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第三十四話:帝都集結、あるいは「忍び寄る刃とパープルの衝撃」

帝国領内へと足を踏み入れた二つの勇者パーティー。しかし、その道程はまさに「明暗」分かれる結果となった。


・・西方の激闘:名勝負、一人と一匹・・


西側の山道を北上していた扶桑パーティーは、国境を越えるなり魔物の大群に包囲されていた。 「な、なんでござるか、この魔物の数は!? 歓迎の挨拶にしては無作法が過ぎるでござるよ!」 シオンの刀が閃くたびに魔物は錆となり、楓のクナイが急所を貫く。だが、その凄惨な戦場の一角で、異様な光景が展開されていた。


「はっけよい、のこったぁ!」 玄とドスコイ(♀)が、巨大な熊型モンスターを相手に相撲を挑んでいたのだ。 玄は熊の鋭い爪を無造作に掴み取ると、豪快な上手投げで巨体を地面に叩きつける。一方のドスコイ(♀)は、自慢のぶちかましで熊をよろめかせるも、女子の体ゆえの筋力不足は否めない。


ドスコイ(♀)と熊は、がっぷり四つに組み合った。ドスコイはまわしを探すが、熊は当然ふんどしなど履いていない。一分以上、両者一歩も引かぬ膠着状態。もはや語り継がれるべき名勝負だ。雪原に散る汗と、互いの魂が削り合う音だけが響く。 「……おなごにしておくのは、もったいないのう」 その不屈の執念を目の当たりにし、玄の心にドスコイへの確かな「認め」が芽生え始めていた。


・・中央街道の「静寂」:聖女、再び絶叫を浴びる・・


対照的に、教皇一行の旅路は極めて順調であった。街道に魔物は現れず、のどかな田園風景が続く。 だが、その平穏も数日後に現れた村で終わりを迎える。


「……あら、のどかな村ですわね。皆様、挨拶は女子力の基本ですわよ」 教皇がウィッグを整え、パープルの下着を透かせた聖女ドレスで村の門をくぐった、その時。


「へ、変態だーーーーー!!」


これまでに何度も聞き慣れた絶叫が、帝国の空にこだました。結局、勇者一行は村の自警団に槍を向けられ、休息もそこそこに追い出される羽目になった。


・・帝都の夜:すれ違う情報収集・・


数日後、両パーティーはついに魔都・帝都へと到着する。だが、目的は「皇帝の首」。不用意な行動は命取りになるため、まずは酒場での情報収集から始めることとなった。


【王都パーティーの悲劇】 教皇はどこへ行っても変態呼ばわりされ、挙句の果てには複数の酒場から「出禁」を食らい、宿で留守番を命じられた。ルシウスも「ガキが来る場所じゃねえ!」と追い出され、結局、実戦経験豊富な『天駆ける双星アストラル・バイナリ』の二人が夜の街へと消えていった。


【扶桑パーティーの地獄】 一方、玄はさらに悲惨だった。聞き込みをしようにも、後ろには「ふんどし担ぎ」のようにドスコイ(♀)が控え、さらにその背後をバルト(♀)が付き従う。女二人を侍らせて酒場を飲み歩くその姿は、あまりにも目立ちすぎた。 「耐えられん……わしはもう宿から出んぞ!」 玄は早々に引きこもりを決定。ドスコイの突撃を懸念したシオンも部屋に残り、情報収集は「くのいち」である楓一人が請け負うこととなった。


・・決行の夜:仮面舞踏会の暗闘・・


楓、そしてボルダーとカイトが持ち帰った情報は一致していた。 「数日後、帝国城にて大規模な祝賀パーティーが開かれる」


多くの貴族や招待客が入り乱れるその夜こそ、潜入の絶好機。 二つのパーティーは、互いの存在を知らぬまま、同じ日に皇帝の首を狙う「暗殺計画」を策定した。


教皇は宿の鏡の前で、エメラルド、ブルー、パープル、どのアダルトな色が潜入に相応しいか真剣に悩み、シオンは静かに刀を研ぐ。


運命の夜まで、あとわずか。

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