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第十三話:極限のカオス・トーナメント

突如として南の海に出現した聖なる島。そこは、お坊さんたちが日々修行に励む寺院がそびえ立ち、その中心には巨大な円形闘技場コロシアムが構えられていた。


「なによ、このメンツ……。カオスを煮凝りにしたような顔ぶれね」


リリーが呆れるのも無理はない。かつての敵、味方、異世界の勇者、そして相変わらずの変態たちが、デウス・エクス・マキナの冷徹な管理のもと、一堂に会していた。全員の首には、致死ダメージを無効化する「身代わりの護符」が掛けられている。


サングラスにブラックスーツを着こなした謎のおじさんがマイクを握る。 「レディース・アンド・ジェントルマン! 世界の命運を賭けた史上最大の祭典……**『デウス・エクス・マキナ杯』**開幕だぁ!!」


【主要トーナメント組み合わせ表&戦績】

数百名に及ぶ予選(大乱闘)を勝ち抜き、本戦に駒を進めた主要なカードは以下の通りとなった。


【主要トーナメント 第1回戦 カード&戦績】

対戦カード決まりフィニッシュ勝者 備考 


アンソニー vs エドワード 国王ポージング・オーバーロード アンソニー 

ピンクタイツの眩しさにエドワードが「リリーたん……」と呟き失神。


トキ vs 魚人の剣士 北斗有情破顔拳 トキ

魚人が「これまでにない幸せな海が見える」と恍惚の表情で場外へ。


モミジ vs 猫獣人の巨漢 一本背負い(大地激震) モミジ

「お前、美味そうだべ!」とモミジが怪力発揮。猫獣人は空中へ消えた。


ミリィ vs 仮面の徒手格闘女性 事象消去デリート ミリィ

拳が届く寸前、ミリィが「……ん。邪魔」と足場を消去し自爆を誘う。


ドスコイ女将 vs 勇者姫アンルシア 上手投げ(女将スペシャル)

ドスコイ勇者の聖剣を真っ向から受け止め、まわしを取って土俵の外へ。


ケン vs サムライの殿様 北斗百裂拳 ケン

居合を紙一重で見切り、「お前はもう、斬っている」と宣告。


フドウ vs サーカス団の団長 山の抱擁(圧殺) フドウ

小さな団長を優しく抱きしめたら、そのまま護符が発動して勝利。


リリー vs バッカス 因果固定・二日酔い リリー

酒飲みのバッカスの平衡感覚を狂わせ、自分から土俵の外へ歩かせた。


【準々決勝 カード&戦績】対戦カード 決まりフィニッシュ 勝者 備考


リリー vs ケン 場外押し出し(重力操作) リリー

物理法則を無視。ケンの「天破活殺」ごと空間を曲げて場外へ。


モミジ vs トキ 有情眠気落ち トキ

モミジの斧を柳のように受け流し、心地よい秘孔で爆睡させた。


ミリィ vs ドスコイ女将 土俵消去(概念抹消) ミリィ

女将の足元の「土俵」という概念を消去。女将は空を踏んで転落。


アンソニー vs フドウ 慈愛の不戦勝 アンソニー

フドウが「子供たちのために戦いなさい」と道を譲り、アンソニーが涙。


現在のベスト4(準決勝進出者)

リリー(因果をねじ曲げる神格少女)


トキ(すべてを優しく受け流す有情の聖者)


ミリィ(無機質にすべてを消去する魔導士)


アンソニー(愛とフリルの筋肉枢機卿)


「……結局、濃いメンバーだけが残ったわね。モミジはトキの秘孔で寝ちゃってるし、フドウは相変わらず優しすぎるし」


リリーが呆れる中、デウス・エクス・マキナは焦りを感じていた。本来なら「憎しみ」や「闘争心」を吸収するはずが、会場には「友情」や「筋肉の美学」といった、木偶にとって極めて消化の悪いエネルギーが充満していたからだ。


・・統制不能のカオス・レイド・・


闘技場の玉座に座るデウス・エクス・マキナの計算は、完全に狂っていた。 本来なら強者たちが憎しみ合い、削り合い、最後に残った極上の魂を収穫するはずだった。しかし、目の前で繰り広げられているのは、筋肉の自慢、居眠り、そしてフリルへの情熱。


「……あり得ぬ。なぜこれほどまでに闘争心が希薄なのだ。これでは完全体への糧にならぬ!」


焦燥に駆られたデウス・エクス・マキナは、ついに禁じ手を放った。


「全参加者に告ぐ! トーナメントは中止だ。これより、予選敗退者も含めた全戦士で俺にかかってこい! 死の淵でこそ、真の力は目覚めるものだッ!!」


その宣言と共に、闘技場を仕切っていた壁が崩落。予選落ちした数百名の猛者たちが一斉にグラウンドへと流れ込んだ。


・・地獄の押し競まんじゅう・・


しかし、デウス・エクス・マキナの期待に反し、戦場はさらなる混沌へと突き進んだ。


「さあ! 聖なる筋肉を重ね合わせましょうぞ!!」 「マッスル・ハレルヤァァ!!」 アンソニーと教皇マッスルは、デウス・エクス・マキナを無視し、互いの筋肉をぶつけ合う**「筋肉押し競まんじゅう」**を開始。そのあまりの圧(熱気)に、周囲の魔導兵器たちが次々とオーバーヒートを起こして爆発していく。


「今ですぞ、同志諸君! 混戦の今こそ、不可抗力を装ってリリーたんに……!」 エドワード国王率いる「ロリ部隊(変態騎士団)」が、ノータッチの禁を犯さんとリリー、ミリィ、アマリリスを包囲。「協議中だし不可抗力ですぞぉぉぉ!」と叫びながら、その指先が絶壁へと迫る。


一方、因縁を解消できなかった面々も暴走を開始した。 「……姉の名誉(と私のプライド)のため、今度こそ勝つ!」 グリーンダリアの格闘女性リセが闘気を滾らせ、アストラルティーアの魚人と猫獣人も「デウス・エクス・マキナなんて後だ、まずは貴様を刺す!」とお互いを探して走り回る。


・・リリーの絶叫、届かず・・


「みんな! 真面目にやりなさいよ! デウス・エクス・マキナを倒すのよ!!」


リリーの正論は、喧騒と筋肉のぶつかり合う音に虚しくかき消された。 ゴールドソーサーの紳士オーナーが「皆さん、まずは落ち着いて紳士的に……!」と教皇たちの争いに介入しようとするが、逆にマッスル・ポージングの渦に巻き込まれて「ナイスバルク!」と叫び始めている。


「……ん。リリー、諦めて。……この世界の人々、デウス・エクス・マキナより自分の欲求に忠実」 ミリィが、迫りくる変態騎士たちを無表情で次々と空間の彼方へデリートしながら告げる。


「……ふふ、これもまた、世界の生み出した新しい『形』かもしれませんね」 トキが口紅の跡(また付けられた、参加者に奴らが…)を拭いながら、有情の構えを取る。


「……笑ってる場合じゃないわよ! もういいわ、あいつ(デウス・エクス・マキナ)が一番の被害者に見えてきたけど、さっさとデリートしてこのバカ騒ぎを終わらせるわよッ!!」


リリーが黄金の瞳を輝かせ、全方位への「因果消滅魔法」の準備を始めた。

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