第二十話:一万年の神域、あるいは究極の女子会
「真・精神と時間の部屋」の真っ白な空間に、三人の少女と一匹のぬいぐるみが取り残された。 リリアーヌ(田中太郎)は、扉が閉じた瞬間にニヤリと笑った。
「さて……ここからは女神様の特権を使い倒すわよ。成果が出るまで、何万年でも居座ってあげるわ」
リリアーヌは目を閉じ、脳内にある「理想郷」を具現化させた。 地面から次々とせり上がる巨大な施設群。
究極の冷蔵庫: 無限に食材が湧き出る。
白亜の洋館: 全員分の個室、大浴場完備。
大図書館:全ての異世界を含む全世界の魔法書と物理攻撃の全技術・近代工学・物理学の技術書を網羅。
万階の地下ダンジョン: 100階ごとに神話級の悪神をボスに配置。
エリクサー・ポーチ: 三人分。無限に全回復ポーションが湧く。
近代米軍基地: 核ミサイル・バンカーミサイル発射台、最新鋭戦闘機、イージス艦、潜水艦。全て弾薬自動補充式。乗り物は全て無人操縦可能。
「お、お嬢……これ、なんだべ? あの空飛ぶ鉄の鳥、凄まじい殺気を感じるべ……」 モミジが巨大なF-35を見上げて震える。
「これは『F-35 ライトニングII』。ミリィ、あなたはあの大図書館を全部読んで。全ての禁呪を使えるようになるまで出さないわよ」 「……ん。……天国。……もう出たくない」 ミリィは既に図書館の扉に吸い込まれていた。
「モミジ、あなたはあの物理技術書を読んで『運動エネルギー』の正体を理解しなさい。その後は、あの地下ダンジョンで一万階のボスを倒せるまで、エリクサーを飲み続けて死ぬ気で戦うのよ」 「なんだか分からねぇけど……面白そうだべ! あだしの斧で、あの地下の神様を薪にしてやるべ!」
・・一万年の「成長なき覚醒」・・
一万年。その途方もない歳月は、三人の「存在」を変貌させた。 過酷な修行の副作用か、三人の身体的成長は止まった。だが、それは衰えではない。 リリアーヌは6歳、ミリィとモミジは10代後半の姿のまま、その魂は世界を構成する「理」そのものへと昇華していた。
普段は別次元に存在し、悪意ある攻撃は全て素通り。しかし友好的な接触には応じる、完璧な「位相制御」を三人は無意識に行えるようになっていた。
・・修行の夜、女たちの聖域・・
「あー……今日も疲れたわね」 一日の修行(といっても数百年の単位)を終え、三人は大浴場へ向かう。
「ふぅ……。やっぱり、この風呂は最高だべな」 バシャッ、と湯船に入ってきたモミジを見て、リリアーヌは愕然とした。
(……いや、デカすぎでしょ。何その質量。物理法則を無視した弾力。おっさん高校生だった私の心が、別の意味で破壊されそうだわ……!)
リリアーヌより数段上の、暴力的なまでの巨乳。モミジ本人は「戦闘に邪魔だからツルペタがいいべ」とボヤくが、リリアーヌには嫌味にしか聞こえない。 「リリアーヌ、背中流してやるべ!」 「あ、ちょ、ちょっと! ……ふぇっ、柔らか……」 モミジの豊かな胸が背中に当たり、リリアーヌは顔を真っ赤にしてドキドキを抑えられなかった。
寝る時も、それぞれの部屋があるのに、なぜか一つのベッドに集まる。 くまちゃんを取り合わないよう、ミリィには**「ねこちゃん」、モミジにはふわふわの「ひよこちゃん」**のぬいぐるみを創造して与えた。
だが、結局は三人でくっついて眠る。 深夜、リリアーヌは強烈な圧迫感で目を覚ました。 「んぐっ……!? も、モミジ……重い、苦しい……窒息する……!」 寝返りを打ったモミジの巨大な胸に顔を埋められ、リリアーヌは聖域(物理)の洗礼を受けながら、幸せな(?)地獄を味わうのであった。




