第61章 ダンジョン弁当、誕生
第61章 ダンジョン弁当、誕生
和食・中華・カレーの評価会が大成功に終わった翌日。
すすむがレストランで給仕のサポートをしていると、
冒険者たちが次々と声をかけてきた。
「なあ、すすむさん。昨日のあの料理……ダンジョンでも食べられないかな?」
「長期探索の時に、ああいう飯があったら最高なんだが!」
「腹が減ると集中力が落ちるんだよな。あのカレー、持ち歩けたら嬉しい!」
すすむは、なるほどと頷いた。
――ダンジョンで食べられるケータリングメニュー。
以前、政務官たちが村長宅で食べるために注文したケータリングはあったが、
冒険者向けに特化した“持ち運び前提の弁当”はまだ作っていない。
「よし……作ってみるか。」
★★★★★
まず思いついたのは、冒険者たちの反応が特に良かったカレーととんかつ。
すすむは通販スキルで容器を調達した。
頑丈で、仕切りがあり、持ち運びやすいタイプだ。
「まずはカレーからだな。」
・ビーフカレー
・チキンカレー
・白米
・ナン
二種類のルーを用意し、香りを確かめながら味を整える。
「……うん、悪くない。」
次に、とんかつ。
ラードを熱し、衣をつけた肉をじっくり揚げる。
サクッという音が厨房に響き、香ばしい匂いが広がった。
「これを……カレーに乗せて……」
試しにカツカレーを作って食べてみる。
「……いける。」
思わず笑みがこぼれた。
仕切りのある容器に、
・ビーフカレー
・チキンカレー
・白米
・ナン
・とんかつ
をバランスよく詰める。
見た目も良く、持ち運びにも耐えられる。
ダンジョンで食べるには十分だ。
すすむは少し考えた。
「……朝、売り出してみるか。」
★★★★★
翌朝。
グレンホテルの前に、すすむは試作した“カレー&とんかつ弁当”を並べた。
「ダンジョン探索用の弁当、作りました!
カレーととんかつのセットです!」
冒険者たちがざわつく。
「おい、昨日のカレーじゃないか!」
「とんかつも入ってるぞ!」
「これ、絶対うまいやつだろ!」
そして――
数分で完売した。
すすむは驚きつつも、嬉しさが込み上げた。
「……こんなに需要があるとは。」
ギルド支部からも追加注文が入り、
冒険者たちは口々に「毎日売ってくれ!」と頼んでくる。
こうして、
“カレー&とんかつ弁当”は毎朝の名物商品
として定着した。
ダンジョンに向かう冒険者たちは、
弁当を片手に笑顔で出発していく。
「すすむさん、これで今日も頑張れそうだ!」
「腹が満たされると、戦闘もはかどるんだよな!」
「次は別の弁当も頼む!」
すすむは、厨房で新しいメニューを考えながら微笑んだ。
――ダンジョン弁当、まだまだ広がりそうだ。
異世界の食文化は、今日もすすむの手で進化していく。




