表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/225

第74章 ― 高級政務官来訪の報せ ―

第74章 ― 高級政務官来訪の報せ ―


改造された外見木造ポンチョの運行が始まった翌朝。

グレン村の空気は、いつもより少しだけ張りつめていた。

新しい交通手段が村に活気をもたらし、村人たちの表情もどこか明るい。


そんな中、ビジネスホテルAのフロントでは、すすむとミーナが今日の宿泊予定者リストを確認していた。


「今日のチェックインは……商隊の人が三組と、冒険者が二人。それから――」


ミーナが紙をめくった瞬間、背後から落ち着いた声が響いた。


「すすむどの、久しぶりだな。」


振り返ると、そこには上級政務官の姿があった。

以前、村の視察で訪れたことのある人物だ。

彼は旅装束のまま、軽く微笑んでいた。


「これは……上級政務官殿。お久しぶりです。今日はお一人で?」


「うむ。実は、少し秘密の相談があってな」


彼は声を潜め、周囲を見回す。

すすむはミーナにフロントを任せ、清掃の終わった客室へ案内した。


客室に入ると、上級政務官は椅子に腰を下ろし、深く息を吐いた。


「実はな……ドリエステ王国の政を司る“高級政務官”が、グレン村の視察を希望している」


すすむは思わず目を見開いた。


「高級政務官……王国の中枢にいる方ですよね?」


「そうだ。王都の政務を取り仕切る人物だ。

 最近、グレン村の噂が王都にも届いてな。

 “魔法の宿”だとか、“異世界の設備がある”だとか……」


すすむは苦笑する。

確かに、村の発展は急激だった。

外見木造ポンチョの運行開始も、王都にとっては驚きだろう。


「その高級政務官を、ちょうど一週間後に連れてくる。

 ――もてなしてほしい」


「……なるほど。だから秘密に?」


「うむ。余計な噂が広まると、視察がやりにくくなるからな」


上級政務官は立ち上がり、すすむの肩に手を置いた。


「頼んだぞ、すすむどの。

 グレン村の未来は、そなたの手にかかっている」


そう言い残すと、彼は翌日の定期便でエレニアへ戻る予定だという。


その夜、彼は久しぶりにグレンの食事を楽しみ、

翌朝の朝食を終えると、外見木造ポンチョに乗ってエレニアへ帰っていった。


★★★★★


その日のチェックアウトが終わった頃、すすむの体に淡い光が走った。


――レベルアップだ。


白谷すすむ LV8

体力:56

防御:52

素早さ:68

知力:64

魔力:5000


スキル

・建物LV5(消費5~4000)

・車調達・車保守LV2(消費5~200)

・偽装LV3(消費20)

・通販LV4(消費5~100)

・収納LV5

・言語LV1


「今回は……建物系が増えたのか」


すすむはメニューを開き、新たに建てられる建物を確認する。


・ビジネスホテルB

・屋外プール

・ロビー喫茶

・卓球場

・ビラ建物


「……これは、もてなしに使えるな」


高級政務官の来訪まで一週間。

準備期間としてはギリギリだが、すすむは迷わず建設に取りかかった。


建設を開始すると、地面が静かに震え、光が集まり、

やがて五階建てのホテルが姿を現した。


「……でかい」


すすむは思わずつぶやく。


ビジネスホテルB

・ロビー

・事務室

・宿直室

・食堂

・厨房

・男女大浴場(中)

・ランドリールーム

・ロビー喫茶

・屋外プール

・卓球場

・リネン室

・倉庫

客室(小)×48

客室スーペリア×6


ロビーは広々としており、喫茶コーナーには落ち着いた色のソファーが並ぶ。

食堂はビュッフェ形式に対応しており、料理台やジュースサーバーも完備されていた。


「ビールサーバーは……ないか。まあ仕方ない」


大浴場は10人が同時に入れるほどの広さで、

小さいながら露天風呂もある。

温泉ではないが、湯気が立ちのぼる様子は十分に魅力的だった。


客室(小)はビジネスホテルAと同じ仕様だが、

最上階の客室スーペリアは格段に豪華だった。


・広い浴室

・独立したトイレ

・ツインベッド

・ソファー&テーブル

・机と椅子

・冷蔵庫


「これなら……高級政務官にも満足してもらえるはず」


次に、ビラ建物を建ててみる。


光が収まると、そこには半円形の白い建物が現れた。


「……発泡スチロール?」


外観はまるで巨大な発泡スチロールのドーム。

しかし触れると、驚くほど暖かく、内部は柔らかい曲線で構成されていた。


中はベッドルームと浴室、トイレのみのシンプルな構造だが、

不思議と落ち着く空間だった。


「これは……意外といいな」


すすむは気に入り、四棟を追加で建てた。


三日間でビジネスホテルBとビラ建物四棟を完成させたすすむは、

高級政務官の滞在プランを練り始めた。


・宿泊はビラ建物

・食事はビジネスホテルBの食堂でビュッフェ

・ロビー喫茶での休憩

・卓球場や大浴場での娯楽

・村の視察は外見木造ポンチョで案内


「……問題は、従業員だな」


ホテルが増えたことで、シフトのやりくりが難しくなっていた。

リリア、ハンス、ミーナの三人では限界がある。


「やっぱり……大規模な従業員募集をしないと」


すすむは深く息を吐いた。

だが、同時に胸の奥が熱くなる。


――グレン村は、確実に前へ進んでいる。


高級政務官の来訪は、村の未来を大きく変えるかもしれない。

そのための準備は、すでに始まっていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ