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第60章 異世界グルメ評価会、開幕

第60章 異世界グルメ評価会、開幕


グレンホテルのレストランは、これまでフランス料理やイタリア料理を中心に提供してきた。

この世界の文化水準を考えれば、それだけでも十分に“異世界の料理”として驚かれていた。


だが、すすむの胸にはずっと引っかかっていた疑問があった。


――和食や中華、カレーを出したら、どうなるんだろう?


この世界の人々は、未知の味にどう反応するのか。

それを確かめたくて、すすむは思い切って“料理評価会”を開くことにした。


★★★★★


参加者は豪華だ。


・リリア

・レミー

・村長ローガン

・ギルマスのギルバート

・ハンスとその家族

・常連の冒険者たち


まるで村の祭りのような顔ぶれである。


食材はすべて通販スキルで調達。

すすむは厨房にこもり、怒涛の勢いで料理を作り続けた。


★★★★★


大皿に盛られた料理は、まさに世界の食卓そのものだった。


・カレー

・ビリヤニ

・トムヤムクン

・ラクサ

・ラーメン

・とんかつ

・寿司

・そば

・うどん

・チャーハン

・ユーリンチー


「すすむさん……これ全部、初めて見る料理です……!」

リリアが目を丸くする。


「なんだこの香りは……腹が鳴るぞ……!」

ギルバートは鼻をひくつかせている。


「色が鮮やかだな……これは食欲をそそる。」

村長も興味津々だ。


すすむは笑顔で言った。


「今日はビュッフェ形式です。好きなだけ取って、自由に食べてください。」


★★★★★


冒険者たちは、まずカレーに群がった。


「うおっ……辛い! でもうまい!」

「なんだこの香り……クセになるぞ!」


次に寿司。


「生の魚……? だが、これは……うまい!」

「酢飯ってやつか? これ、癖になるな……!」


ラーメンはというと――


「スープが……深い……!」

「麺がもちもちしてる……!」


とんかつは大人気で、あっという間に皿が空になった。


「肉が柔らかい! 衣がサクサクだ!」

「これ、毎日食べたい!」


ハンスはそばをすすりながら感動していた。


「……喉越しがいい……これは癖になる……!」


ギルバートはユーリンチーを食べて目を見開いた。


「このタレ……魔法か?」


すすむは苦笑した。


「魔法じゃなくて、調味料です。」


★★★★★


参加者全員が皿を手に何度もおかわりし、

食堂は笑い声と驚きの声で満ちていた。


ネガティブな意見は一つもない。

むしろ――


「これ、レストランで出せないのか?」

「次はいつ食べられる?」

「この“カレー”という料理、もっと食べたい!」


と、すすむは質問攻めにあった。


★★★★★


食事が終わると、今度は別の意味で大変だった。


「どうやって作るんだ?」

「この香辛料はどこで手に入る?」

「寿司の握り方を教えてくれ!」

「ラーメンのスープはどうやって作るんだ?」

「そもそも、どこでこの料理を知ったんだ?」


すすむは冷や汗をかきながら、曖昧に笑うしかなかった。


「え、ええと……まあ、色々と……」


この世界の人々に“地球の料理”の出どころを説明するのは難しい。

転生者であることを明かすわけにもいかない。


リリアが苦笑しながら助け舟を出した。


「すすむさんは……料理の神様に愛されているんですよ、きっと。」


その言葉に、場がどっと笑いに包まれた。


すすむは胸を撫で下ろしながら、心の中でつぶやいた。


(……危なかった。)


★★★★★


こうして、グレンホテルのレストランは

“世界中の料理を出せる店”として、さらに注目を集めることになる。


すすむは、料理の幅が広がったことに満足しつつ、

次はどんな料理を出そうかと、密かにワクワクしていた。


異世界の村に、またひとつ新しい文化が根付いた瞬間だった。


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