第十九話:新世界の胎動、あるいは筋肉と愛の円舞曲
魔神の脅威が去り、アレスガイアからの大移住が完了したレムリア大陸。そこには、かつての絶望が嘘のような、混沌と活気に満ちた新時代が到来していた。
一、 教育と国家の基盤
アマリリス理事長率いる**「レムリア魔法・騎士学園」**は、瞬く間に世界の教育の頂点へと上り詰めた。 一学年100名、クラスによる格差を一切設けない実力と個性の殿堂。そこにはリリーの複製魔法によってアレスガイア側にも同じ校舎が建てられ、風紀委員長ゼクスが学長として、三大幼女のいない世界で「秩序」を守り続けている。
ヴァランタン公爵家とボルト伯爵家は、その爵位を維持したままレムリアの重鎮となり、新世界の政治を支える柱となった。
二、 扶桑の再興と「愛」の形
魔神に滅ぼされた東方の地に、新たな**「扶桑」**が建国された。 初代国王(天皇)にはシオンが即位。彼はついに長年のパートナーであったカエデにプロポーズし、彼女は涙ながらにそれを受け入れ、初代王妃(皇后)となった。玄は征夷大将軍として、国の守護を担う。
そして、この地で「SU・MO・U」は正式に**「相撲」**へと名を改め、国技として認められた。
【ドスコイとボリスの契り】
千秋楽の夜。ドスコイは、逞しく成長した横綱ボリスを土俵の裏へと呼び出した。 「……ボリス。あんた、私の厳しい稽古によく耐えたね。あんたの筋肉、今はもう、私の理想そのものだよ」 「女将さん……。俺は、あんたを土俵の上だけで見ていたくない。俺を一生、あんたの『専属力士』にしてくれッ!」 「……フフ、ごっつぁんです。あんたの突っ張り、プライベートでも受け止めてあげるよ」 こうして、魂のホモ(女装)であるドスコイは、真の漢ボリスと結ばれた。
【バルトと玄の奇妙な縁】
一方、ドスコイを追って扶桑へやってきたバルトもまた、玄にある「提案」をしていた。 「玄様。私はドスコイ様を愛しています。ですが、ドスコイ様はボリス様を選ばれましたわ……。ならば、ドスコイ様が愛した貴方と結ばれれば、私は間接的にドスコイ様の愛に触れ続けられる……! 貴方、私の夫になりなさいッ!」 「……相変わらず無茶苦茶な理屈よ。だが、わしも女の涙と、お主のその真っ直ぐな執念には勝てぬ。……よかろう、お主の『間接的な愛』、わしが受け止めて進ぜよう」 バルトと玄。ボルト家と扶桑を結ぶこの姻戚関係により、両国の絆は鋼よりも硬くなった。
三、 筋肉の聖域とロリの王国
教皇とアンソニーは、さらに北方の地に**「セレナ聖王国」を建国。 初代女王として君臨したのは、教皇こと「聖女マッスル一世」**。彼女とアンソニーによるボディビル対決は、もはや神事として各国へ輸出され、レムリア全土をオイルの輝きで包み込んだ。
さらに、アレスガイア王国も新天地で独立。初代国王エドワードを、ポークミート公爵が支える盤石の体制だが、そこには**「ロリを愛せ、ただし観賞のみ(ノータッチ)」**という謎の国教が広まった。デブとガリによる執念の結実である。
・・エピローグ・・
リリーは、新しく建てられた学園の屋上から、平和に動き出した世界を見渡していた。 アレスガイアの頃のように女神アフロヘーアが頻繁に降臨しては引っ掻き回すこともなくなり(彼女は今も神界でアフロを固定されている)、セレナの慈愛に満ちた静かな加護が世界を包んでいる。
「……さて。世界も落ち着いたことだし、次はルシウスにどんな新しい魔法を教えようかしら?」
神となった最強の賢者は、今日もまた、愛する弟と騒がしい仲間たちのために、そっと指先で因果の糸を弾くのであった。
第三章 勇者召喚編 完




