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第82章 ― グレンリゾートホテル誕生 ―

第82章 ― グレンリゾートホテル誕生 ―


翌朝、すすむは村長の家を訪れた。

昨日のレベルアップで手に入れた“リゾートホテル”をどこに建てるか、相談するためだ。


村長は地図を広げ、すすむの話をじっくり聞いたあと、

しばらく腕を組んで考え込んだ。


「……そうだな。

 村外れの街道沿い、池の近くが良いだろう」


「池の近く、ですか?」


村長は地図の一点を指差した。


「ここだ。

 周りは雑木林に囲まれているが、一角だけ草原になっている場所がある。

 昔、村の祭りで使っていた場所だが、今は誰も使っていない。

 街道沿いだから、旅人にもわかりやすい」


すすむは地図を見つめ、胸が高鳴った。


「……最高の立地ですね」


「うむ。

 村の景観を壊さず、かつアクセスも良い。

 リゾートホテルを建てるなら、ここしかないだろう」


すすむは深く頭を下げた。


「ありがとうございます。

 早速、準備に取りかかります」


村長は笑った。


「楽しみにしているよ。

 村の新しい顔になるだろうからな」


村長の家を出たすすむは、すぐに建設予定地へ向かった。


街道沿いを歩くと、やがて視界が開ける。

雑木林の中にぽっかりと広がる草原。

その奥には、静かな水面を湛えた池が広がっていた。


「……ここか」


風が草を揺らし、池の水面に波紋が広がる。

鳥の声が響き、森の香りが漂う。


まさに“リゾート”という言葉が似合う場所だった。


すすむは深呼吸し、能力を発動した。


――ゴゴゴゴゴ……


地面が震え、光が集まり、

巨大な建物がゆっくりと姿を現した。


四階建ての堂々たる外観。

白を基調とした壁面は、森の緑と池の青に映える。


「……すごい……」


すすむは思わず呟いた。


ホテルの隣には、屋外プールも設置する。

冬のため水は張られていないが、

夏になれば宿泊客が喜ぶことは間違いない。


「街道沿いで、アクセスも良い……

 ここなら、旅人も迷わず来られるな」


すすむはホテルの周囲を歩きながら、

未来の光景を思い描いた。


夏には、家族連れがプールで遊び、

夜にはバーで音楽が流れ、

森の風がロビーを抜ける。


「……村が、また一歩前に進む」


胸の奥が熱くなった。


リゾートホテルから少し離れた村のはずれに、

従業員マンション(小)を二棟設置することにした。


すすむは場所を確認し、能力を発動する。


――ドンッ。


六階建てのマンションが姿を現した。

白い外観に、整然と並ぶ窓。

エレベーターも二機ついている。


「これなら、従業員も快適に暮らせるな」


二棟並ぶ姿は、まるで小さな団地のようだった。


「ここに、これから働く人たちが住むのか……」


すすむは、未来の住人たちの笑顔を想像しながら、

マンションの前に立った。


グレンホテルに戻ると、すすむはすぐにシフト表を開いた。


「さて……リゾートホテルの分も追加しないと」


ローレント、マーカス、グラント、ミーシャ、クラレス、セレス。

そして、既存の従業員たち。


彼らの得意分野を考えながら、

リゾートホテルのシフトを組んでいく。


・ローレント:フロント、受付、事務

・マーカス:案内、雑務、宿直

・グラント:力仕事、設備管理

・ミーシャ:レストラン補助、喫茶

・クラレス:厨房補助、売店

・セレス:清掃全般


「……よし、これでいける」


すすむは満足げに頷いた。


翌日から、リゾートホテルでの従業員教育が始まった。


ロビーでは、ローレントが受付の練習をしている。


「いらっしゃいませ。

 グレンリゾートホテルへようこそ」


その声は落ち着いていて、安心感があった。


マーカスは、案内の練習をしていた。


「こちらがレストランでございます。

 朝食はビュッフェ形式となっております」


ミーシャとクラレスは、レストランの準備をしながら、

新しいメニューの配置を確認している。


グラントは設備室で、ホテルの機械類をチェックしていた。


「おお、これは……すげぇ機械だな……!」


セレスは、清掃用具を手に、

廊下を磨きながら言った。


「ここは広いのう……

 でも、やりがいがあるわい」


すすむは、彼らの姿を見て胸が熱くなった。


「……みんな、本当に頼もしいな」


リゾートホテルの運営が軌道に乗り始めた頃、

すすむはガンツを呼び出した。


「ガンツさん、相談があるんです」


「なんだ? また面白いもんでも出したのか?」


すすむは笑いながら言った。


「村の周遊バスを作りたいんです。

 グレンイン、グレンホテル、そしてグレンリゾートホテルを循環するやつ」


ガンツは目を輝かせた。


「おお、それは便利だな!

 従業員も客も使えるし、村の移動が楽になる!」


「はい。

 外見木造ポンチョを使って、周遊バスにしたいんです」


ガンツは腕を組み、満足げに頷いた。


「任せとけ!

 運転は俺たち鋼の匠が交代でやる!」


すすむは深く頭を下げた。


「ありがとうございます」


こうして、村の周遊外見木造ポンチョが誕生した。


リゾートホテルの名前は、

村長と相談した結果――


「グレンリゾートホテル」


に決まった。


村の名を冠したホテル。

村の誇りであり、未来の象徴でもある。


すすむは、ホテルの前に立ち、

新しい看板を見上げた。


GLEN RESORT HOTEL


白い壁に映える金色の文字。

その輝きは、村の未来を照らすようだった。


「……ここから、また新しい物語が始まる」


すすむは静かに呟いた。


グレン村は、確実に変わり始めている。

そして、その中心には――

すすむと、彼を支える仲間たちがいた。


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