第65章 鋼の匠、グレン村へ移転完了
第65章 鋼の匠、グレン村へ移転完了
鍛冶屋集団《鋼の匠》がグレン村へ移住する――
その知らせを受けたすすむは、急ピッチで受け入れ準備を進めていた。
まずは、冒険者ギルドでも使用している二階建てプレハブを 2棟 建設。
これが鋼の匠の“生活拠点”となる。
さらに、彼らが快適に暮らせるように、
ユニットバスを完備
コンテナハウス20室を設置(1人1部屋)
という、村では破格の待遇を整えた。
「ドワーフの職人は風呂好きだし、個室も必要だろう。」
すすむはそう考え、ホテル並みの設備を惜しみなく投入した。
さらに、職人たちがホテルの食堂を利用しやすいように、
食堂棟としてプレハブを1棟追加で建設。
こうして、鋼の匠を迎える準備は万端となった。
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二日後。
大型馬車5台がグレンホテル前に到着し、
鍛冶屋集団《鋼の匠》がついに姿を現した。
馬車から降りたガンツが、すすむを見つけて手を振る。
「おお、すすむ殿!」
すすむも笑顔で手を振り返した。
「鋼の匠の建屋を用意しておきました。ご案内します。」
ガンツたちはプレハブの前に立ち、興味深そうに壁を叩いたり、
継ぎ目を観察したりしていた。
「これが……プレハブという建物か。
分解して運び、また組み立てられる構造……面白いのう。」
他のドワーフ職人たちも、まるで宝物を見つけた子供のように
目を輝かせている。
次にユニットバスを案内すると、
彼らは湯船や蛇口、ライトをしげしげと観察した。
「どうしてお湯が出るんじゃ?」
「この明かりは魔石か? いや、違うな……」
すすむは苦笑しながら答えた。
「ええと……魔法で……よくわかりません。」
(本当は電気と給湯器なんだけど、説明できるわけがない……)
ドワーフたちは「なるほど、魔法か」と納得していた。
居住棟となるコンテナハウスを案内すると、
職人たちは驚きと喜びの声を上げた。
「一人一部屋とは……贅沢すぎる!」
「ベッドも柔らかいぞ!」
「風呂も近いし、最高じゃ!」
ガンツも満足げに頷く。
「すすむ殿、ここまで準備してくれるとは……感謝する。」
ガンツたちの話では、
居住棟の隣に 頑丈な工房棟 を建設する予定らしい。
ちょうどその時、ギルドに来ていた村長ローガンが姿を見せた。
「村長、鋼の匠が工房を建てたいそうです。」
「もちろん許可しよう!
鍛冶屋が来てくれるとは、村にとって大きな力になる!」
村長は大喜びで許可を出した。
こうして――
鍛冶屋集団《鋼の匠》は正式にグレン村へ移住し、
鍛冶の炎が村に灯ることとなった。
武具のメンテナンスが可能になり、
冒険者たちの安全性は大きく向上する。
さらに、鍛冶屋が来たことで、
村の産業は新たな段階へと進むことになる。
すすむは、鍛冶場予定地を眺めながら静かに思った。
「……また一つ、村が強くなる。」
異世界の村は、今日もすすむの手で進化していく。




