表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/53

第八話:歪んだ覚醒と、生徒会の呼び出し

女神アフロヘーアの扇子が、エドワード王子の額とガスト公爵令息の額を、目にも止まらぬ速さでパチンと叩き上げた。


『いい? アンタたちのそのひん曲がった根性、この私が「真っ直ぐ(?)」にしてあげるわ! 女神の特製エナジー、注入よぉぉ!』


女神の手から放たれたのは、眩いばかりの黄金の光。それはかつて教皇マッスル一世を覚醒させた「筋肉至上主義」の熱き奔流。ガリとデブの細い(太い)体に、強制的に「漢の美学」が流し込まれていく。


「ぐわぁぁぁ! 何か……熱いものが、僕の股間に……否、魂に漲るぅぅ!」 「ハァ、ハァ……殿下! 私の脂が、なんだか筋肉に恋をしているような感覚に襲われておりますぞぉぉ!」


光が収まった後、そこにいたのは、瞳の奥に「上腕二頭筋」のような輝きを宿した二人の少年だった。


・・闇の深淵:ハイブリッド・変態・・


しかし、女神の力をもってしても、彼らの「深淵」を全て塗り替えることはできなかった。 リリーとミリィが呆然と見守る中、ガリとデブは、先ほど自分たちを張り倒したバルト(♀)の大胸筋……もとい、かつての「大胸筋の面影」を宿す爆乳を見て、ハァハァと鼻息を荒くし始めた。


「……おお、バルト様。その溢れんばかりの肉体美、そして女性としての柔らかさ。僕は今……男の筋肉にも、女の曲線にも、同時に興奮している……!」 「殿下……左様ですな。そして見てください、あちらのリリアーヌたんを。……うっ、やはりあの『変わらぬ幼さ』を見ただけで、私のポークビッツが臨界点に……ッ!」


女神の注入した「筋肉愛」と、彼らの元々の「ロリコン精神」が、最悪の化学反応を起こしてしまったのだ。彼らは今や、**「筋肉モリモリの漢」を見ればその逞しさに昂ぶり、「幼い少女リリーたち」**を見ればその可憐さに暴走するという、逃げ場のないハイブリッド・変態へと進化を遂げていた。


『ちょっと……嘘でしょ? 私の女神パワーを飲み込んで、さらに性癖を増殖させるなんて……。アンタたち、救いようがないわね、マジで』


女神アフロヘーアですら、引き気味に扇子で口元を隠す始末であった。


・・生徒会の「選別」・・


そんなカオスな廊下に、コツコツと理性的で冷徹な足音が響いた。


「そこまでよ。女神様まで降臨して、一体何事かしら」


現れたのは、生徒会長のイザベラと、会計のカレンであった。二人は壁にめり込んだ元同僚たちと、中庭で悦悦としているガリとデブを、ゴミを見るような目で見つめた。


「エドワード殿下、ガスト・ポークミート様。あなたたちの『生徒会補佐』への内定についてですが……」


カレンが眼鏡を押し上げ、冷たく手帳を閉じた。


「……昨日の醜態、そして今のこの破廉恥な有様。到底、学園の秩序を守る生徒会の一員として認めるわけにはいきませんわ。一度、私たちが直々に『面談』を行い、その適性を厳密に審査させていただきます」


「面談……だと? つまり、イザベラ会長やカレンたんと、密室で二人きりに……。ぐふ、ぐふふふふ!」 「殿下……これは好機! 彼女たちの『年上ならではの重圧』に、今のハイブリッドな我らがどこまで耐えられるか、試そうではありませんか!」


二人は、もはや恐怖という概念を消失させていた。 リリーは、そんな二人を哀れみの目で見送りながら、ミリィに囁いた。


「……ねえミリィ。あの二人の面談、多分『尋問』か『拷問』になると思うけれど、アンナに録画させておく?」 「……ん。……教育資料。……消滅寸前の、記録」


学園の平和を守る(?)生徒会と、女神の力で変異したクズコンビ。 第一回・地獄の生徒会面談の幕が、いま上がろうとしていた。



▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽



生徒会室の空気は、北極の吹雪よりも冷たく張り詰めていた。 中央に置かれた質素な木の椅子、そこには学園の頂点に君臨するイザベラ会長とカレン会計が、裁判官のごとき冷徹な眼差しで座っている。


その対面に「正座」を命じられたのは、ガリ王子のエドワードとデブ公爵令息のガストだ。


「……さて。面談を始めましょうか。いえ、これは『尋問』だと思っていただいて構わないわ」


イザベラが扇子を机に叩きつけ、低い声で切り出した。 「あなたたちの『性癖』、そしてリリアーヌさんたちに対する度重なる不敬。……今後、それを一切悔い改め、清廉潔白な生徒会補佐として活動できるのか。その覚悟を問いに来たのだけれど?」


「悔い改める……? 会長、それは言葉の選択ミスというものですな」 ガストが脂汗を流しながらも、どこか恍惚とした表情で反論した。 「我らのロリータ信仰は、魂に刻まれた不変の定理! それを捨てろと言うのは、太陽に輝くのをやめろと言うのと同じですぞ!」


「左様だ! むしろ、女神様の力を得た今の僕たちは、さらに高次元の愛を理解したのだ!」 エドワードも、骨張った胸を張って力説する。


・・接近する「圧」と、地を這う視線・・


「……話にならないわね」 カレンが眼鏡の奥の瞳を鋭く光らせ、椅子から立ち上がった。 「言葉で分からないのであれば、徹底的に分からせるまでです。……もっと近くで、その歪んだ精神を『矯正』して差し上げましょう」


イザベラとカレンの二人が、圧をかけるように正座する二人の目の前まで歩み寄る。 それは、高貴な女性による精神的威圧のはずだった。しかし、地べたに近い高さで正座させられた変態二人組にとって、それは「視覚的楽園への招待」に他ならなかった。


二人の視線は、まず会長たちの床を踏みしめる細い足首に釘付けになり、そこから流れるように、スカートの裾から伸びる真っ白なおみ足へと吸い込まれていった。


(……おお、この角度……! スラリと伸びた、年上ならではの肉感……!) (殿下、見てください! あのスカートの縁、その暗がりの向こう側……!)


二人の視線は、禁断の領域へと向かう。 「……ツルツル……だろうか。いや、女神アフロヘーアの寵愛を受けた彼女たちならば、あそこは神殿のように磨き上げられた聖域なのでは……?」


妄想が、爆発した。 「ツルツルだったらいいな……ッ!!」という強烈な祈りにも似た願望が、女神から注入された筋肉エナジーと合流。座ったまま、彼らの股間は暴力的なまでの熱を帯び、膨張を開始した。


・・跪き、そして伝説のポーズへ・・


座りながらの「臨界点」。 それは構造上、激痛を伴う。


「ぐ、ぐわぁぁぁ! 殿下、股間が……私の股間が、物理的限界を突破しようとしておりますぞぉぉ!」 「ガスト……僕もだ! この、張り裂けんばかりの衝動……っ!!」


二人は、あまりの「膨張」による痛みと快感の濁流に耐えきれず、股間を両手で必死に押さえながら、その場に蹲った。 イザベラとカレンから見れば、自分たちの「圧」に屈し、あまりの不敬に耐えかねて震えながら土下座をしているようにしか見えない。


「……あら。少し脅せばすぐにこれね。ようやく自分の立場を理解したのかしら?」 イザベラが勝ち誇ったように見下ろすが、足元では二人が「ハァハァ……ツルツル……ツルツルに違いない……ッ!」と呪文のように唱えながら、床を舐めるような姿勢で悶絶している。


まさにそれは、女王に、あるいは女神に、魂の底から跪く信徒の姿——。


「分かりました。その殊勝な『土下座』、免じてあげましょう。……ただし、補佐としての適性はまだ保留よ。カレン、彼らを別室で『更生プログラム(肉体労働)』に回しておいてちょうだい」


「承知いたしました、会長。……ふふ、あんなに震えて土下座するなんて、意外と可愛いところもありますのね」


カレンの言葉に、ガリとデブは心の中で「可愛い!? 今、可愛いと言ったか!? ならばこのまま『お尻ペンペン』の刑に……ッ!!」とさらなる深淵へダイブしていた。


生徒会室の外。 「……お嬢様。あの二人の股間のオーラ、ここからでも視認できますわ。……爆破してよろしいでしょうか?」 アンナのスコップが月光(昼間だが)に輝き、リリーは無言で首を横に振る。


「……いいのよアンナ。あそこまで行くと、もう『病気』というより『生態系』だわ。……さあ、彼らが掃除で忙しいうちに、私たちは女子寮の『お風呂』を魔改造しに行きましょう」


リリーたちは、欲望の土座から解き放たれない二人を放置し、学園生活を「快適」にするための次なる計画へと歩を進めるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ