと世界政府樹立に関与した重要人物であり、個人情報はトップレベルのシークレット情報である。もっとも、今の小山内はクローンであり、実態が歴史上に存在しないため、存在が外部に漏れること事態が、世界政府としては最もつごうが悪い事態となるのある。

 各国のセキュリティシステムに向けてアクセス拒否が発信されていた。各国の保安に致命的な影響を与える危険性があるとされる重犯罪者が発生したと警告したにもかかわらず、容疑者の内容は非公開となったため、各国の世界政府に対する非難集中は避けられない、そもそも世界政府自体がなぜこのようなことになったのか把握できていない状態である。

 世界政府はシステムエラーであると判断し、セキュリティロックを解除。しかし、時遅く、小山内の情報は世界へ重犯罪者として指名手配されてしまった。もちろん、"捕獲レベル1、生体捕獲不可能な場合は各国の判断に委ねる"という条項つきである。つまり、逮捕できなければ殺してよいという意味である。しかし、すでに死んでいる人の情報であるから、エラーであるという判断としたのであった。


 小山内は、調査を続けていた。そこには、スーパー・サイクロトロンの参考文献として、100年前の原子分離装置に関する論文という記述があったのである。早速その論文を資料検索したが、ヒットするものは無かった。こんな重要な参考文献は必ず、米国科学技術データベースに保存されているはずである。


「Minakoさん、テクノクラートが故意に情報を操作しているね。多言語類似論文サーチを行なってみるか、論文というものは、参考文献に関係論文が出ているでしょう。」


膨大な量の類似検索の結果のなかから数件ヒットするものがあった。この論文の著者を見て小山内は驚愕した。


「これは!サイクロトロンの高エネルギー連続加圧に関する論文だって、しかも、著者は徳井電子工業専務取締役高橋悟、長音波診断装置で東洋軽金属の名前も謝辞に掲載されているじゃないか。」


小山内の記憶とは違った事実の発見に、小山内自身が興奮していた。


「スーパー・サイクロトロンと高橋の名前がつながった。」


しかし、事態は小山内の思いとはまったく違った方向への展開となってしまった。徳井電子工業は190年前の2012年に倒産しており情報はつかめなかった。更に、日本の国家プロジェクトにスーパー・サイクロトロンのプロジェクト計画書が残っていたが、ここには東洋軽金属と徳井電子工業の共同プロジェクトとある。そして、ついに見つけたのである。2100年に東洋軽金属はサンノゼ・プラスティクス社と共同研究をはじめ、3年後に研究の権利を譲渡している。

このときの譲渡金額で東洋軽金属は倒産を免れていた。


「高橋とは、私の父です。徳井電子工業の役員で、博士でありました。でも、このプロジェクトでは、徳井電子工業の役員だけになっている。おかしい、ここらあたりが、テクノクラートとの接点であることが分かってきましたね。」


小山内の記憶では、アメリカのウルトラ・シンクロトロンはサンノゼ・エレクトロニクス社の研究したものであったが、その元となるスーパー・サイクロトロンを開発したのは、日本の徳井電子工業の高橋博士です。サンノゼ・プラスティクス社は、研究には入っていません。建設に携わっただけであった。しかし、2202年では、この過去については、サンノゼ・プラスティクス社の研究員ジェニファー・スミスが発明したことになっていた。


「やはりな、ここから狂っていたのか。しかしどうやって、高橋を博士でなくしたのか、これを解明しなくては。」


「え、どういうこと。この高橋さんって、小山内さんのお父さんなのですか、こんな100年以上の昔の人が、お父さんとはならないでしょう。」


「Minakoさん、後から私の事を説明しますね。」


100年以上も前の話である。2202年である、いまの小山内の時代には、ジェニファー・スミスを知っている人間はいない。そして、サンノゼ・プラスチックス社はその20年間の社史が抜けていて記録がなく。高橋が関与していた20年間の記録が小山内の周りから確実に、意図的に削除されていたのであった。もはや、テクノクラートの仕業であることは、決定でと思っていた。




 Minakoは、小山内に話したいことがあった。まずは、小山内の話が終わったらと思っていた。


「ハーベス長官とのつながりを証明しなくてはならないな。ハーベスはやはりナノタイムマシンを持っているね。そして各国の閣僚に入り込み国策を操っている。もしかしたら、閣僚自身がすでに、シナプス・パターン・リビルダによって洗脳されているかもしれない。これは、ハーベスが長官になるためだけではないな。ハーベスはこれから世界政府総裁に上り詰めるつもりかもしれないな。」


「小山内さん、このようなすごいことを、ハーベス長官は一人ではできないと思います。」


「科学環境庁自体が怪しいな、科学環境庁の職員全員がテクノクラートという可能性もあるな。190年前の徳井電子工業の倒産原因は景気によるものであったが、社長の飛行機事故がひきがねとなっているようだ。この事故はおそらくテクノクラートの仕業だろうな。エンジンにナノマシンが入り込んだのだろう。これなら、テクノクラートとの接点があることになるな。歴史を修復すれば、関係しているテクノクラートは、ハーベスも含めて、一掃できるぞ。」


「小山内さん、私は、高橋悟さんを知っています。」


「ええ、何を言っているの?」


Minakoは、科学環境庁の職員全員がテクノクラートでないか、と思うようになった。そして、高橋のことを知っていることを説明しようと思った。


「小山内さん。先週のことです、私は、シナプス・パターン・リビルダを使っていまして、犯罪者に入れるデータを見ていたのです。このとき、何故か寝てしまったと思っていました。」


「何故かっていっても、大変な仕事だったからじゃないの。」


「いままで、そう思っていました。小山内さんの話を聞くまでは、ただの夢と思っていました。私が、日本にいるような夢でした。」


「その、日本にいたとう夢ってどんな内容ですか。」


「はい。日本の下北沢という場所です。そこにある、喫茶店でバイトしている自分がありました。そこでは、MinakoGarciaではなく、母が考えた日本名となっていて、美名子という名前でした。」


「美名子って、いい名前ですね。そして、リアルな夢ですね。」


「そうなんです、とてもリアルで、毎日夜に来る人が、高橋悟という人でした。彼は、事故を起こして、奥さんを亡くしていました。子供は病院にいますが、とても大変な状態でした。」


「Minakoさん、それでは、私の父ではありませんね。事故でお母さんを無くしてないですね。亜紀奈という名前です。」


「え、小山内さん。私の夢にいた高橋悟さんの奥さんは、亜紀奈という人でした。お嬢さんは布裕美という人でした。そして、高橋さんは東洋軽金属に勤める営業マンでした。」


「Minakoさん、これは、夢ではないですね、全ていたひとです。下北沢も本当にある場所です。」


「小山内さん、でも夢のようなこともありました。お客さんには老人もいましたが、顔がロジャースに似ている人で、科学大学の五つ葉クローバのリングをしている人がいました。」


MinakoGarciaは、この高橋さんのことを忘れることができないのであった。高橋さんの亜紀奈さんへの愛を感じていたからでした。


「私しも、亜紀奈さんのように、愛されたいですね。」


「私は、お嬢さんである、布裕美を愛している。私の妻です。」


「小山内さん、100年前の話です。今の話ではありませんよ。」


これで、小山内の考えが的中していたこととなったのでした。過去が変わっているということであった。人間なら過去が変化したら、記憶も変化するものである。しかし、小山内はクローンなので、過去ではなくてただのデータなので、変化するものではなかった。




 ロジャースが高橋の研究を阻止し、何かをやっているようであった。そして、MinakoGarciaを愛しているのではなくて、研究おために近寄ったようであった。MinakoGarciaは高橋にもういちど会いたいと思っていた。そして、2061年の高橋と会えることができるのでした。

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